この項目では、Appleが発売していたノートパソコンについて説明しています。同社が提供するかつて「iBooks」の名称だった電子書籍リーダーについては「Apple Books」をご覧ください。
iBookiBook G4 14インチ
開発元Apple
種別ノートパソコン
発売日1999年7月21日(オリジナルモデル)
2001年5月1日(Dual USBモデル)
2003年10月22日(G4モデル)
CPUPowerPC G3(オリジナル,Dual USBモデル)
PowerPC G4(G4モデル)
ウェブサイトapple.IncのiBook - 技術仕様の日本語版ページ
iBook(アイブック)は、iMacの成功から約1年後の1999年10月に発売された、Apple(旧Apple Computer)の廉価版ノートパソコン。
iMacと同じデザインコンセプトを踏襲し、半透明で丸みを帯びた筐体、ポップなカラーと、それまでのノートパソコンのイメージを払拭するものだった。初心者向けの入門機種という位置付けながら、当時としては珍しい無線LANカードの内蔵スロットが装備されるなど、1999年時点で現代に通じるWi-Fi時代を見据えた革新的なハード設計となっていた。
インテルアーキテクチャへの移行に伴い、MacBookに後継されることとなる。2006年5月に、PowerBookと共に販売終了となった。
iBook G3 クラムシェルG3 クラムシェルカラーバリエーション
iBookは1999年に「iMac to go」(「持ち運べるiMac」という意味)のコンセプトの下、「クラムシェル」と呼ばれる二枚貝に似せたボディデザインで誕生した。iBookはブルーベリーとタンジェリンの2色で、当時流行のiMacを彷彿させるものだった。その後、グラファイト、キーライム、インディゴブルーの3色を加えた。また、3 kgを越える為に実用的ではないが、デザイン上のアクセントとして細いハンドルが付けられている。
クラムシェルモデルはポリカーボネート製の筐体をラバー素材で覆った構造であり、低年齢ユーザーの乱暴な扱いにも耐えられる、頑丈なつくりであった。また、故障箇所となりやすい、液晶ディスプレイ上部から携帯時向けの固定ラッチを排除した。日本国内市場ではノートブックに携行性が求められるので、12インチ以下の液晶ディスプレイを搭載した製品は、バッテリー容量を犠牲にして重量を軽くした製品が多いが、iBookの場合、肉厚で頑丈なボディと公称6時間のバッテリー運用を確保するための大容量バッテリーを搭載したため、他社製品に比べ重量が重くなった。
iBook (Dual USB)iBook (Dual USB)Early 2003モデル
2001年にiBookはデザインを角の取れた直方体へと一変し大幅な軽量化と、透明のポリカーボネートの内側を塗装したホワイトボディにフルモデルチェンジした。途中素材そのものを白いものに変え、最終型までのiBookのデザインに引き継がれる。正式な名称は iBook のままである。モデルを区別する必要がある場合、「iBook」に続けて「Dual USB」「Late 2001」のような特徴あるいは登場時期を示す言葉が括弧つきで示される。
以下はPowerPC G3時代の最終モデルである iBook (Early 2003, Opaque White)の仕様である。
スペック
12インチモデル
CPU:800MHz/900MHz PowerPC 750FX
メモリ:128MB SDRAM(最大640MB)
ハードディスク:30GB Ultra ATA/100
光学ドライブ:スロットローディング式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW両用)
ディスプレイ:12.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
GPU:ATI Mobility RADEON 7500 (32MB DDR, SDRAM)
入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 1.1ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
ワイヤレス接続:AirMac(オプション)
バッテリー駆動:最長5時間
サイズ:285×230×34.2mm
重量:2.2kg
14インチモデル
アクティブマトリックスTFTディスプレイ(解像度1024×768)
800/900 MHz PowerPC 750FX
ATI Mobility Radeon 7500 32 MB VRAM
30/40 GBハードディスク
Mac OS X v10.2
USB 1.1、FireWire、mini-VGA出力
ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
AirMac(オプション)
バッテリー駆動:最長6時間
重量:2.7kg
iBook G4iBook G4
いずれも最終モデルのもの。
スペック
12インチモデル
CPU:1.33GHz PowerPC 7447A
メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
ハードディスク:40GB Ultra ATA/100
光学ドライブ:スロットローディング式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW両用)
ディスプレイ:12.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
GPU:ATI Mobility RADEON 9550(32MB DDR SDRAM)
入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
バッテリー駆動:最長6時間
サイズ:285×230×34.2mm
重量:2.23kg
14インチモデル
CPU:1.42GHz PowerPC 7447A
メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
ハードディスク:60GB Ultra ATA/100
光学ドライブ:スロットローディング式SuperDrive(DVD±RW/CD-RW両用)
ディスプレイ:14.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
GPU:ATI Mobility Radeon 9550(32MB DDR SDRAM)
入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、mini-VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
バッテリー駆動:最長6時間
サイズ:323×259×34.2mm
重量:2.7kg
歴史
1999年7月20日、CPUにPowerPC G3 300MHzを搭載した、クラムシェル(帆立貝に似た形)の初代iBook(ブルーベリー、タンジェリン)発表。
2000年
2月16日、グラファイトカラーのiBook Special Edition (FireWire)発表。
11月1日、キーライムのiBook (FireWire) 店頭販売開始。
2001年
5月2日、iBook (Dual USB) 発表。トランスルーセントの白一色で小さくなった、CPUは500MHz(PowerPC 750CX)、グラフィックは8MB VRAMのRage Mobility 128、Mac OS Xを標準搭載。
10月16日、iBook (Late 2001)発表。CPUが最高600MHzにマイナーチェンジ。
2002年
1月8日、iBook 14"発表。ディスプレイが14インチになった以外の基本スペックはiBook (Late 2001)に準ずる。
5月21日、iBook (16 VRAM) 発表。CPUが最高700MHzに、GPUがMobility Radeon(16MB)にマイナーチェンジ。
11月7日、iBook (32 VRAM) 発表。CPUが最高800MHzに、GPUがMobility Radeon 7500にマイナーチェンジ。700MHzの最下位機種はVRAMが16MBのままであり、不透明で真っ白な筐体のでiBook (Opaque 16 VRAM)。
2003年
4月22日、iBook (Opaque White) 発表。CPUが最高900MHz(PowerPC 750FX)に、全機種の筐体が不透明で真っ白なものにマイナーチェンジ、最後のMac OS 9.2.2稼動機種。
10月22日、iBook G4発表。CPUに最高1GHzのPowerPC G4 (L2キャッシュ256KBのPowerPC 7445)、GPUにMobility Radeon 9200(32MB)、オンボードRAM 128MBを搭載。
2004年
4月20日、iBook G4 (Early 2004) 発表。CPUが最高1.2GHz、オンボードRAM 256MBにマイナーチェンジ。
10月19日、iBook G4 (Late 2004) 発表。CPUが最高1.33GHz、全機種AirMac Extreme内蔵にマイナーチェンジ。
2005年
春、為替レートに合わせた価格の改訂で値下げ。
7月22日、スクロールトラックパッドと緊急モーションセンサーを搭載し、CPUが最高1.42GHz(L2キャッシュ512KBのPowerPC 7447)、GPUがMobility Radeon 9550、オンボードRAMが512MBへと比較的大きなマイナーチェンジ。