日本ではiPhone 4Sと同様にソフトバンクモバイルとKDDI・沖縄セルラー電話連合(以下au)より販売されている。 以前のiPhoneシリーズは3.5インチの画面だったが、縦に長くした4インチの画面になった。これに合わせて筐体も縦長になった。液晶ディスプレイはインセル型タッチパネルを採用し、従来に比べて薄型・軽量化を実現した。 内部ではSoCにApple A6を採用した。これにより、CPUとグラフィック性能がiPhone 4Sと比べて最大2倍の処理能力となった。通信機能では、第3世代移動通信システム(3G)の次世代通信技術であるLong Term Evolution(LTE)に対応した。また、従来の3Gの通信機能も強化が図られ、GSMモデルではHSPA+とDC-HSDPA、CDMAモデルではEV-DO Rev.Bに対応した。Wi-FiについてもIEEE 802.11aと802.11nの2.4GHzと5GHz帯の通信が可能となった。 そのほか、カメラ機能は前面カメラ(インカメラ)が720pの高精細度の撮影が可能となった。SIMカードはAppleが先導して開発したnanoSIMを採用し、iPhone 4で採用したmicroSIMよりも44%小型化された。また、30ピンのDockコネクタも8ピンのLightningコネクタに変更、厚さも7.6mmと従来よりも薄くしている。 iPhone 5はLTEに対応し、GSMモデルでは各地域のLTEサービスの提供条件にあわせて2つのモデルが用意され、CDMAモデルと加えて計3モデルが用意される[3]。 日本では、iPhone 5の発売日と同日の2012年9月21日に、auがau 4G LTE、ソフトバンクモバイルがSoftBank 4G LTEを開始した。またauでは、LTEのサービス開始当初からテザリングを提供した。これは日本のiPhoneでは初めてである。ソフトバンクモバイルも2012年12月15日からテザリングに対応した。[注 1]。 初めてこのiPhoneで、Lightningコネクタが採用され、充電やデータ転送に用いられる外部接続端子は、同時に発表された第5世代iPod touchと第7世代iPod nanoでも採用された、8ピンのLightningコネクタを採用し[4]、iPhone 5の製品パッケージにはLightning-USB変換ケーブルが付属している。従来の30ピンのDockコネクタと比較すると80%小型化され[5]、表裏の区別なく挿入可能な点が異なる[4]。また、Dockコネクタ対応の周辺機器はAppleの許可を得ることなく開発できたのに対し、Lightningコネクタ対応の周辺機器はAppleのライセンスを受け、認証チップを搭載しなくてはならない。この制限は充電ケーブルも例外ではなく、認証を受けた製品でなければ充電することができない[6]。 旧Dock端子を搭載した周辺機器は変換アダプタを使ってiPhone 5に接続できる。Lightningは旧Dockと異なりアナログ音声出力を搭載しないが、変換アダプタに音声のデジタル-アナログ変換回路が内蔵されており、従来のDockスピーカーシステムなどを使うことができる[4]。Dock変換アダプタのほか、VGA(ビデオ/音声出力)やHDMI、microUSBとの接続もアダプタを使うことで可能である。microUSB規格との互換性については、欧州委員会の規定により義務付けられていたため、当初はヨーロッパ地域でのみmicroUSB変換アダプタが販売されていた[7]。 新型イヤフォンEarPodsが付属品として同梱されるようになった[8][9]。 iOS 6.0を搭載。Facebookの統合、Googleのサービス(Google マップ・YouTube)の削除、新しい地図アプリケーションの搭載、独自の電子チケットサービス「Passbook」の搭載などが特徴である。その後、Apple独自の地図の不備をCEOが謝罪し、Google マップは、App Storeからダウンロード可能となった。詳細は「iOS 6」を参照 画面が縦長になったのに合わせ、内蔵アプリケーションは新しいデザインになった。iPhone 5向けにデザインされていない従来のアプリケーションは、画面の上下端に帯を表示しオリジナルの2:3サイズで表示される。また、iPhone 5の画面比に対応していないアプリは開発者のアップデートで順次対応している。2013年5月1日からはアプリ審査においてiPhone 5の画面比への対応が必須となり、対応せずにアプリを公開したりアップデートしたりすることはできなくなっている。[10]。 2017年に開催されたWWDC2017で発表されたiOS 11から、iPhone 5cとiPad (第4世代)と共にサポート対象外となった[11]。 2019年7月22日にiOS 10.3.4が配信された。このiOSはGPSなどの不具合を解消したものであり、これを機にiOS10のサポートは終了した。 iPhone 5はアメリカ合衆国での予約開始から24時間で200万台を超える予約を集めた。これはiPhone 4Sの2倍であり、Apple史上最速(当時)である[12]。発売後3日間に世界で500万台を販売し、iPhone 4Sの400万台を上回った[13]。しかしその後の出荷数は伸び悩んでおり、表立って公表はされていないものの当初予定よりも大幅に減産しているのは確実と見られている[14]。 2012年秋の時点でau・ソフトバンクモバイルのLTE対応端末(データ通信専用を除く)はiPhone 5のみであり、iPhone 5の発売が両社のLTEサービスを大きく前進させる契機となった。
特徴
LTE高速通信
Lightningコネクタ
EarPods
ソフトウェア
反響
日本でのLTEをめぐる経緯
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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