内戦状態のイエメンでも勢力を拡大し、3月20日には、シーア派武装勢力「フーシ」が掌握する首都サヌアでフーシ派幹部を狙ったとみられる自爆テロを起こし、140人以上の死者が出るなど攻勢を強めた[224]。4月30日には、イエメン軍兵士14人に死刑を執行したとする動画を公開した[225]。
2015年7月には、アフガニスタン政府報道官ザファル・ハーシミーは、少なくともナンガルハール州、ファラー州、ヘルマンド州の3州にISが進出していることを明らかにした[226]。6月には、「ターリバーン」との間で戦闘が勃発し、双方の間でISIL指導者を含む12人が死亡した[227]。
2015年11月には、フランスの首都パリで同時多発テロが発生し[228]、129人が死亡した。この同時テロで、ISが犯行声明を出した。フランスの大統領オランドは11月13日に非常事態宣言を発表し、全ての国境を封鎖した[229]。
2016年8月13日、カナダのオンタリオ州においてIS支持者がテロを計画し、客として乗車したタクシーで自爆し死亡した[230]。同月21日には、トルコ南部ガジアンテプで結婚式を狙ったISによる自爆テロにより50人が死亡した[231]。
2016年リオデジャネイロオリンピックの際には、ブラジルへのテロ攻撃を呼びかけ、ポルトガル語が話せる人材をリクルートしていた[232]。
2021年8月26日、アフガニスタンのカーブル国際空港周辺でISKPが自爆テロを実行。少なくとも72人のアフガニスタン人と13人の米兵が死亡した[233]。
2024年3月22日、ロシアのモスクワ郊外にあるコンサートホールで銃を乱射する事件が発生した。少なくとも62人が死亡し、140人以上が負傷した[234]。ロシア外務省は一連を非難し、モスクワの空港や鉄道駅等で警備が強化された[235]。ISの犯行声明は8年4ヶ月ぶりであった。
支配地域の推移[ソースを編集]
ISILの支配状態(シリア国内のみ・灰色がISILの支配地域)
2014年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2015年1月
2014年-2016年
対外関係[ソースを編集]
対立[ソースを編集]ISILの敵対国家
生来の決意作戦参加国
その他の対立国
2015年末のISIL最大勢力範囲
「国家」を自称しているが、他国から国家の承認は得られていない(本当の意味は、英語の表現にあるように、diplomatic recognition 外交上の承認、という意味で、実際にもその通りの内容)。
当事国であるイラクやシリアはもちろんのこと、日本や米国、カナダ、欧州諸国などの政府も承認していない。さらに、周辺のシーア派・スンナ派(スンニ派)イスラム教諸国の政府などからも国家としては承認されていない。2015年1月時点で、ISILに対し公式に外交上の承認を行った国家は1カ国もなく、当然、国際連合への加盟も果たしていない。
ISILは全世界のほぼ全ての国の政府と敵対している。
ISIL側は、中華人民共和国、ロシア[236]、インド、パキスタン、ソマリア、モロッコ、インドネシア、アフガニスタン、フィリピン、チュニジア、リビア、アルジェリア、朝鮮民主主義人民共和国[237]、大韓民国[238]、台湾(中華民国)[239]、日本[240][241]、ミャンマー、ポーランド、ハンガリー、スロバキアなどあらゆる国を「攻撃対象」として名指ししている[242]。