この項目では、1998年より発売されているiMac G3からiMac G5までについて説明しています。2006年以降リリースされているiMacについては「iMac (インテルベース)」を、2021年以降リリースされているiMacについては「iMac (Appleシリコンベース)」をご覧ください。
iMac DV(Slot Loading)
iMac(アイマック)は、1998年8月15日(日本語版は8月29日)に発売されたパーソナルコンピュータ、およびMacのディスプレイ一体型デスクトップ機のシリーズに付けられた名称。
デザインや内部アーキテクチャは当初のものから大きく変化しているが、2021年時点でもディスプレイ一体型デスクトップ機として販売されており、ノートタイプのMacBookとともに、Apple社の主軸をなす商品である。
スティーブ・ジョブズが1997年9月16日にiCEO(Interim CEO)として復帰した[1]後のApple社は、iMac発売後、iBook、iPod、iPhone、iPadを発売しており、iMacは、同社の「i」を冠する製品のラインナップの源流に位置付けられる(「i」の意味するところは、internet, individual, instruct, inform, inspire[2])。命名は、ケン・シーガルによるもの[3]。 ギル・アメリオCEOの元で開発が始まったとされているが[4]、デザインの責任者ジョナサン・アイブによると開発当初から、(NeXT社買収でAppleに復帰した)スティーブ・ジョブズが主導した製品であり[5][3]、ラディカルなデザインのiMacはパソコンの歴史においてエポックメイキングなものとなった。開発はApple社内のごく限られた人数で構成されたチームにより極秘裏に進められ、1998年5月6日に行われたジョブズによる発表会[6]で初めてiMacの存在を知った社員がほとんどであった[7]。Apple USBキーボードiMac G3に付属していたマウス 15インチCRTを装備した一体型のケース、キーボード、マウス、果ては電源ケーブル、付属のモジュラーケーブルにいたるまで半透明(トランスルーセント)で統一された斬新なデザイン[8]や、ボンダイブルー(Appleによる造語、シドニーにあるボンダイビーチから)と呼ばれた印象的なカラー、1億ドルを超える大規模マーケティングキャンペーンが展開されたこと[9]、178,000円[10](当時)という低価格が広く受け入れられ(2001年1月には78,000円まで値下げされたモデルもある[11])、4ヶ月で80万台出荷[12]というヒット商品となり、それまで経営危機が囁かれていたAppleの復活を強く印象づけた(実際には1998年第1四半期に黒字化している[13])。 従来のパソコンのイメージを覆す大胆なデザイン(eMate 300のデザインコンセプトを継承したもの)はその後の半透明グッズブームの発端となった。 初代のiMacは、Appleがレガシーデバイスと考えたもの(RS-422シリアルポート、フロッピーディスク、ADB、SCSI)を廃し、USBを全面的に採用するという斬新な仕様で発売された。iMacがUSBを全面採用したことで、USBを採用した周辺機器が次々に発売され、USBの普及が加速的に進んだ。 なお、ディスプレイ内蔵のオールインワンタイプ・パソコンは、Macintosh 128Kから始まったMacintoshの原点とも言うべきものであるが、Macintosh II以降の上位機種にはモジュラー型が採用されたため、一体型は廉価版と位置付けられるようになり、長らく地味な存在であった。しかしiMacシリーズには従来のパソコンにはないインテリア性があり、しかも初代iMacは上位機種DTシリーズと同じCPUを採用しており、従来の一体型Macintosh(Performaシリーズ)とは一線を画すものであった。
概要