IBM_700/7000_series
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1957年のNACAでのIBM 704メインフレーム

IBM 700/7000シリーズ (アイビーエムななひゃく・ななせんシリーズ) は、1950年代から1960年代初頭にかけてIBM社が製造していた大規模コンピュータシステム (メインフレーム) のシリーズである。このシリーズには、互換性のないいくつかの異なるプロセッサ・アーキテクチャが含まれている。700シリーズは真空管ロジックを使用しており、トランジスタ化された7000シリーズが導入されたことによって時代遅れになった。7000シリーズは、最終的に、1964年に発表されたSystem/360に置き換えられた。しかし、7000シリーズに取って代わる十分に強力な最初の360である360/65は、1965年11月まで利用可能にはならなかった。OS/360の初期の問題と、ソフトウェアの変換コストが高かったため、その後も何年にもわたって多くの7000シリーズが使用された。

日本でも、特にIBM 7000シリーズが輸入され、利用されている。
アーキテクチャ

IBM 700/7000シリーズは、データと命令の格納方法が全く異なる6つの方法がある。

最初の科学技術計算機 (36/18
ビットワード): 701 (防衛電卓として知られる)

その後の科学技術計算機 (36ビットワード、ハードウェア浮動小数点): 704709、7040、7044、7090、7094

事務処理用 (可変長文字列): 702705、7080

1400シリーズ (可変長文字列): 7010

10進数 (10桁ワード): 7070、7072、7074

スーパーコンピュータ (64ビットワード): 7030 (「ストレッチ」(Stretch)として知られる)

700クラスは真空管を使用し、7000クラスはトランジスタ化されている。初期の701と702のモデルを除いて、すべてのマシンは (当時の他のほとんどのコンピュータと同様に) 磁気コアメモリを使用しているが、当初はウィリアムス管を使用し、後に磁気コアメモリに変換された。

シリーズでも機種によりワードマシン(科学技術計算用)であったりキャラクタマシン(事務計算用(商用))であったりと、仕様が一貫したりしているわけではない。ストレッチ(Stretch)として知られる7030のように性格の全く違う機種にも、通し番号のように見える名前が付与された。
ソフトウェアの互換性の問題

初期のコンピュータはソフトウェアなしで販売されていた。オペレーティングシステムが登場し始めると、4つの異なるメインフレームアーキテクチャと1400ミッドラインアーキテクチャを持つことは、少なくとも4つの異なるプログラミング作業が必要となることを意味し、IBMにとって大きな問題となった。

System/360は、7000シリーズおよび1400シリーズのアーキテクチャの最高の機能を1つの設計に統合した。ただし、一部の360モデルには、1400と7000の命令セットをマイクロコードでエミュレートできるオプション機能を持っている。1970年半ばに発売された360の後継機であるSystem/370のセールスポイントの1つは、改良された1400/7000シリーズのエミュレーションで、360上で必要に応じてシャットダウンしてエミュレーションモードで再起動するのではなく、オペレーティングシステムの制御下で実行できるようになったことである。
周辺機器

アーキテクチャは異なるものの、同じクラスのマシンは同じエレクトロニクス技術を使用し、通常は同じ周辺機器を使用する。テープ・ドライブは通常[注釈 1]7トラック形式 (英語版) を使用し、真空管マシンにはIBM 727が、トランジスタマシンには729が使用されている。真空管機もほとんどのトランジスタ機も、701で導入されたものと同じカードリーダー/カードパンチ(英語版)、ラインプリンターを使用している。これらのユニット、IBM 711、721、および716は、IBMの会計機テクノロジーに基づいており、プラグボード式のコントロールパネルも含まれている。これらは比較的低速であり、7000シリーズの設置においては、はるかに高速な周辺機器を搭載したIBM 1401を組み込んで、カードからテープ、およびテープからラインプリンタへの操作をオフラインで実行するのが一般的であった。その後の3台のマシン、7010、7040、7044は、ミッドラインのIBM 1400シリーズの周辺機器を採用した。7030のテクノロジーの一部は、IBM 7340(英語版)Hypertapeなど、他の7000シリーズコンピュータのデータチャネルや周辺機器で使用された。
最初の科学技術計算機 (701)詳細は「IBM 701」を参照IBM 701オペレータコンソールインストールされたIBM 704システム

IBMポキプシー 研究所での開発中は「防衛計算機」(Defense Calculator)として知られていたが、1953年4月7日にこのマシンはIBM 701電子データ処理マシン (IBM 701 Electronic Data Processing Machine) として正式に発表された。

データ形式

数値の幅は36ビットまたは18ビットで、固定小数点のみである。

固定小数点数は、二進の符号/絶対値形式で格納される。

命令形式

命令は18ビット長のシングルアドレスである。

符号(1ビット) - ワード全体(-)またはハーフワード(+)オペランドアドレス


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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