HD_DVD
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DTS-HD Master Audio

HD DVD-VR

DVDでのDVD-VRに相当する規格である。映像コーデック、音声コーデック、インタラクティブ機能、著作権保護機構、リージョンコードについては前述のHD DVD-Videoに準拠している。

DVDではDVD-VRがビデオ用アプリケーションのDVD-Videoより後に策定されたためDVD-Video用プレーヤーと再生互換が無かったことの反省としてHD DVDではHD DVD-VideoとHD DVD-VR(HDVR)のフォーマット構造を多くの部分で共通化し、HD DVD-VRフォーマットのディスクもHD DVD-Videoプレーヤで再生可能な設計とした[9]。従ってDVDと異なりレコーダーにHD DVD-Videoフォーマットの記録機能とHD DVD-VRの記録機能を併載する必要が無い。

エンコード録画用(DVD-VRに相当)のVideo Object (VOB) モードと放送ストリーム(TS信号)をそのまま記録するStream Object (SOB) モードの2種類がある。

VOBモード:MPEG2-PSシステムを採用し、MPEG2のほかMPEG4 AVC (H.264) やVC-1 (WMV) などの各映像コーデックに対応していた。またVOB (VR VOB) モードで録画したものはHD DVD-ROMのアプリケーションフォーマットであるHD DVD-VideoのVOB (standard VOB) とサブセット扱いとなるため、同モードで記録したディスクは通常のHD DVDプレーヤーでも再生可能である。

SOBモード:デジタル放送MPEG2-TSをそのまま記録するためのモード(MPEG2-TSシステムを採用)。SOBモード録画の映像はHD DVD-Video専用プレーヤーでは再生が出来ない。

このHD DVD-VRを利用して、記録型DVDにHD DVDと同様の形式でデジタルハイビジョン放送を記録できる規格としてHD Recが製品化された。これはDVD-R/RW/RAMメディアにMPEG-4 AVCなどのコーデックでHDやSDの映像を記録する規格である。

同じくDVDメディアにHD DVD-VRで映像を入れる規格としてHD DVD9がワーナー・ブラザースにより提案されたが製品化されなかった。BDでも同様のコンセプトでBD9が提案されており、HD DVD9とあわせて3x DVDの総称でもよばれた。上記HD Recと直接は無関係。

HD DVD9はDVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能。DVDメディアであるため記録容量がHD DVDに比べて少なく、記録時間や画質の面ではHD DVDに劣る。片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート13 Mbpsで85分のハイビジョン映像の収録でき、HD DVDプレーヤーにのみ対応する。当初ワーナー・ブラザースが想定していた物は片面2層 8.5 GBのDVDに平均ビットレート8 Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録し、青紫色半導体レーザーを用いない3x DVD対応のDVDプレーヤーで再生可能にする事であった。

HD Rec、HD DVD9ともDVD-Video規格とは全く異なるため一般的なDVDプレイヤーで再生することはできず、再生には特に対応した機器が必要である。
沿革BDとの規格戦争については「高解像度光ディスク規格戦争#沿革」を参照
参入企業の変遷

2004年
12月22日:HD DVDプロモーショングループ設立[10]。商業的推進を同団体が行い、規格策定は別団体であるDVDフォーラムが行った。

2005年

トムソンが参入を、ユニヴァーサル・ピクチャーズニューライン・シネマがまたコンピュータ業界をリードしてきたマイクロソフトインテル(通称・ウィンテル連合)も支持を表明しWindows VistaXbox 360(外付けユニット)で標準対応すると表明するとBDとの第3世代光ディスク規格をめぐる争いは激化の一途をたどった(同じく家庭用ゲーム機のPlayStation 3はBDを採用)。その争いはかつてのベータマックスVHSによるビデオ戦争以上といわれた。

10月:HD DVD陣営のパラマウント映画ハリウッド最大手でHD DVD陣営の中核企業であるワーナー・ブラザースグループがBD陣営にも参加することを表明。これでHD DVDのみを支持するハリウッド企業はユニヴァーサル・ピクチャーズのみとなり、ハリウッド映画ソフトの売上シェアの約8割がBDを支持することになった。

12月:BDのみへの支持を表明していたヒューレット・パッカード (HP) が両規格を支持することを発表した。マイクロソフトに配慮したものとみられている。


2006年4月3日:NECの光ドライブ事業がソニーとの合弁となりソニーNECオプティアーク株式会社が設立される。事実上策定主導企業であるNECの離脱。

2007年8月20日:ヴァイアコム傘下のパラマウント映画ドリームワークス等はコンテンツをHD DVDに独占供給すると発表、契約開始から18ヶ月間HD DVDのみでの発売となるとした。ただし、スティーヴン・スピルバーグが監督した作品に関しては対象外となっていた[11]。ヴァイアコムの決定にはHD DVD陣営からの1億5,000万ドルの見返りがあったためであると複数の米メディア[12]が伝えていた。

2008年

1月4日:米DVD売り上げ1位のワーナーブラザーズがHD DVDへの供給を取りやめてBD1本に絞ると発表[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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