Happy!_(漫画)
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波間信子の漫画「ハッピー!」とは異なります。

Happy!
ジャンルスポーツ漫画
漫画
作者浦沢直樹
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスピリッツ
レーベルビッグコミックス
発表号1993年47号 - 1999年15号
発表期間1993年10月25日 - 1999年3月8日
巻数全23巻(単行本)
全15巻(完全版)
話数全254話
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『Happy!』(ハッピー)は、浦沢直樹による漫画で、テニスを題材としたスポーツ漫画。1993年から1999年にかけて『ビッグコミックスピリッツ』に連載された。全23巻。2004年に1ヶ月につき2巻のペースで完全版が出版された(全15巻)。

テレビドラマ化され、2006年4月7日TBS系列でスペシャルドラマとして放送された。2006年12月26日に「Happy!2」が放送された。目次

1 本作誕生の経緯

2 あらすじ

3 登場人物

3.1 海野家の人々

3.2 鳳財閥および鳳テニスクラブの人々

3.3 竜ヶ崎財閥の人々

3.4 二子山家の人々

3.5 プロテニス界の人々

3.6 ビッグバンファイナンスの人々

3.7 その他の人々


4 書誌情報

5 テレビドラマ

5.1 Happy!

5.1.1 キャスト

5.1.1.1 テレビドラマ版オリジナル登場人物


5.1.2 スタッフ

5.1.3 音楽


5.2 Happy!2

5.2.1 キャスト

5.2.2 スタッフ

5.2.3 主題歌(エンディングテーマ)



6 脚注

7 外部リンク

本作誕生の経緯

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1993年に『YAWARA!』の連載の終了が予定され、浦沢は次作のミステリー物の構想を練っていた。そんな中、ビッグコミックスピリッツ編集部より「『YAWARA!』を終わらせないでくれ」という要請が来る。しかし、浦沢はこの要請を拒否。しかしながら、編集部からの「次回作はスポーツ物で」という強い要請が来たため、浦沢は「『YAWARA!』の後に同じようなスポーツ物を描いても『YAWARA!』は超えられない。それでもいいですか?」「『YAWARA!』は観客から応援される主人公だったが、次回作はブーイングを浴び続ける主人公にする。それでも?」と念押しし、編集部から承認を得てスポーツ物を描くことを受諾した(後にミステリー物は『MONSTER』として執筆される)。当初は題材としてバレーボールを扱おうとしていたが、バレーボールの最終目標がオリンピックでは『YAWARA!』との差別化が図れないことから、金を稼ぐことを目的としたプロスポーツ物として構想した。

題名の由来は、主人公の名前である。(『YAWARA!』の猪熊柔(やわら→YAWARA)に続いて、『HAPPY!』では海野幸(幸せ→HAPPY)。)

本作は熱狂的なブームを呼ぶこともなく、浦沢本人としては影の薄い作品となってしまったと完全版15巻あとがきにて後述しているが、1990年代後半からの景気の低迷をうけ、「ちょっと早すぎた作品だったんじゃないか」とも同時に述べている。

浦沢は最も影響を受けた手塚治虫の『火の鳥』の文学性と、ボブ・ディランの『信じる道を生き抜く』主人公を『HAPPY!』に投入する事を決意した。人間の愚かさや汚さをさらけ出しながら懸命に生きる人々の壮大な人間の本質を描く文学を目指した(NHKプロフェッショナル 仕事の流儀』)。

物語の構成は、浦沢の基本方針として「まず、売れなければ描きたい物を描かせて貰えない」ことを前提に、山本鈴美香の『エースをねらえ!』で確立されていて編集者が求める、商業連載漫画の量販法則である、スポーツ、根性、ラブコメディーを『YAWARA!』時代から引き続いて確実に踏襲している。

『YAWARA!』では『エースをねらえ!』に対して、無敵の主人公が精神的に成長する物語とした。根性や文学性は脇役で補完するなどの実験が行われ、無敵の主人公ゆえに徹底的に勧善懲悪で大衆に広く受け入れられる物語を目指して完成した。主人公も脇役も全員が基本的に善人だった。

『HAPPY!』では読者と編集者が求めるスポーツ漫画の枠の中で『火の鳥』の文学性と、ミステリー、ボブ・ディランの「信じる道を生き抜く」主人公を盛り込んだ。主人公の海野幸はウィンブルドン優勝の夢と周囲の人々を信じ切っているが、それゆえに愚かで無知で弱く不幸のどん底まで堕ちる。脇役たちは全員が悪人か偽善者か傍観者である。嫉妬や妬みといった人間の汚い面を積極的に盛り込んでいる。『YAWARA!』の読者が求める勧善懲悪を捨て去ったこと、主人公の海野幸が兄から背負った2億5千万円の借金を自己破産せずに返済し続けてしまう愚かな状況に周囲の脇役から追い込まれるミステリー、全員が悪人か偽善者の脇役などによって連載中盤で、『YAWARA!』の読者からフォークからロックに転向したボブ・ディランのように激しいブーイングに浦沢自身が晒されて見捨てられてしまう。主人公の海野幸と共に、浦沢自身がボブ・ディランの「信じる道を生き抜く」状態に追い込まれる。

コミックで全23巻が完結するとハッピーエンドとなる。読後感は「人間の浄化」が強く残る文学である。「信じる道を生き抜く」主人公は当然に厳しく不幸のどん底に堕ちてゆくが、技術的に精神的に社交的に成長し、ヒザの故障というリスクも背負ってウィンブルドンで優勝し、2億5千万円の借金も返済して浄化される。


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