HMV
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渋谷の地で20年営業したHMV渋谷は2010年8月22日をもって閉店[6]、最終営業日には多くの音楽ファンが集まり閉店を惜しんだ[7]。「渋谷系の聖地」とまで呼ばれたHMV渋谷の閉店は、1998年をピークに販売低迷が続く「CD不況」やインターネットの普及による音楽配信販売の浸透など、時代の変化を象徴する出来事として新聞各紙やニュース番組で取り上げられた[8]

なお、渋谷センター街のHMV渋谷の跡地は京阪電気鉄道の関連会社である京阪流通システムズが建物を賃借し、ファストファッションチェーンFOREVER 21」がテナントとして出店していた(2019年10月31日閉店)[9]
事業譲渡

2007年8月に、大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ株式会社(大和証券SMBCPI)のSPCである有限会社ディー・エス・エムインベストメンツカトルセがHMV Group plcおよびその完全子会社のHMV Music LimitedからHMVジャパン株式会社とHMV Retail Limitedの全株式を取得した[10]。HMVジャパン株式会社は2009年5月1日にHMVジャパンIP株式会社と合併し、同年7月1日にHMV Retail Limitedより日本事業について事業譲受した。

2008年には最大67店舗まで拡大したが、その後は新規出店抑制とともに既存の店舗も閉店が多くなり、2009年は9店舗、2010年にはHMV渋谷を含む25店舗が閉店されている。一部店舗の跡地にタワーレコードなど他のCDショップが進出したところもある。

2010年3月25日カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が国内全事業の買収について、HMVジャパン株式会社および大和証券SMBCPIとの間で独占交渉権を取得し、6月末までに契約締結する予定であった(発表の時点でスキームは未定)[11]。しかし、その後の大和証券SMBCPIやHMVジャパンとの交渉で事業方針等で対立し、独占交渉期限の2010年6月末までに合意に至らず、事実上、事業譲渡を白紙撤回した。
ローソングループ入り

2010年10月28日コンビニエンスストア大手のローソンが、HMVジャパンの全株式を大和証券SMBCPIの子会社HMVジャパン・ホールディングスから買収し、完全子会社化することが発表された[12]。取得金額は18億円で、同年12月1日を取得日とする。

事業譲渡後も従前とほぼ同様の体制で運営されていたが、2011年5月31日に、同年9月1日付けでチケット販売事業などを手がけるローソンエンターメディア(LEM)と合併(LEMを存続会社とする吸収合併[13]、同時期にポイントプログラムをローソンも参加する共通ポイント「Ponta」に統合する[14]ことを発表した。

合併後の新社名は「ローソンHMVエンタテイメント」で、法人としての「HMVジャパン」は消滅したが、店舗やインターネット通販事業では引き続き「HMV」ブランドを使用する。同年8月にローソンチケットとHMVの通販ウェブサイトを統合。合併後は両社合計で約850万人(HMV約500万人、LEM約350万人)の会員基盤を生かしエンタテイメント事業を強化している。

LEMとの経営統合後は積極策に転じ、2011年には年間5店舗から10店舗の新規出店を計画しており[15]、同年7月から11月にかけて9店舗が相次いでオープンした。その中には逆にタワーレコードの跡地に出店した店舗もある。
新業態と渋谷店復活

2011年4月に新業態として、あべのキューズモール大阪市阿倍野区)に小型店舗「HMV SPOT」の1号店を出店(あべのHoopの既存店舗を移転する形)。続いて2012年5月には、ローソン店内に「HMV SPOT」を併設したコンビニ一体型店舗「ローソンHMV表参道」をオープン[16]したが、5年後の2017年2月28日に閉店[17]。2020年現在、「HMV SPOT」業態の店舗は「HMV SPOTあべのキューズモール」1店舗のみとなっている[18]

2014年8月2日には、東京都渋谷区宇田川町(ダンス・ミュージック・レコード渋谷店跡地)に初のアナログレコード中古CDの専門店「HMV record shop 渋谷」がオープン、2010年のHMV渋谷の閉店以来4年ぶりに渋谷に店舗が復活した[19]。また2015年11月19日には、マルイシティ渋谷をリニューアルした「渋谷モディ」内に新たな旗艦店として、音楽・映像ソフトと書籍の複合店舗「HMV&BOOKS TOKYO」(その後「HMV&BOOKS SHIBUYA」に店名変更)[20]がオープン、HMV日本上陸25周年の年に、日本のHMV発祥の地・渋谷に旗艦店が復活した[21]
店舗

店舗はいずれも「○○店」ではなく「HMV○○」を名乗る(「HMV&BOOKS」業態の店舗では「○○」部分が英字表記)。ほとんどの店舗がショッピングセンターを始めとする商業施設のテナントとして出店しているため、商業施設名を冠するケースが大半である。郊外地方都市ではイオンモールテナントとしての出店が多い。店舗名に商業施設名ではなく都市名・地域名のみを冠する店舗も存在するが閉店により減少し、複合店舗「HMV&BOOKS」、中古専門店「HMV record shop」を除けば、2020年現在は一般商業ビル内に出店している「HMV立川」「HMV」の2店舗のみとなっている[22]

中国地方にはかつて2店舗あったが撤退し、その後しばらく店舗がなかったが、2014年4月25日に広島(HMV広島本通、2017年8月28日閉店)、同年12月5日に岡山(HMVイオンモール岡山)がオープンし再出店を果たした。

広島県内のHMV店舗は、1999年4月に「HMV広島」が広島市中区紙屋町サンモール2階に中国・四国地方1号店として出店。2009年1月12日にサンモールのフロア改装により閉店(跡地はユニクロ)、広島県からいったん撤退[23]。 2014年4月25日、HMV広島本通が広島本通商店街(広島市中区)の玩具店「マルタカ子供百貨店」跡地に5年ぶりに再出店。ローソングループのノウハウを生かした実験店「チャレンジ店舗」として、全国のHMV店舗で初となるカフェスペース「MACHI cafe」やローソンチケットカウンターを導入し、複合店舗の試みとして渋谷の「HMV&BOOKS」展開にもつながった。だが地方都市での市街地中心部の商店街では苦戦を強いられ、再出店後の3年後となる2017年8月28日にHMV広島本通は閉店、広島県内から再度撤退。中国地方の店舗はHMVイオンモール岡山の1店舗のみとなった[24]

また、岡山県内にはかつて岡山ロッツに「HMV岡山」が出店したが2009年8月20日に閉店(跡地はユニクロ→GU)、後にイオンモール岡山に再出店している。

九州地方では各都市中心部から撤退し、郊外の大型商業施設内の店舗のみが残る状態であったが、博多駅前に2016年4月21日に開業したKITTE博多に「HMV&BOOKS HAKATA」として出店、約6年ぶりに都市中心部への再出店を果たした[25]。また、沖縄県内の店舗としてサンエー浦添西海岸 PARCO CITY内に「HMV&BOOKS OKINAWA」1店舗がある[26]
店舗業態現行の店舗一覧と詳細については公式サイト「HMV 店舗情報」を参照

HMV - 通常の店舗業態。音楽ソフト(CD)、映像ソフト(DVDBlu-ray)を販売。

HMV SPOT - HMVの小型店舗。新作やヒット作に絞った商品構成。

1号店の「HMV SPOTあべのキューズモール」のみ現存(前述)。


HMV&BOOKS - 大型複合店舗。音楽・映像ソフトに加え、書籍雑誌コミック雑貨などを販売。

東京都内(3店舗)、大阪府・福岡県・沖縄県(各1店舗)で展開。

「HMV&BOOKS SHIBUYA」は開業当初の店名は「HMV&BOOKS TOKYO」だったが、都内に他店舗が展開したため店名変更。


HMV&BOOKS SPOT - HMV&BOOKSの小型店舗。東京都内1店舗のみ。

1号店はルミネエスト新宿内の「HMV&BOOKS SPOT SHINJUKU」。6階にあった「HMVルミネエスト新宿」が、2019年3月7日にJR新宿駅改札直結の地下1階へ移転しリニューアル[27][28]


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