アメリカ合衆国ではiPodが難聴(音響難聴)を引き起こす原因になるという論争が持ち上がり、訴訟に発展している。
件の訴訟はルイジアナ州の男性によって2006年1月31日に起こされた。訴状によれば、iPodは115デシベル以上の音量を再生することが可能であり、この音量で1日28秒以上聴き続けると、難聴を引き起こすおそれがあるとのこと。iPodには「115デシベル以上を再生できるという、設計上の致命的欠陥」があり、これにより正常な聴覚を失う可能性に関してAppleは適切な警告と対策、補償を十分に行なっていないとされている。
この訴訟は集団訴訟と認定されることが請求されており、被害に対する賠償と、iPodを安全なものにする改善を要求している。
但し、件の男性は2005年にiPodを購入したとされているが、実際にiPodで難聴になったかどうかは訴状では明らかにされていない。男性の弁護士によると、実際にiPodで難聴になったかは重要ではなく、iPodが取り返しのつかない難聴を引き起こす可能性が問題なのだという。
ただ、iPodの騒音性難聴を引き起こす「性能」が他のプレーヤーと比較して高いかに関しては疑問の余地が残る。同様の問題点はウォークマンなど携帯音楽プレーヤーが普及し始めた1980年代から言われていた問題で、他の携帯音楽プレーヤー全てに対して言えることでもあり、危険性はユーザー次第、ユーザーが用いる音量次第であり、自己責任との声もある[29]。
現在iPodには、「イヤホンやヘッドホンを大音量で使用すると、聴覚を損なうおそれがあります」という警告文が添えられ、Appleからは最高音量の半分以下で使用することが推奨されている。なお、他プレーヤーでもこのような警告文が添えられている。最新版のソフトウェアでは、第5世代iPod、iPod nano、iPod shuffle向けに、ある一定以上の音量が出ないように設定する機能が提供されている。但し、この機能は旧世代機(第4世代以前のiPod、iPod mini)には提供されていない。
ちなみに、米国のとある大学で行われた調査によると音量を80パーセント以上で1日90分以上イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くと難聴になりやすくなり、音量を100パーセントで1日5分以上聞くと難聴になる危険性が高いとの結論となった。逆に、音量を10パーセントから50パーセントで1日90分以上聞く場合は難聴になる問題は無いとされている。ただし、個々のイヤホンのインピーダンスや感度の違いにより、同じ音量設定でも耳に入る音の大きさは違う。 メーカー製品名
競合製品
アイリバーMP3プレイヤー
ケンウッドMedia Keg(メディア・ケグ)
クリエイティブ・テクノロジーNOMAD(ノーマッド)
Zen(ゼン)
ソニーWalkman(ウォークマン)
デルDigital JukeBox