IRT9番街線
IRT Ninth Avenue Elevated
110丁目駅
IRT9番街線(IRT9ばんがいせん、英: IRT Ninth Avenue Line)あるいは9番街高架線(9ばんがいこうかせん、英: Ninth Avenue Elevated, Ninth Avenue El[1])は、アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタン区およびブロンクス区にあったインターボロー・ラピッド・トランジット (IRT) の高架鉄道路線である。路線は1868年7月3日にマンハッタン区南端のバッテリー・プレイスからグリニッジ・ストリートを北上しコートランド・ストリートへ至る実験的な単線高架の鋼索鉄道、ウェスト・サイド・アンド・ヨンカーズ・パテント鉄道として開業した。1932年9月10日に開通したIND8番街線に置き換えられる形で1940年6月11日に廃止された[2][3]。
なお、155丁目駅より北側はポロ・グラウンズ・シャトルが1958年8月31日まで運行されていた[4]。ハーレム川は旋回橋であるパトナム橋(解体済)で通過しており[5][6]、ブロンクス区内には高架鉄道ながら地下駅も存在していた[7]。
歴史
ウェスト・サイド・アンド・ヨンカーズ・パテント鉄道ウェスト・サイド・アンド・ヨンカーズ・パテント鉄道の試運転列車とそれを見詰める人々、1867年撮影
1866年4月20日、ウェスト・サイド・アンド・ヨンカーズ・パテント鉄道 (West Side and Yonkers Patent Railway Company) がチャールズ・T・ハーヴェイによって設立され、グリニッジ・ストリートおよび9番街に沿ってバッテリー・プレイスから30丁目へ至る鉄道路線の建設許可を受けた[8]。会社はマンハッタン区南端からウェストチェスター郡ヨンカーズへ向かって25マイル(40キロメートル)の高架路線を建設する予定であり100,000ドルの募入資本金でチャーターされていた[9]。
路線の建設は1867年7月1日より始まった[8]。最初の区画は1867年10月7日に完成し、同年12月に試験が行われた[8]。この僅か0.5マイル(0.8キロメートル)の線路は"1本足の鉄道" (one-legged railroad) と呼ばれていた。これは路線が単線で通りの上を通っていたことからそう呼ばれた[9]。車両を動かすケーブルは線路の間に通され、エンジンによって動かされていた[9]。車両は3両が完成しており、特許権も取得していた[8]。
路線は1868年7月3日に開業した[10]。実験 (experiment) を承認した州長官は実験は成功とし、ブロンクス区スピュトン・ダイビルまでの路線建設を認可した[9]。その後社名はウェスト・サイド・アンド・ヨンカーズ・パテント高架鉄道 (West Side and Yonkers Patent Elevated Railway Company) に変更された[8]。