この項目では、HSBCグループの統括持株会社について説明しています。このグループ傘下の中核企業については「香港上海銀行」をご覧ください。
エイチエスビーシー・ホールディングス
HSBC Holdings plc
HSBC世界本部(ロンドンHSBCタワー)
種類株式会社
市場情報LSE: HSBA
HSBCホールディングス(エイチエスビーシーホールディングス、HSBC Holdings plc)はロンドンのカナリー・ワーフに本社を置き、商業銀行を主体とする世界最大級のメガバンクである。1865年に香港で創設された香港上海銀行[1]を母体として1991年に設立された。
前身から引続き東洋におけるカストディサービスを担っている。2016年現在、HSBCのキャッシュ・マネジメント(英語版)は最も人気がある。これは束の間だけマネー・マーケット・ファンドへ投資できるという商品である。
HSBCのイギリス部門が収益源に占める比率は20%であり、最大の収益源は22%の香港部門である。HSBCの事業部門は、商業銀行・投資銀行・リテール銀行・グローバルプライベートバンキングの4つである[2]。
2017年9月2日現在の主要株主では、首位にケネス・フィッシャー(英語版)のフィッシャー・アセット・マネジメント、二位にデビッド・ブース(英語版)の投資顧問会社(Dimensional Fund Advisors(英語版))、それらに比べて保有株数が1/3以下の規模でカナダロイヤル銀行、バンカメ、各種ミューチュアル・ファンドが存在している[3]。ブースはウェルズ・ファーゴでインデックスファンドを草分けてから、1981年にDFAを立ち上げた。
沿革旧香港上海銀行上海支店ビル(現上海浦東発展銀行本店)HSBCホールディングス設立以前の沿革については「香港上海銀行」を参照
包玉剛を義父にもつヘルムート・ゾーメン(英語版)が、1984年から1996年まで香港上海銀行の役員を、1996年から2005年まで会長代理を、1990年から2007年まで親会社のHSBCホールディングスの役員を務めている。包はケ小平に厚遇されていた。
HSBC上場からベアリングス破産まで
1991年 - HSBCの株式をロンドン証券取引所、香港証券取引所へ上場。
1992年 - イギリスのミッドランド銀行(英語版)を買収。同行はサミュエル・モンタギューを創業者とするサミュエル・モンタギュー・アンド・カンパニー(Samuel Montagu & Co. )を子会社にしていた。
1993年 - 香港上海銀行・香港本店ビルからロンドンへ本社移転。
1995年 - ベアリングス銀行が破産。
ベアリングスの屍を越えて
1997年 - アルゼンチンのバンコ・ロベルツ、ブラジルのバンコ・バメリンダスを買収。
1999年 - 米国のリパブリック銀行を買収。HSBCの米国預託証券をニューヨーク証券取引所へ上場。欧米の中央銀行がワシントン合意(英語版)。
2000年 - ネスレに利権をもつフランス商業信用銀行を買収、HSBCフランスとする。HSBCがユーロネクストへ上場。
2001年 - トルコのデミル銀行(英語版)を買収。
2002年 - メキシコのビタル・フィナンシャル・グループを買収。
2003年 - 米国のハウスホールド・インターナショナルを買収(HSBCファイナンス(英語版))。本社をカナリー・ワーフのHSBCタワーへ移転。以後、ハウスホールドの証券化ビジネスを活かそうとHSBCはサブプライムローン関連ビジネスに傾倒していった。
2004年 - バミューダ銀行(英語版)、イギリスのマークス・アンド・スペンサーを買収、上海の交通銀行の株式の19.9%を取得。HSBCの株式をバミューダ証券取引所へ上場。
2005年 - 米国のメトリスを買収、タンザニアのダルエスサラーム投資銀行の株式の70.1%を取得。連合国暫定当局からイラクでの営業免許を取得。
2006年 - パナマのバニスモ・グループ、イタリア国立労働銀行のアルゼンチン営業を買収。イギリスの銀行として史上最高となる119億1,000万ポンドの税引前利益を記録。
2007年 - 韓国外換銀行(KEB)の株式51%をローンスターより取得する契約を条件付で締結したが、後に撤回した。一方、ハウスホールドのサブプライム関連資産が不良化していた。親会社HSBCは2006年度決算で100億ドル規模の巨額償却を免れなかった[注釈 1]。そこで1兆円以上に相当する損失引当金を北米子会社のために用意した。そのため、2007年上期の業績は業界の予想を上回る前年度比約25%の増益で、自らの上期過去最高益を更新した。全世界の店舗数は2006年末で1万店舗を超えており、時価総額では上位のシティグループの約5千店舗の2倍近くの拠点数を持っていた。
世界金融危機以降
2008年 - インドのIL&FS(Infrastructure Leasing & Financial Services(英語版))インベスツマートを買収。IL&FSは1987年インド準備銀行、HDFC、そしてミューチュアル・ファンド(Unit Trust of India(英語版))の資本参加で設立された。
2009年 - ワシントン合意2度目の改定。金の売却量を2014年まで合計4億トロイオンス以内に収める協定であった。
2010年5月 - 米国株式市場が1962年以来最悪の相場となり、新興国市場にも影響した[4][注釈 2]。