iTunes Store(アイチューンズ・ストア)とは、Appleが運営している音楽配信、動画配信、映画配信、映画レンタル、アプリケーション提供などを行うコンテンツ配信サービスである。 同社のソフトウェアであるiTunesを用いてApple IDを作成し、楽曲の購入・ダウンロードを行う。デジタル著作権管理機能を使用し、2003年4月28日にiTunes Music Store(iTMS, アイチューンズミュージックストア)として発表されたこのサービスは、同社製のデジタルオーディオプレーヤーであるiPodの一部サービスとして注目を集めた。 発表にあたり、当時のAppleのCEOであるスティーブ・ジョブズは「我々は違法ダウンロードと戦う。訴えるつもりも、無視するつもりもない。競争するつもりだ」と発言し[2]、実際にP2Pによる違法ダウンロードに匹敵する人気を持つサービスとなった[3]。 当初はiTunes Music Storeという名前が示す通り音楽配信のみだったが、のちに映画やミュージックビデオ、テレビ番組、Podcast、iPod向けゲーム、iPhone・iPod touch・iPad向けアプリケーション配信、映画レンタルなど、さまざまなサービスを提供するようになった。2010年11月からはiTunes Store Japanでも映画配信が開始された。ただし、テレビ番組の配信は、アメリカ合衆国や一部のヨーロッパ地域に限られているほか、App Storeに特化した国家や地域も多い。 iTunes Storeは2010年代前半に最盛期を迎えたが、2015年に「Apple Music」のサービスが提供開始されてからはiTunes Storeにおける音楽配信は下火となり、2019年ごろより映画の配信には「Apple TV」ブランドが使われるようになるなど、2010年代後半を通じて「iTunes Store」の名称は表舞台から姿を消しつつある。 もともとは、アメリカ合衆国に支払い住所があるクレジットカードを保有するMac OS Xユーザだけがこのサービスを利用することができたが、AppleのCEOのスティーブ・ジョブズは、Microsoft Windowsおよびアメリカ合衆国外のユーザの両方をサポートする計画を発表した。iTunesのWindows バージョンおよびiTunes Music StoreからのWindowsプラットフォーム向けサポートはすぐに可能になると2003年10月16日に発表された。
概要
沿革
2004年6月15日、iTunes Music Storeがフランス、ドイツ、イギリスで開始。曲はフランスおよびドイツ向けに0.99ユーロ、イギリス向けに79ペンスの値段がつけられた。ヨーロッパのiTunes Music Storeでは45万曲がイギリスで販売されるとともに、1週間に合わせて総計80万曲を販売した[4]。
2004年10月26日に大規模なEUでのストア拡張が行われ、オーストリア、ベルギー、フィンランド、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペインの9か国で、2005年1月6日にアイルランドで開始。これら10か国では1曲0.99ユーロで販売され、すべての国のストアで同じカタログを共有し、曲はすべて英語のものとなっている。フランス、ドイツ、アメリカ、イギリスのストアではそれぞれの国向けにローカライズされ、各国ごとに異なるカタログを持っている。
2004年12月3日、カナダで開始(1曲0.99カナダドルで販売)。
2004年11月18日、日本経済新聞はApple Computerが10万曲[5]とともに2005年3月に日本でiTunes Music Storeを立ち上げるだろうと報道した。