Helck
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Helck
ジャンル
ファンタジー
漫画
作者七尾ナナキ
出版社小学館
掲載サイト裏サンデーマンガワン
レーベル裏少年サンデーコミックス
発表号2014年5月5日 - 2017年12月4日
巻数全12巻
話数全106話
アニメ
原作七尾ナナキ
監督佐藤竜雄
脚本根元歳三広田光毅
キャラクターデザイン出野喜則
音楽平野義久
アニメーション制作サテライト
製作Helck 製作委員会
放送局日本テレビほか
放送期間2023年7月12日 - 12月20日
話数全24話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『Helck』(ヘルク)は、七尾ナナキによる日本漫画作品。『裏サンデー』(小学館)および『マンガワン』(同社)にて2014年5月5日より2017年12月4日まで毎週月曜日に連載された。
概要

ニコニコ静画にて、『TIADIUM』や『ACARIA』等を連載している七尾ナナキのプロデビュー作品。元々は、裏サンデーが2013年に開催した『第2回連載投稿トーナメント』の応募作品の1つであったが、総合2位となり連載となった[1]。これについて七尾は、応募した理由は力試しで、「優勝狙うぞ!」とは、とても思ってなかったと語っている[2]

2015年、ダ・ヴィンチniconicoが主催する「次にくるマンガ大賞」・これから売れてほしいマンガ部門にて8位を受賞した[3][4]

2017年、Webマンガを対象にしたマンガ賞「100万人が選ぶ 本当に面白いWEBコミックはこれだ!」・オトコ編にて5位を受賞した[5] [6]

連載終了後の2022年2月にはメディアミックスとしてアニメ化と新装版の発売が発表された[7]
あらすじ
新魔王決定戦編

魔界のとある国。1人の勇者の手によって魔王トールが倒され、これを機に人間たちは魔王軍を制圧。人間界は「もう魔王に怯えることはない」と笑顔に溢れていた。一方、魔界では、倒された魔王の後継を決めるため、新魔王の座をかけたトーナメントが開催されていた。そんな中、大会の責任者が負傷したため、帝国四天王・赤のヴァミリオは代役として責任者を務めることになる。大会予選の参加者を値踏みするヴァミリオの目に留まったのは、今大会の優勝候補である人間の勇者ヘルクであった。ヴァミリオは大会の副責任者であるホンに、なぜ魔族と敵対している人間を参加させているのか問い詰めるも、大会への参加は種族問わず誰でもOKだからだった。「人間が憎い」「人間滅ぼそう」とおよそ人間の勇者とは思えない発言をするヘルクに対し、なにか裏があるに違いないと危惧するヴァミリオだったが、いまいちヘルクの狙いがつかめずにいた。ともかく、ヘルクを敗退させるために、ヴァミリオとホンは様々な妨害を試みるのだった。

戦闘レベル99のヘルクには力では誰も敵わないため、ホンの発案により、第一試合の種目はトランプタワー対決となった。ヘルクにのみツルツルのトランプが用意され、苦戦するヘルクだったが、気合を入れ直す掛け声と同時に風圧を巻き起こし、完成直前の他選手のタワーを崩壊させ、超集中状態を駆使して物凄いスピードでトランプタワーを完成させ、見事一位通過となった。その後は、ボードゲーム対決、彫刻対決、料理対決と試合が進んでいき、無理矢理にでもヘルクを落とすために料理対決の審査員として参加して、0点を出すつもりのヴァミリオだったが、ヘルクが作ったデザートに10点満点を出し、ヘルクは見事すべての試合を一位通過して、準決勝へと進出したのであった。

妨害がまったく上手くいかない一方で、ヴァミリオは配下の諜報員であるアスタを、勇者の情報と人間の狙いを探るべく、人間の国へ潜入させていた。アスタは得られた情報を妹のイスタへ送り、イスタがそれをヴァミリオへ報告する。それによると、ヘルクは高額な賞金をかけられた賞金首となっていて、その罪状は、魔王トールを倒した勇者であり、ヘルクの実の弟であるクレスを殺したとする弟殺しだった。さらに妙なことに、アスタが回ったどの町にも人間の姿はなかった。いぶかしむヴァミリオの元へ、ホンが駆け込んできて、魔王ウルムの城が落城したことを報告する。他にも人間の勇者がいたのかと危惧したヴァミリオだったが、ウルム城を攻め落としたのは勇者ではなく、翼を持った白い兵士、わずか300名の軍勢だった。

不穏な情勢の中、準決勝として乗馬レース対決が行われることになった。馬の良し悪しが勝敗を左右するこの試合で、ヘルクにあてがわれたのはヘルクの膝上くらいの背丈しかない小さな獣だった。大砲の音を合図にレースがスタートするも、ヘルクの馬はその音に驚いてしまっておろろーんと泣き始める。出遅れたヘルクだったが、馬を励まし元気付けて、レースを再開する。ヘルクは、馬に跨っていても地面に足が着くことを利用し、馬と一緒に走ることで、物凄い勢いで追い上げる。道中の障害物は避けずに破壊し、最終的には馬を脇に抱えて走り、そのままトップを追い抜いて見事一位でゴールした。これにより、決勝のメンバーは勇者ヘルク、神速のケンロス、不死身のヒュラ、鉄壁のドルーシの四名に決まった。

ヘルクと翼の兵士の件に頭を悩ませていたヴァミリオだったが、そこへ大会の元責任者である帝国四天王・青のアズドラが満身創痍で現れる。アズドラの提案により、決勝戦はウルム城の奪還に決定する。敵のリーダーを倒して城を奪還した者が新魔王となることになったが、選手の身を案じ、ヴァミリオが運営のアン(偽名)として、これに同行することになった。

ヘルク一行は、魔界の大地の毒が生み出しているという魔物や、それらの通常の魔物よりさらに凶悪な新世界生物と呼ばれる異形を倒しながら、ウルム城を目指す。ウルム城へ到着したヘルクたちは、翼の兵士との戦闘を始める。単身で先行して斬りかかるヒュラだったが、敵のリーダーに間合いを一瞬で詰められ、片腕を切り落とされてしまう。ヒュラに止めを刺そうと近づく敵のリーダーに対して、ヘルクは名を呼んで呼び止める。敵のリーダーはエディルという名のヘルクの知り合いだった。二人はお互いを懐かしむが、エディルの発言から、翼の兵士は人間たちが勇者として覚醒したものであり、覚醒率が高い兵士は自我を保ったままだと、アンたちは知る。勝ち誇るエディルだったが、背後からヒュラの不意打ちをくらい、追い詰められる。ヒュラが止めを刺そうとした瞬間、ヘルクが間に入ってそれを防ぐのだった。これを見たアンは、ヘルクはやはり敵だと認識する。そしてヘルクは翼の兵士を殺してはダメだと言う。その直後、エディルは仲間である翼の兵士によって致命傷を受ける。翼の兵士の行動を疑問に思うアンたちだったが、突如城の床が崩れ、空間移動術で作られたゲートが目の前に現れる。ゲートは暴走しており、周囲のものを無差別に吸い込む状態だった。アンはこれを止めるため、ゲートの原動力となっている結界石を破壊することに成功するが、ゲートからの脱出に失敗し、助けに入ったヘルクとともにゲートへ吸い込まれてしまうのだった。
孤島の村編

ヴァミリオことアンが目を覚ますと、そこには一面の海が広がっていた。アンは、聞こえてくる物音を頼りにヘルクを探すと、ヘルクはちょうどログハウスを完成させていた。ヘルクに気取られないよう様子を窺っていたアンだったが、背後の茂みから黄緑色のフワフワした鳥のような生き物ピウイが現れ、元気よく挨拶してきたためヘルクに見つかってしまう。アンは戦うべきかどうか逡巡したが、ヘルクから自分たちは現在孤島にいることを聞かされる。二人で協力して魔界へ帰ろうというヘルクの提案に、勢いにつられてうなずいてしまったアンだったが、これまでのヘルクの行動から、ヘルクはもしや敵ではないのかと思い始めていた。その後、食料調達のため、釣りをしながら今後の方針をアンは考えていた。しかし、考えに没頭するあまり魚の食いつきに気づかず、結局釣り糸が切れて魚を逃してしまう。魚を追ってすかさず海に飛び込んだヘルクは、海の底を歩いていたシカのような生物を抱え上げてくるのであった。

一方、ヴァミリオが行方不明になった顛末を報告されたアズドラは、ソファから転げ落ちるほど動揺をあらわにしていた。落ち着きを取り戻したアズドラは、人間たちの動向を懸念しつつも、ヴァミリオが心配で自身のメンタルが持たないという理由から、ヴァミリオの捜索を第一優先とすることに決めた。人探しの術を使い、ヴァミリオの位置を地図上に指し示そうとしたアズドラだったが、地図の外が指し示され、ヴァミリオたちが大陸の外まで飛ばされたことを知るのであった。

ログハウスで目を覚ましたアンの元に、村長に頼まれて朝食を持ってきたという島民が訪ねてきた。しかし、朝食は食べかけで3割ほどしか残っておらず、アンが指摘すると、運ぶ途中にお腹が空いてしまい、頑張って残したとのことだった。朝食を島民に譲り、村まで案内するようにアンは島民へ頼んだ。アンが村へ到着すると、他の島民からは警戒されている様子だった。そこへピウイが現れ、アンの顔面にダイブしてくる。ババァの匂いするとピウイに言われ、動揺するアンだったが、ヘルクが船を作るとピウイから聞いて、ヘルクの元へ急行する。大陸の方角がわかったのかと思いきや、方角はまだわかっておらず先に船だけ作るとのことだった。するとそこへ、村長と思わしき人物がただならぬ様子で現れ、ついてくるようアンたちに命じる。島民たちに囲まれ一触即発の事態かと思われたが、一転して歓迎の宴を始める村人たちのサプライズだった。アンは宴の席で、大陸の方角を村長に尋ねるも、魔女様なら知っているだろうとのことだった。結界があるため魔女様の元へはこちらから行くことはできないが、近日中に村へくるだろうとのことだったので、アンたちはそれを待つことにしたのだった。

ウルム城に取り残されたケンロス、ヒュラ、ドルーシの3名は、運営からの連絡を待ちつつ、周囲の魔物を討伐していた。そこへ覚醒率の高い翼の兵士率いる翼の兵士1000名の大群が現れる。多勢に無勢の窮地だったが、イスタ、ホン、帝国四天王アズドラが救援として駆けつける。共存の道を説くアズドラだったが、王の命に従うのみと翼の兵士たちが聞き入れることはなかった。アズドラはやむを得ず、木の根を操ることで一瞬の内に翼の兵士1000名を捕縛する。降伏するよう呼びかけるアズドラだったが、突如現れた翼の兵士の増援から一斉に弓を放たれる。しかし、この兵士たちの目的は、アズドラたちへの攻撃ではなく、捕縛された兵士たちの殺害だった。そしてリーダー格の兵士の一人が、勇者は何度でも蘇ると言い残し、自害する。ちょうどそのころ、単身で人間の国の王城に潜入していたアスタは、翼の兵士が次々に召喚されるような光景を目撃する。翼の兵士の言動とアスタの報告から、翼の兵士が復活していることをアズドラたちは確信した。アズドラは過去の経験から、翼の兵士が復活するのは人間の王の術によるもので王を倒すと術が止まることを知っていた。また、アスタからの情報で、人間がウルム城へ再び侵攻することを知ったアズドラたちは、ウルム城の防衛、トール城の奪還、人間の王の討伐を目指し、作戦を進めるのだった。

魔女を待つアンたちの元へ、魔女が村へ来たと島民が伝えに現れた。アンは先んじて村へ急ぎ向かうも、来るのが遅かったらしく魔女はすでに帰っていた。自らを責めるアンだったが、さきほど伝達にきた島民はそれを見て、伝えにいく途中疲れて結構寝てしまったのだと謝りながら白状した。しかし、村長の配慮によって魔女の元への結界が解かれたため、アンたちはピウイの案内ですぐに向かうことにした。魔女の家へたどり着いたアンたちを出迎えたのは、ピウイを二周りほど大きくして頭にトンガリを生やした生き物だった。アンは、この生き物が魔女なのかと驚いたが、背後から本当の魔女に声をかけられた。ピウイがババァと呼ぶその魔女は、とてもお婆さんとは言えない見た目で、アンに少し似た女性だった。魔女によるとアンたちが目指す大陸は島の北西にあり、船旅の準備をした上で、航路の途中に通過する厄介な海域を抜けるために、滅多に現れないシカンゴという獣を捕まえるよう助言を受ける。シカンゴの絵を見せてもらうと、それは以前ヘルクが海から抱え上げてきたシカのような生物だった。ヘルクは、今朝もシカンゴを見かけたということで、単身急ぎシカンゴの捕獲へ向かう。アンは魔女の見た目や言動から、もとは帝国の者ではないかと尋ねるが、答えは内緒だった。魔女は、自身のことよりも目の前の問題、ヘルクに集中しろとアンに警告する。魔女曰く、今は大丈夫だがいつまでもそうだとは限らない、ヘルクは大きな災いを招く可能性を秘めている、正しい選択を、と。

すべての準備を終えたアンとヘルクは、ピウイや魔女、島民たちと別れを告げ、大陸を目指して出航するのだった。


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