Hot Soup Processorパラダイム手続き型・命令型
登場時期1996年
設計者おにたま
開発者おにたま
最新リリース安定版:3.6 / 2021年8月10日
評価版リリース3.6RC2 / 2021年7月31日
影響を受けた言語BASIC、C言語
プラットフォームHSP2以前:Microsoft Windows
HSP3以降:クロスプラットフォーム
ライセンスBSDライセンス
ウェブサイト ⇒HSPTV!
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Hot Soup Processor(ホットスーププロセッサー)は、1995年からおにたまにより開発されているプログラミングツール、およびそのプログラミング言語である。略称はHSP。 1994年にHSPの前身となる ⇒light SOUP processor(LSP)がPC-9800シリーズで開発された。名前の SOUP processor は「sequential output control processor: a text script interpreter for multi-purpose, multi-target」が由来である[1]。言語仕様は米ダートマス大学で開発された BASIC 言語の書式に基づいているが、BASIC との互換性はない。 1995年より Windows 3.1 で動作するHSP1.0の開発が開始され[2]、1996年にフリーウェアとして一般に公開された。開発した経緯について、おにたまは『自分にとって必要だから作った、いわば中間生成物的ソフトなのです。』と述べている[3]。 1997年にHSP2.0が登場し、Windows 95 以降で動作する32ビットアプリケーションとなった。定数や文字列型の変数に対応したほか、後のバージョンアップで3D描画機能をサポートした。1999年に「Microsoft DXSD 賞」、2001年に「オンラインソフトウェア大賞2001」をそれぞれ受賞した。2005年には日本の経済産業省が支援する「ITクラフトマンシップ・プロジェクト」にHSPを取り入れた教育・研修が採択された[4][5]。なお、HSP2.61は Visual Studio .NET 2003 を使用して開発しコンパイルされていた[6]。 2005年8月1日にHSP3.0が登場。OSはWindows 98以降が必要になった。文法体系の見直し、Windowsプラットフォームへの親和性の向上などが行われ、一部が従来のHSP2.x系と互換性のない書式に変更された。(詳細は#言語仕様参照) HSP3.0のリリースから2年後にあたる2007年8月1日にHSP3.1が登場、HSPスクリプトエディタの機能改善や、新規のプラグイン・モジュールなどの追加、Peasエディタやかんたん入力機能によるスクリプト入力補助、Javaランタイム上でHSPを動作させるためのHSPLet 2011年9月13日に登場したHSP3.3では、 ⇒HSPDishというランタイムパッケージが供給されており、変換によってiOSやAndroid上でプログラムを実行させることができるようになった。また、HSP3のコードを他のソースに変換するためのツールとしてhsp3cnvが同梱され、公式にC++へのコード変換が可能になった。 HSP3の登場から新ポータルサイトHSPTV!が立ち上がりHSP3ユーザーのコミュニケーションの場として提供されている。またHSPTV!で同サイトのCGIプログラマを募集するなどの取り組みも試みられている[7]。2003年からは毎年HSPプログラムコンテストが開催されており、2013年のコンテストでは「ニコニコ自作ゲームフェス2」との作品の相互提供が行われている。 HSPは手続き型言語であり、中間言語系インタープリタのプログラミングツールとして設計されている。公式に『子供でも理解し易いプログラム言語』を掲げており[8]、低年齢(例えば小学生)向けの解説書も出版されている。 ユーザーがスクリプトの記述や開発環境の設定を行うことなく、自動的にウィンドウの作成や制御が行われる。コンソール版HSP(HSPCL)を用いれば、コマンドプロンプト上で実行するプログラムも開発できる。スクリプトの最後の行が終わるとその時点で実行が停止し、自動的にプログラムが終了しない。 Windowsでの使用を前提としているが、公式にMac OSへの移植をした ⇒HSP/Macも存在する。有志によって非公式的にLinuxにも移植されているが、移植版の場合はWindows版より古いバージョンがベースになっている。ただし、2018年4月1日に、正式にRaspberry PiやLinux対応を謳う、HSP3 for Linux/Raspberry Pi HSP3.xの(ユーザーが実際に入力する)言語仕様に関する主な特徴として、以下のように挙げられる。 HSPには専用のスクリプトエディタが付属している。一般的なテキストエディタの機能を有しているほか、コンパイルや外部ツールの呼び出しなど独自の機能も備える。複数のファイルを参照・編集する場合、同一のウインドウ内にタブを用いて表示・切り替えできる。プロジェクトファイルの概念は無い。エディタのエンジンにはFooty EXE形式で出力できるが、ファイルのアイコン変更は「 ⇒Let's HSPIC!」や「Sato Icon Changer」等の専用のソフトウェアが必要となる。また、HSP3.5以降(正確には3.5 beta6から)では標準でアイコン書き換え機能が追加され、#packopt命令を利用することによりアイコンを変更できるようになった[9]。 現在の最新バージョンであるHSP3.XのリソースはHSP2.Xのリソースとも共通規格でないため、一般的なリソースエディタはもちろんのこと、前記のソフトウェア以外のHSP2.X用に作成された変更ソフトではファイルが壊れてしまう。 コンパイルを行うツールを利用すれば外部エディタでの開発も可能である。 パーツ(要素)と呼ばれるものをマウスで配置し配線することで、自動的にHSPのスクリプトを生成するためのオーサリングツールである。HSP3.1より同梱された。 今までプログラミングに触れてこなかった人や、初心者にとっての新しい選択肢となるものの、すべての作業をPeasエディタで行なうことは想定していないとしている[10]。 なお、パーツはユーザー自身で制作することも可能である。 HSPに同梱された関連ドキュメントを検索・観覧するための専用ブラウザである。ソフトウェア本体はsprocketが開発している。HSP3.0からHSP HELP Browserとして標準で同梱され、HSP3.2より同名称になった。 ドキュメントやサンプルスクリプトを検索し、表示することができる。
歴史
誕生とHSP2登場
HSP3の登場
特徴
言語仕様の特徴
BASICと似た構文を別名として利用できる。
行番号は利用しない(できない)。
構文の大文字・小文字を区別しない。
変数の使用に事前の定義が必要ない(自動的にグローバル変数またはモジュール内定義変数として確保される)。
変数・ラベルはモジュールという他と隔離された名前空間で分離することができる。
変数名に日本語(2バイト文字)を利用できる。
ラベルを使用したサブルーチンの別個記述が可能である。
DLLをプラグインとして利用することができ、それによってWindowsのさまざまな機能を利用することが出来る。DirectXやOpenGLなどの3Dグラフィックスを扱うものもある。
プリプロセッサを持つ。
COMオブジェクトに対応している。
開発環境
スクリプトエディタ
Peasエディタ
HSP Document Library (HDL)
Size:29 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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