当初はiTunes Music Storeという名前が示す通り音楽配信のみだったが、のちに映画やミュージックビデオ、テレビ番組、Podcast、iPod向けゲーム、iPhone・iPod touch・iPad向けアプリケーション配信、映画レンタルなど、さまざまなサービスを提供するようになった。2010年11月からはiTunes Store Japanでも映画配信が開始された。ただし、テレビ番組の配信は、アメリカ合衆国や一部のヨーロッパ地域に限られているほか、App Storeに特化した国家や地域も多い。
iTunes Storeは2010年代前半に最盛期を迎えたが、2015年に「Apple Music」のサービスが提供開始されてからはiTunes Storeにおける音楽配信は下火となり、2019年ごろより映画の配信には「Apple TV」ブランドが使われるようになるなど、2010年代後半を通じて「iTunes Store」の名称は表舞台から姿を消しつつある。 もともとは、アメリカ合衆国に支払い住所があるクレジットカードを保有するMac OS Xユーザだけがこのサービスを利用することができたが、AppleのCEOのスティーブ・ジョブズは、Microsoft Windowsおよびアメリカ合衆国外のユーザの両方をサポートする計画を発表した。iTunesのWindows バージョンおよびiTunes Music StoreからのWindowsプラットフォーム向けサポートはすぐに可能になると2003年10月16日に発表された。
沿革
2004年6月15日、iTunes Music Storeがフランス、ドイツ、イギリスで開始。曲はフランスおよびドイツ向けに0.99ユーロ、イギリス向けに79ペンスの値段がつけられた。ヨーロッパのiTunes Music Storeでは45万曲がイギリスで販売されるとともに、1週間に合わせて総計80万曲を販売した[4]。
2004年10月26日に大規模なEUでのストア拡張が行われ、オーストリア、ベルギー、フィンランド、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペインの9か国で、2005年1月6日にアイルランドで開始。これら10か国では1曲0.99ユーロで販売され、すべての国のストアで同じカタログを共有し、曲はすべて英語のものとなっている。フランス、ドイツ、アメリカ、イギリスのストアではそれぞれの国向けにローカライズされ、各国ごとに異なるカタログを持っている。
2004年12月3日、カナダで開始(1曲0.99カナダドルで販売)。
2004年11月18日、日本経済新聞はApple Computerが10万曲[5]とともに2005年3月に日本でiTunes Music Storeを立ち上げるだろうと報道した。
2005年5月10日、ノルウェー、スウェーデン、スイス、デンマークで配信開始。
2005年6月7日、日本経済新聞は日本版iTunes Music Storeが8月に開始されると報じたが、それに対してApple Computerは「この話は完全に間違いである」と声明を出した[6]。Appleは2005年末にiTunes Music Storeを開始するために準備している状態だと主張した。
2005年7月14日、エイベックスのプレスリリースで、Apple Computer全額出資子会社であるiTunes株式会社[7]とエイベックス・グループのエイベックス・ネットワーク株式会社との楽曲提携合意が発表された。
2005年8月4日、日本での配信開始。レコード会社15社と提携し100万曲を用意、全体の90%を1曲150円、残りの10%を1曲200円で販売。
日本でのサービス開始が遅れた主な理由としては、デジタル著作権管理システム「FairPlay」が、楽曲のCD-Rへの書き込みを禁止していないことが、国内のレコード会社によるコピーコントロールCDの展開と矛盾する点、またそれまでの日本国内での音楽配信の販売の平均的な価格に比べて、標準価格が安い点を一部のレコード会社が問題としたことなどが挙げられている。
2005年10月13日、アニメーションやミュージック・ビデオなどの動画の販売を開始。
2005年10月25日、オーストラリアで開始(1曲の価格は1.69オーストラリアドル)。