HondaJet
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HondaJet

デモ飛行するHondaJet
オシュコシュ、2005年)

用途:ビジネスジェット

設計者:


本田技研工業

ホンダ エアクラフト カンパニー

藤野道格


製造者:ホンダ エアクラフト カンパニー

初飛行:2003年12月(実験機)

生産開始:2012年10月

運用開始:2015年12月

運用状況:運用中

ユニットコスト:約490万USドル
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HondaJet(ホンダジェット)は、本田技研工業の航空事業会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が研究開発、製造販売をする小型ビジネスジェット機である。2022年2月現在世界で約200機以上が運用されている[1]。小型ジェット機カテゴリーにおける出荷数で2017年から5年連続で世界一を達成している[2][3]
開発の背景と経緯

HondaJet開発責任者で設計者の藤野道格が1997年のある夜、眠りにつこうとした時にHondaJetのコンセプトが閃いたという。その場にノートがなかったため、部屋にあったカレンダーを破り、その裏に最初のスケッチを描いたと述べている[4]。ノーズ部の設計には、「ハワイで見たフェラガモのハイヒールから得たイメージを生かした」、「先端形状で美しいものを見ていった時に目にとまり、応用できないかなと思った」と藤野は語っている[5]

主翼上面エンジン配置形態の特性試験を行うため、ボーイング社に設備を借りたという。その際に「ホンダは何であんなところにエンジンを付けているんだ」とボーイングのメンバーに陰口を叩かれたが、試験で空力的に優れているという結果が出てくると「あいつらすごいことをやっている」と言われ始めた[6][7]

なお、ホンダの創業者である本田宗一郎には本田技術研究所で1986年に開始された小型航空機の開発プロジェクトについて、1991年まで存命だったが知らされることはなかった。当時、宗一郎は会社をすでに引退していたが航空機に強烈な情熱を持ち続けており、もしホンダが航空機プロジェクトに着手していると知れば、会社に戻ることを抑えられなくなるため、秘密にしておかなければならないとされていたという[8]
概要
HondaJetロゴマーク青山ショールームに展示される模型機内

主翼上面のエンジン配置(Over-The-Wing Engine Mount)形態や自然層流翼型(Natural Laminar Flow)、一体成型複合材胴体などのHonda独自開発技術により、クラス最高水準の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能、静粛性および室内サイズを実現。エンジンはGE・ホンダ・エアロ・エンジンが開発・製造したHF120を搭載している。主翼の上にエンジンを搭載した世界的にも珍しいデザインや、空気抵抗を低減する先進的な空力技術などにより、従来のビジネスジェット機に比べ、燃費性能を約17%、速度を約10%、客室容積を約30%改善。操作性や静粛性などにも優れている。超軽量ジェット機としては比較的低価格な490万ドルをベースプライスとしている[9]

乗員を含む最大7人乗りで、全長約13m、幅約12m、高さは約4.5m。最大運用高度は13,106m (43,000ft)、最大巡航速度は約782 km/h (422 knots)で、航続距離は2,265 km(1,223 nm)。カラーバリエーションはレッド、ブルー、グリーン、イエロー、シルバーの全5色。2007年(平成19年)にはグッドデザイン賞金賞を受賞するなど、デザインの美しさも高評価されている。また、2017年(平成29年)には、米国Flying誌(英語版)のFlying Innovation Awardを受賞している。

2015年(平成27年)12月に連邦航空局(Federal Aviation Administration -FAA)から型式証明を取得した後、北アメリカヨーロッパラテンアメリカ東南アジア中国およびインドに販売サービスネットワークを拡大。

2017年(平成29年)通年の出荷機数は43機であり、同年の軽量小型ビジネスジェット機の出荷量ではセスナの主力機サイテーションM2の39機を抜いて世界No.1を達成し[10]、2018年(平成30年)に37機、2019年(平成31年/令和元年)には36機、2020年(令和2年)には31機を出荷し、4年連続でカテゴリー最高の出荷機数を達成した[2][11][12]。2017年(平成29年)8月時点で月産4機の体制であり、2019年(平成31年)3月期末までに月産7機程度にまで生産能力を拡大させ納期を短縮させる予定である[13]

2018年(平成30年)本田技研工業がHondaJetとONE OK ROCKのChangeをタイアップさせた企業CMを製作し、2018年上半期にYouTube上で最も再生された広告(約2200万回)になるなど話題となった[14][15][16]
HondaJet Elite

2018年(平成30年)、改良版のEliteをラインナップに追加。カラーバリエーションにアイスブルー(Ice Blue)/ルビーレッド(Ruby Red)/マナークオレンジ(Monarch Orange)を追加、航続距離を約17%(2,265 km+396 km=2,661 km)延長、高周波のエンジンノイズ低減により客室内の静粛性をさらに向上、そしてアビオニクスシステムの進化により、離着陸時および飛行時の安定性や安全性などの面でもその機能をさらに強化した[17]

同年4月にFAA、5月に欧州航空安全機関(European Aviation Safety Agency -EASA)の型式証明を取得。日本においても5月17日、国土交通省航空局に型式証明の申請を行い、12月7日取得した[18][19]

同年7月6日には日本での販売を発表[20]、国内販売代理店は丸紅の子会社である丸紅エアロスペースが行う[21]。日本国内ではビジネスジェットの市場は非常に小さく、そのほとんどが公用機であるが、今後HACIが市場を作り拡大を目指すとしている。12月20日には千葉功太郎堀江貴文山岸広太郎が共同所有する初号機(JA01JP)の引き渡しが行われた[22]

2019年(令和元年)10月21日、救急医療搬送用のメデバック仕様がハワイのWing Spirit社が所有するHondaJet Eliteに初めて導入されたと発表[23]。また、映画俳優のトム・クルーズがカスタムペイントのHondaJetを所有して自ら操縦していることも明らかにされた[24]

同年10月29日に自動車の技術開発や販売などで本田技研工業と競合しているトヨタ自動車の系列会社「朝日航洋」がHondaJet Eliteの所有権を取得した事が明らかとなった。2020年春頃からトヨタ自動車役員の移動用として登録記号「JA86GR」で使用する方針だとしている[25]
HondaJet Elite S

2021年(令和3年)、改良版のElite Sをラインナップに追加。カラーバリエーションにガンメタル/ラックスゴールド/ディープシーブルーを追加、航続距離を約222km延長、アビオニクスシステムのアップグレードとして無線通信をテキストメッセージで行うFAA Data CommとACARS、およびパイロットの地上操縦時の負荷を軽減するASASシステムを導入し、パイロットの負荷を軽減し、機体運用の安全性を向上させた[26]
HondaJet Elite II

2022年(令和4年)10月17日、HACIより発表された。燃料タンクの拡張、最大離陸重量増加によって従来機(Elite S)より204km伸び2,865kmとなる。グランドスポイラーを主翼に初搭載、オートスロットル機能(2023年前半)、緊急着陸装置(2023年後半)にそれぞれ導入される。特別色としてBlack Editionが機体色に設定され、内装には2種類のインテリアデザイン(スチール・オニキス)、木目調の床材、コックピットの羊毛シートカバーなどのオプションが追加される[27]
HondaJet Echelon

2021年(令和3年)10月12日、ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション(NBAA)にて発表された。この段階では「HondaJet 2600 Concept」という名称のコンセプト機で、「2600」は航続距離が2,625 nm(4,862 km)であることに由来し、アメリカ大陸横断ルートを無着陸で飛行可能となる[28]

全長17.62m、翼幅17.29m、全高4.84mに拡大され、それに伴って客室容積も拡大して最大11人乗り(乗員含む)となり、また貨物室容積も従来のHondaJetと比較して大幅に拡大されている。その他にも、最大運用高度は47,000ft(約14,326m)、最大巡航速度は450KTAS(約834km/h)まで向上し、同クラス帯の「ライトジェット機」に対して20%以上、さらに上のクラスである「中型ジェット機」クラスの機体に対して40%以上の燃費向上を目指すとしている。アビオニクスシステムには、新たにオートスロットルやオートブレーキなどの機能を搭載し、パイロットの負荷軽減と安全性の向上を図る[28][29]

2023年(令和5年)6月13日、正式な商用化と2028年頃の発売を目標に開発を進める方針を明らかにした。エンジンにはGEホンダではなくウィリアムズ FJ44-4Cを採用する[30]。同年10月、正式名称が「HondaJet Echelon」となることが発表された[31]
機体タキシング中
主翼上面エンジン配置(OTWEM -Over-The-Wing Engine Mount)形態[32]
HondaJetの外観上の最大の特徴は、主翼上面にエンジンを取り付けたそのユニークなスタイルにある。一般的なビジネスジェット機のエンジンは胴体後部に取り付けられるが、HondaJetではそれを主翼上面に配置した。これにより従来は胴体内部に必要であったエンジン支持構造が不要となるため、胴体内のスペースが30%以上も拡大したと同時に、客室内の騒音や振動が軽減され乗り心地の改善を可能とした。また、胴体後部両舷にエンジンを取り付ける場合に比べ、高マッハ数での造波抵抗が小さくなる位置があることをHondaが発見した[33]。一般的な層流翼(翼厚比10%)を用いた解析と実験から、エンジンを主翼上面の最適な位置に配置することにより抵抗発散マッハ数が0.75から0.03程度上昇することが示された。HondaJetの主翼には翼厚比15%の層流翼が用いられており、この主翼単体の抵抗発散マッハ数は0.707程度となっている[34]。この翼型に主翼上面エンジン配置形態を適用することにより、抵抗発散マッハ数は同様に増加すると考察され、HondaJetの最大巡航マッハ数0.72において、主翼上面エンジン配置形態による空力抵抗減少の効果が得られていることとなる。この最適な主翼上面エンジン配置形態を採用しているHondaJetは、クラス最高の最大巡航速度、燃費性能及び航続距離を獲得している。また、造波抵抗を軽減させた主翼上面エンジン配置形態技術の先駆者並びにHondaJetの設計開発の功績が認められ[35]、開発責任者で設計者の藤野道格は2012年に米国航空宇宙学会(AIAA)より「エアクラフトデザインアワード(航空機設計賞)」を[36]、2014年に学術団体「SAEインターナショナル」より「ケリー・ジョンソン賞」を[37]、国際航空科学会議(ICAS)より「航空工学イノベーション賞」を受賞した[38][39][40]
自然層流(NLF)技術[41]
NLF(Natural Laminar Flow、自然層流)は、機体周りのスムーズな空気の流れを最大化する技術で、空気抵抗の大幅な低減を目的としている。Honda独自の最先端空力研究によるNLF技術は、HondaJetの主翼と胴体ノーズ部分に採用されている。この技術により、高速飛行時においても機体周りの流れを摩擦抵抗の少ない層流に保つことができ、速度と燃費のさらなる向上に貢献している。
複合材製胴体[42]
HondaJetには、軽くて丈夫な複合材(炭素繊維強化プラスチック)が胴体に使用されている。胴体の組み立てにおいては、ハニカムサンドイッチパネルとスティフンドパネルの2種の構造様式を組み合わせた一体成型技術が採用されている。多くの航空機では構造材料として主にアルミニウム合金が使われているのに対し、複合材構造の特徴を最大限に活かしたHondaJetの胴体は、軽量化だけでなく、NLF技術に必要とされる非常にスムーズな表面形状を実現することで、HondaJetの高い性能に貢献している。後部に荷室があり、外側のドアから荷物を取り出すことが出来る。また、キャビン後部にはこのクラスの小型機には稀有なトイレと洗面台を備え、ドアで仕切られているため、完全プライベートな空間が広がる。胴体後部左右にエアブレーキが装備されている。
機首
風洞試験結果から、少なくとも一部は層流を維持し抗力減少に寄与しているという[43]


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