シーメンス Inspiro
基本情報
運用者 ワルシャワ地下鉄
ミュンヘン地下鉄
ニュルンベルク地下鉄
ラピドKL
リヤド・メトロ
バンコク・スカイトレイン
など
製造所シーメンス・モビリティ
製造年2012年 -
運用開始2013年 -
主要諸元
軌間1,435 mm(標準軌)
電気方式第三軌条方式直流750V
架空電車線方式直流1,500V(ソフィア)
第四軌条方式直流630V(ロンドン)
最高運転速度80-100km/h
主電動機かご形三相誘導電動機
永久磁石同期電動機(ロンドン)
制御方式IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置シーメンスSIBAC
保安装置ATP、ATO
備考主な共通事項のみ記載
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Inspiroはドイツのシーメンスグループの輸送部門シーメンス・トランスポーテーション・システムズ(現シーメンス・モビリティ)が開発した都市高速鉄道(メトロ、ラピッド・トランジット、地下鉄)向けの汎用コンセプトモデルによる鉄道車両。1990年代から2000年代にかけての同社のブランドであるモジュラー・メトロの後継型にあたり、ポーランドのワルシャワ地下鉄で導入されたのを皮切りに、ドイツやブルガリアなどの欧州各国、サウジアラビア、タイ王国、マレーシアなどで採用されている。2015年にiFデザイン賞を受賞[1]。
仕様模式図(Mcは制御動力車、Mは動力車、Tは無動力車を示す)。図にはないが2両編成も可能
20世紀末の設計だったモジュラー・メトロの概念を更にブラッシュアップさせた。客室照明にLEDを採用、客室座席は片持ち式となっている[2]。
標準的な6両モデル[3][2]
4M2T(MT比66%)、アルミニウム、直流750Vの第三軌条方式、全幅2.77メートル、車体長20.1メートル(先頭車)/19.4メートル(中間車)ドア幅1.4メートルの4ドアで編成中の座席はロングシートで256席、定員1,450人(立席は1平米あたり7人)、営業最高速度は80km/hとなっている。部材のリサイクル可能率は94.8%[4]。
オプション[2]
1列車2-8両編成に対応し、全車電動車にもできる。車体をステンレス鋼に、集電方式は直流1,500Vの架空電車線方式、車体長は18.6-22メートル、全幅を2.63-3.0メートルに対応できる。ドアはプラグドアの変更や1両当たりのドア数を3つに減らすこと、座席配置はセミクロスシートへの変更、運行面では後付けも可能なCBTCによる完全自動運転(GoA4)、最高速度も100km/hとフレキシブルにアレンジできる。
例として制御装置は同社のIGBT製品のうちSIBAC、台車は同社のSF1000(ミュンヘン[5]、リヤド[6]、ワルシャワ[7])またはSF3000(ラピドKL[8])など足回りも路線の特性によってアレンジが可能。
エクステリアおよびインテリアデザインは同国BMW系の米国法人デザイン・ワークスUSA(英語版)が手掛けたことで知られている[9][10]。
派生は2005年以降に同社から調達されたモジュラー・メトロだが、2010年に追加発注された[11]。この時期はモジュラー・メトロからのモデルチェンジに至る過渡期だったが、シーメンス側はInspiroとしても分類している[12]。
ミュンヘンC2内装
FRP座席が採用されたラピドKL内装
ラピドKL旅客案内装置
ワルシャワ地下鉄内装
ワルシャワ地下鉄モケット座席
ワルシャワ地下鉄旅客案内装置
ワルシャワ地下鉄運転室
ロンドン地下鉄内装のモックアップ
バンコクMRT内装
導入例
一覧
編成数のM=動力車、T=無動力車でモーターの有無を示す
集電方式の三=第三軌条方式(四:ロンドンは第四軌条方式)、架=架空電車線方式
UTO[注釈 1]:有=対応、準=将来的に無人化アップグレード可能
現在、以下の列車はすべて標準軌(1,435mm)と直流電化を使用しています。
国事業者路線出典運行開始UTO編成数編成両数座席数定員編成長全幅速度電化電圧集電方式
mmkm/hDC V
ポーランドワルシャワ地下鉄1号線、2号線[7]2013年354M2T2341,502117.82.7490750三
ドイツミュンヘン地下鉄U6、U3[5]2013年-2015年216M220[注釈 2]940115.062.9
マレーシアラピドKLカジャン線(英語版)[8]2016年有582M2T1741,55490.183.1100
タイバンコク・スカイトレイン■スクムウィット線[13]2019年222M2T1121,20886.63.1280
バンコク・メトロ■ブルーライン[14][15]352M1T1261,11965.12.6590
ドイツニュルンベルク地下鉄U1(英語版)[16]2020年-344M12860475.8852.980