IBM 700/7000シリーズ (アイビーエムななひゃく・ななせんシリーズ) は、1950年代から1960年代初頭にかけてIBM社が製造していた大規模コンピュータシステム (メインフレーム) のシリーズである。このシリーズには、互換性のないいくつかの異なるプロセッサ・アーキテクチャが含まれている。700シリーズは真空管ロジックを使用しており、トランジスタ化された7000シリーズが導入されたことによって時代遅れになった。7000シリーズは、最終的に、1964年に発表されたSystem/360に置き換えられた。しかし、7000シリーズに取って代わる十分に強力な最初の360である360/65は、1965年11月まで利用可能にはならなかった。OS/360の初期の問題と、ソフトウェアの変換コストが高かったため、その後も何年にもわたって多くの7000シリーズが使用された。
日本でも、特にIBM 7000シリーズが輸入され、利用されている。 IBM 700/7000シリーズは、データと命令の格納方法が全く異なる6つの方法がある。 700クラスは真空管を使用し、7000クラスはトランジスタ化されている。初期の701と702のモデルを除いて、すべてのマシンは (当時の他のほとんどのコンピュータと同様に) 磁気コアメモリを使用しているが、当初はウィリアムス管を使用し、後に磁気コアメモリに変換された。 シリーズでも機種によりワードマシン(科学技術計算用)であったりキャラクタマシン(事務計算用(商用))であったりと、仕様が一貫したりしているわけではない。ストレッチ(Stretch)として知られる7030のように性格の全く違う機種にも、通し番号のように見える名前が付与された。 初期のコンピュータはソフトウェアなしで販売されていた。オペレーティングシステムが登場し始めると、4つの異なるメインフレームアーキテクチャと1400ミッドラインアーキテクチャを持つことは、少なくとも4つの異なるプログラミング作業が必要となることを意味し、IBMにとって大きな問題となった。 System/360は、7000シリーズおよび1400シリーズのアーキテクチャの最高の機能を1つの設計に統合した。ただし、一部の360モデルには、1400と7000の命令セットをマイクロコードでエミュレートできるオプション機能を持っている。1970年半ばに発売された360の後継機であるSystem/370のセールスポイントの1つは、改良された1400/7000シリーズのエミュレーションで、360上で必要に応じてシャットダウンしてエミュレーションモードで再起動するのではなく、オペレーティングシステムの制御下で実行できるようになったことである。 アーキテクチャは異なるものの、同じクラスのマシンは同じエレクトロニクス技術を使用し、通常は同じ周辺機器を使用する。テープ・ドライブは通常[注釈 1]7トラック形式 (英語版
アーキテクチャ
最初の科学技術計算機 (36/18ビットワード): 701 (防衛電卓として知られる)
その後の科学技術計算機 (36ビットワード、ハードウェア浮動小数点): 704、709、7040、7044、7090、7094
事務処理用 (可変長文字列): 702、705、7080
1400シリーズ (可変長文字列): 7010
10進数 (10桁ワード): 7070、7072、7074
スーパーコンピュータ (64ビットワード): 7030 (「ストレッチ」(Stretch)として知られる)
ソフトウェアの互換性の問題
周辺機器
最初の科学技術計算機 (701)詳細は「IBM 701」を参照IBM 701オペレータコンソールインストールされたIBM 704システム
IBMポキプシー 研究所での開発中は「防衛計算機」(Defense Calculator)として知られていたが、1953年4月7日にこのマシンはIBM 701電子データ処理マシン (IBM 701 Electronic Data Processing Machine) として正式に発表された。
データ形式
数値の幅は36ビットまたは18ビットで、固定小数点のみである。
固定小数点数は、二進の符号/絶対値形式で格納される。
命令形式
命令は18ビット長のシングルアドレスである。
符号(1ビット) - ワード全体(-)またはハーフワード(+)オペランドアドレス