HSST
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "HSST" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2021年6月)

HSST-03 実験車両(岡崎南公園横浜博覧会で初の営業運転を行ったHSST-05(1989年)愛知高速交通東部丘陵線100形 3輌編成車両(2005年)

HSST(: High Speed Surface Transport)は、日本で開発された磁気浮上リニアモーターカーである。頭字語を構成する元の単語を直訳すると高速度地表輸送となるが、これは当初、空港アクセスが想定されたためで、航空輸送に接続する地上側の輸送ということである。電磁石の吸引力で約1センチメートル浮上しリニアモーターで動かすことにより、軌道(線路)に接触せずに走行するため、低振動・低騒音および高速走行が可能であることが特徴である[1]。当初は日本航空、その後は名古屋鉄道が中心となり開発が進められた。運転速度および輸送能力に応じてHSST-100、HSST-200、HSST-300の3システムが開発されている。

2005年3月に愛知高速交通東部丘陵線(愛称:リニモ)で常設路線として初の営業運転を開始した。
開発経緯

1970年代初頭、当時建設が進められていた成田空港が都心から60 km以上離れており、また世界的にも空港が遠隔地に移動していく潮流を受けて、自社技術による空港アクセス交通システムについて日本航空によって独自に調査・研究が始められた(なお、成田空港のアクセスについては、これと別に運輸省国鉄成田新幹線を計画していたが、未実現に終わった[2])。

日本航空では当時の世界各地の交通システムも調査・研究し、特に西ドイツで開発が進んでいた磁気浮上式鉄道に注目し、航空機技術と組み合わせれば最適な交通システムが作れると判断した[3]。当時、西ドイツの磁気浮上式鉄道が地上一次式リニア同期モーターを採用したメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)社の主導するトランスラピッドの開発に一本化され、使い道を模索中だったクラウス=マッファイ社の車上一次式リニア誘導モーターを採用していたトランスラピッド04の吸引式磁気浮上の基礎的技術を導入[4]して1974年頃から開発が開始された。当時の開発目標として最高速度を300 km/hとした。

また、クラウス=マッファイ社から吸引式磁気浮上に関する技術を導入したため、あたかもトランスラピッドのコピーであるかのような印象を与える場合もあるが、実際にはMBB社の主導によって開発されたトランスラピッドが高速化に適した地上一次式リニア同期モーターを使用するのに対して、HSSTでは浮上と案内を兼用した車上一次式リニア誘導モーターを採用する等、同じ吸引式磁気浮上でも細部は異なる。HSSTで使用されている車上一次式リニア誘導モーターのコンセプト自体は、ドイツの磁気浮上式鉄道の開発がMBB社が主導するトランスラピッドに一本化される前に、クラウス=マッファイ社がトランスラピッド04で実用化の一歩手前まで既に研究が進められていたが、あくまでも高速化を追求するトランスラピッドでは採用されなかったという背景がある。トランスラピッド04では制御の難しい両側式リニア誘導モーターを採用していたのに対し、HSSTでは制御が比較的容易な片側式リニア誘導モーターを採用している。
性能

急勾配や急曲線での走行性能が非常に優れており、振動や騒音が少なく、乗り心地が安定している。最高速度は案内軌条式鉄道(AGT)に比べて速く[注釈 1]、冬季での積雪や凍結時の影響も少ないため、季節を通して安定した輸送力をもっているのが特徴である。
基本技術HSSTの構造図。車両とレール側のU字構造の頭頂部同士に働く吸引力で浮上および案内力が生ずる。
浮上・案内

浮上・案内には電磁吸引制御式が採用されている。HSSTの特徴でもあるが、1つの機構で浮上力と案内力を兼用して発生させる方式である。軌道側に鉄製の浮上案内レールが下向きに取り付けられており、車両側には、モジュールによりレールを抱きかかえる形で取付けられている電磁石がレールと対向している。この電磁石がレールを吸引する力により浮上力を得る。この方式で安定した浮上力を得るためには、レールと電磁石の間のギャップを常にギャップセンサにより測定し、毎秒4,000回の演算を行い常時一定の間隔を保つように電磁石を制御している。HSST-100で電磁空隙は約8 mm、浮上量は約6 mmである。

また、レールおよび吸引磁石は車両進行方向に対して共にU字型をしており、レールと吸引磁石のU字の頭が互いに対向するように配置される。このU字部分の頭頂部に一致するように横向きの力が働くが、これが案内力となる。

電磁吸引制御式の特徴として、浮上磁石が鉄レールを引き付ける際に、磁界の影響で鉄レール内にはうず電流が発生する。このうず電流と浮上電磁石との間には車両を制動する方向に力が働く。これを回避するためには、磁束密度を低くし代わりに広い面積で車体の浮上を支えることが有効である。HSSTではモジュール(後述)構造により車両長さ方向をほぼカバーするように浮上磁石を配置している。
推進

片側式リニア誘導モーター(リニアインダクションモータ)が採用されている。これは、車両側に誘導電動機の固定子(電機子)に相当する一次側コイルを、軌道側に誘導電動機の回転子に相当する二次側の金属プレート(リアクションプレート)を持つ構造となっている。この方式では、軌道側にコイルを持つ必要はないが、車両側で電機子の磁極切り替え制御を行う必要がある。また一般にリニアインダクション(誘導)モータはリニアシンクロナス(同期)モータに比べて消費電力の効率が悪いとされている[注釈 2]

またHSSTではリニア誘導モータの駆動装置としてVVVF方式インバータを用いたV/f一定制御(電圧と周波数の比を一定制御)が採用されている。
車両技術
モジュール

一般の鉄道車両の台車相当の部分をHSSTではモジュールと呼ぶ。一般の鉄道の台車と異なり、HSSTのモジュールは車両のほぼ全長にわたって分散するように配置されている。これは横方向磁束方式とも呼ばれる。モジュールは浮上、案内、推進、ブレーキの機能をまとめたものであり、車体の両側に連続的に配置されている。モジュールには2個の浮上・案内電磁石を1組として2組、リニア誘導モータの一次側が1つ、ギャップセンサなどが内蔵されている。モジュールの左右はアンチ・ロール・ビームで接続されている。

車体とモジュール間には空気ばねによりモジュール端の4箇所で接続されており、これにより車体への振動緩和を行っている。
ブレーキ

通常の場合はリニアモータからの制動力による電気ブレーキを使用する。しかし安全面を考慮し油圧ブレーキも装備されている。油圧ブレーキは、ブレーキシューが車両側に装備され、シューにより軌道側の浮上案内レールの一部を挟むことで制動力を得る。

ブレーキ系統は常用系と保安系の二重のシステムを持っている。保安系ブレーキは電磁弁に対して常時励磁しており、電気系の故障などで励磁が解除されると油圧ブレーキが作動するフェイルセーフになっている。
給電装置

HSSTでは、車上側の推進コイル、浮上コイルに対して電力供給が必要となる。このため軌道側に設置されている電車線から車両側に設置された集電装置による接触給電(直流750 Vまたは直流1,500 V)が行われる。HSST-03までは推進用のリニア誘導モータの励磁用の交流電流を地上に設置されたVVVF方式インバータから給電していたので給電線が多かった。HSST-04以後はVVVF装置は車載式になり給電装置も最小限で済むようになった。

検修庫で安全上、軌道から集電できない場合は電源ケーブルを接続して浮上する。
車上電源

浮上中に電源異常になった場合に備え、バックアップバッテリが搭載されている。バックアップバッテリのみでも数十秒間の浮上が可能。
軌道

HSSTの場合、浮上や推進に必要なコイル類はすべて車両の両側に装備されるため、軌道は両側に設置されている、このためシンプルにできる特長がある。軌道構造にはダブルビーム型とシングルビーム型の2種類がある。
ダブルビーム型


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:65 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef