HD_DVD
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多層化に関しては2005年5月に片面3層 45 GB(1層15 GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われ[6]、2007年のCESにて片面3層 51 GB(1層17 GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また片面3層 51 GBのHD DVD-ROMについては2007年9月12日にDVDフォーラムによって規格化がなされ[7]11月15日に正式にver.2.0として承認され規格化を完了した[8]が製品化はされていない。

規格は以下。
HD DVD-ROM
読み取り専用のHD DVD規格。12 cm 片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB / 片面3層 51 GB、8 cm 片面1層 4.7 GB/片面2層 9.4 GB
HD DVD-R
1回だけ書き込み可能な記録型HD DVD規格。片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB
HD DVD-RW
繰り返して書き込みおよび消去が可能な記録型HD DVD規格。片面1層 15 GB / 片面2層 30 GB
HD DVD-RAM
繰り返して書き込みおよび消去が可能なPC用途向け記録型HD DVD規格。ランドグルーブ記録を採用。片面1層 20 GB(2層に関しては未策定)

片面にDVDとHD DVDの両方の記録層を持つツインフォーマットディスクは記録層の深さが現在のDVDと同じであることからピックアップ用のレンズ共用が可能なため、設計製作上のハードルが低いとされる。一部のHD DVDソフトで採用された。

両面ディスクの片面にHD DVD、もう片面にBDの記録層を持つTotal Hi Defが、2規格が店頭に並び混乱を生じることへの解決策としてワーナー・ブラザースにより独自に開発され、製品化が進められていたが2007年秋に開発中止された。ワーナーは2008年1月にBD一本化を表明している。
HD DVD-Video

主に市販ビデオソフトを収録するために策定された規格。従来のDVD-Video規格のHD DVD版とも言えるものだが、コピープロテクションなどではAACS (Advanced Access Content System) とよばれる新技術が使用されている。各プログラムデータの多重化(コンテナフォーマットを参照)にはMPEG2 PSシステムが採用されている。

DVD-VideoのContent Scramble System (CSS) が破られ違法コピーが蔓延していることから、CSSに代わる新たな著作権保護機構としてより強固なAACSが採用されている。このAACSは再生専用メディアに限らず、記録型メディアにも対応している。

HD DVDではHDiとよばれる対話型操作機能が必須機能となっており、すべてのHD DVDプレーヤーで利用可能。HDiはマイクロソフトが中心となって開発されXMLやECMAScript、SMILといったWWW関連技術からなるものであった。全てのプレーヤーにネットワーク端子の搭載が必須のため、インターネットを通じて対応ソフトの追加コンテンツの配信が可能。

なお、映画会社などからリージョンコード導入に対する要望により導入に向けて検討が行われていたものの、最後までHD DVD-Videoではリージョンコードによる制御は行われていなかった。

映像コーデックは下記。

MPEG-2

VC-1アドバンスドプロファイル

H.264/MPEG-4 AVCハイプロファイル

音声コーデックは下記。

2チャンネルステレオPCM

MPEGオーディオ

ドルビーデジタル (AC-3)

ドルビーデジタルプラス (DD+)

ドルビーデジタルロスレス (Dolby TrueHD) = MLP (Meridian Lossless Packing)

DTSデジタルサラウンド

DTS-HD Master Audio

HD DVD-VR

DVDでのDVD-VRに相当する規格である。映像コーデック、音声コーデック、インタラクティブ機能、著作権保護機構、リージョンコードについては前述のHD DVD-Videoに準拠している。

DVDではDVD-VRがビデオ用アプリケーションのDVD-Videoより後に策定されたためDVD-Video用プレーヤーと再生互換が無かったことの反省としてHD DVDではHD DVD-VideoとHD DVD-VR(HDVR)のフォーマット構造を多くの部分で共通化し、HD DVD-VRフォーマットのディスクもHD DVD-Videoプレーヤで再生可能な設計とした[9]。従ってDVDと異なりレコーダーにHD DVD-Videoフォーマットの記録機能とHD DVD-VRの記録機能を併載する必要が無い。

エンコード録画用(DVD-VRに相当)のVideo Object (VOB) モードと放送ストリーム(TS信号)をそのまま記録するStream Object (SOB) モードの2種類がある。

VOBモード:MPEG2-PSシステムを採用し、MPEG2のほかMPEG4 AVC (H.264) やVC-1 (WMV) などの各映像コーデックに対応していた。またVOB (VR VOB) モードで録画したものはHD DVD-ROMのアプリケーションフォーマットであるHD DVD-VideoのVOB (standard VOB) とサブセット扱いとなるため、同モードで記録したディスクは通常のHD DVDプレーヤーでも再生可能である。

SOBモード:デジタル放送MPEG2-TSをそのまま記録するためのモード(MPEG2-TSシステムを採用)。SOBモード録画の映像はHD DVD-Video専用プレーヤーでは再生が出来ない。

このHD DVD-VRを利用して、記録型DVDにHD DVDと同様の形式でデジタルハイビジョン放送を記録できる規格としてHD Recが製品化された。これはDVD-R/RW/RAMメディアにMPEG-4 AVCなどのコーデックでHDやSDの映像を記録する規格である。

同じくDVDメディアにHD DVD-VRで映像を入れる規格としてHD DVD9がワーナー・ブラザースにより提案されたが製品化されなかった。BDでも同様のコンセプトでBD9が提案されており、HD DVD9とあわせて3x DVDの総称でもよばれた。上記HD Recと直接は無関係。

HD DVD9はDVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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