Informix_Dynamic_Server
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Informix Dynamic Server開発元IBM (DB2)

最新版14.10.xC3 / 2019年12月5日 (4年前) (2019-12-05)
対応OSAIX, Linux (IA-32, x64, System z, System i, System p), Solaris (SPARC), macOS (x64, IA-32, x64), HP-UX (Itanium, PA-RISC), Windows (IA-32, x64)
サポート状況サポート中
種別オブジェクト関係データベース管理システム (ORDBMS)
ライセンスプロプライエタリ
公式サイトwww.ibm.com/analytics/us/en/technology/informix/
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Informix Dynamic Server (IDS) は、IBMオブジェクト関係データベース管理システム (ORDBMS)。

当初はInformix Softwareの製品であったが、2001年のIBMによる同社の買収に伴い、IBMソフトウェア部門の「インフォメーション・マネジメント」ブランドの1製品となった。IBMはIDSを戦略データサーバと位置づけ、DB2との技術共通化を表明している。
エディション

IBMは、Informix Dynamic Server (IDS) を、複数のエディションで出荷している[1][2]
Informix Dynamic Server Enterprise Edition (IDS-EE)
すべての機能を備えており、中規模から大規模なシステム向けに設計されている。単一プロセサから数百プロセサの UNIXLinuxWindowsでの稼動が可能である。大量のオンライントランザクション処理 (OLTP) を要する場合や、高速なトランザクション応答、365日24時間の可用性、低い管理費用、一人もしくは少ない人数のデータベース管理者 (DBA) だけで数千の IDS サーバーのリモート管理などを支援する。Enterprise Replication (ER) の機能をもつただ一つのエディションである。バージョン11からリモートセカンダリサーバ (RSS) 機能が使えるようになっている。
Informix Dynamic Server Workgroup Edition (IDS-WGE)
部門やワークグループ、中規模のシステム向けに設計されている。データベースの管理業務を低減しつつ高い信頼性と高い可用性を要する用途を想定する。高い可用性を実現するための複製機能 (High-availability Replication, HDR) を備えている。オンライントランザクション処理 (OLTP) に必要とされる多くの機能を提供する。Enterprise Replication (ER) の機能については限定的な提供となる。このエディションのライセンスが対象とするのは、最大で4つのCPU、8ギガバイトの主記憶装置 (メインメモリ) までの環境である。
Informix Dynamic Server Express Edition (IDS-Express)
中小規模の企業のシステムを想定用途とする。他のエディションと比べて低いライセンス費用での使用が可能である。LinuxあるいはWindowsが稼動する32ビットx86のCPUでのみ稼動が可能である。高い可用性を実現するための複製機能 (High-availability Replication, HDR) 、Enterprise Replication (ER) の機能については、提供されない。このエディションのライセンスが対象とするのは、最大で2つのCPU、4ギガバイトの主記憶装置までの環境である。アプリケーションソフトウェアを変更することなく上位エディションへのアップグレードが可能である。
Informix Dynamic Server Developer Edition (IDS-DE)
IDSによるデータベース開発をするための機能を提供する。無償で利用可能であるが、サポートはない。開発目的にのみ使用可能である (本番環境で稼動させることはできない) 。

以上の各エディションは、IBMのプロセサ数、あるいは許可されたユーザ数、あるいは同時接続セション数に基づく、価格体系の枠内で選ぶことにより使用料金が決まる。
歴史

Roger Sippl と Laura King が1980年に設立した Relational Database Systems(RDS、後の Informix Software)は、成長しつつある関係データベース管理システム (RDBMS) 市場に注目した。

1981年に Relational Database Systems(RDS) は、Informix(INFORMation on unIX)をリリースした。これには独自の言語 Informer が含まれていた。また、データを抽出して読みやすい報告書を作成するサブシステム ACE も付属していた。画面入力フォーム作成ツール PERFORM もあり、ユーザーが対話的にデータベースとやりとりすることができた。この製品の最終バージョンは 3.30 で、1986年にリリースされた。

1985年、新たなSQLベースのクエリエンジンが INFORMIX-SQL(ISQL)バージョン1.10 の一部としてリリースされた。もちろん、ACE と PERFORM のSQL対応版も含まれている。ISQL と以前の Informix の最大の違いは、データベースアクセスコードをクライアントコードと完全に分離した点である。これがクライアント・サーバ型のデータベースシステムへの布石となった。

1980年代前半を通して、Informix は市場で優位に立つことはなかったが、1980年代中ごろには UNIXSQL の組合せが人気となり、情勢が変わってきた。1986年には Relational Database Systems(RDS) は、社名を Informix Software に変更した。当時の製品は INFORMIX-SQL バージョン2.00 と INFORMIX-4GL 1.00 であり、どちらもデータベースエンジンと開発ツールを含んでいる(I4GL はプログラマ向け、ISQL は非プログラマ向け)。

その後も新製品のリリースが続き、新たなクエリエンジンを使った INFORMIX-Turbo がリリースされた。Turbo は ISAM よりマルチユーザー性能が優れた RSAM 技術を使っている。1989年、バージョン4.00 製品がリリースされ、Turbo は INFORMIX-OnLine と改称(オンライン状態でユーザーが使用中にデータベースバックアップが可能)、従来のC-ISAMベースのサーバ機能(ISQL と I4GL)はツール群と分離され、INFORMIX-SE(Standard Engine)と改称された。Informix OnLine の バージョン5.00 は1990年末にリリースされた。これには2相コミットストアドプロシージャによる分散トランザクション機能が含まれている。

1994年、シークエント・コンピュータとの協業で、Informix Software はバージョン6.00データベースサーバをリリースした。その目玉となった機能が動的スケーラブルアーキテクチャ(DSA)である。

DSA は製品のエンジン中核部を大幅に刷新し、垂直および水平の並行性をサポートするもので、シークエントが得意とした対称型マルチプロセッシング (SMP) 向きのマルチスレッド型コアを採用していた。この動きにサン・マイクロシステムズヒューレット・パッカードも追随した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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