H・R・ギーガー
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H・R・ギーガーH. R. Giger

2012年撮影
本名Hans Ruedi Giger
誕生日 (1940-02-05) 1940年2月5日
出生地グラウビュンデン州クール
死没年 (2014-05-12) 2014年5月12日(74歳没)
死没地チューリッヒ州チューリッヒ
墓地フリブール州グリュイエール教会
国籍 スイス
運動・動向サイエンス・フィクション
シュルレアリスム
幻想絵画
エロティカ
グロテスク
モノクローム
芸術分野画家
イラストレーター
造形作家
代表作『エイリアン
スピーシーズ 種の起源
恐怖の頭脳改革
受賞第52回アカデミー賞
1979年 『エイリアン』 ? 視覚効果賞

ウェブサイトhrgiger.com
後援者トム・G・フィッシャー
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ハンス・リューディ・ギーガー(Hans Ruedi Giger、1940年2月5日 - 2014年5月12日[1])は、スイス出身の画家イラストレーター造形作家

米SF映画『エイリアン』のクリーチャーデザイナーとして知られ、そのほか幅広い分野で作品を提供するなど、同国を代表する芸術家として名を馳せた。第52回アカデミー賞視覚効果賞受賞[2]
概要

スイスのクールで誕生、その後にチューリッヒ建築インダストリアルデザインを学んだ[3]レコードおよびCDのカバーアートの制作や、映画『エイリアン』での造形デザインで知られている。2013年秋に階段から転落し、療養中の2014年5月12日に病院で死去した[3]。74歳没。

死後は、H・R・ギーガーミュージアムを管理する財団が作品の権利を引き継ぎ、ドキュメンタリー映画『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』などが制作された[4]。日本では、生前に自身の「GIGER'S FILM DESIGN」展を希望していたが、2017年に同映画の公開やアート展などが開かれる形で実現した[5]

アーティスト名である「H・R」は、出生地にあるネームプレートから本名が「Hans Ruedi Giger(ハンス・リューディ・ギーガー)」であることが判明している。

自宅のスタジオにて(1985年)

地元グリュイエール教会にあるギーガーの墓、2023

グリュイエールにあるH・R・ギーガー ミュージアム

出生地クールのギーガー広場にあるネームプレート

H・R・ギーガー Bar、2023 、スイス

作品の傾向

モノトーンで陰影の強い、「グロテスクなイメージの絵」を描くことで知られる。

頭骨脊椎などの人間の肉体のパーツと、じゃばら状のチューブなど機械的造形とを融合して構成された、「バイオメカノイド(biomechanoid)、バイオメカニカル(biomechanical)」と呼ぶスタイルの作品が多い。

また、しばしば人間の性器をモチーフにしている。映画『エイリアン』のデザインに関しても、エイリアンの成体およびチェストバスター(幼体)の頭部は陰茎を、フェイスハガーの下の面は女性の外陰部をモチーフとしている。エイリアンの卵も女性器を想像させる一本の筋が入った形状のものがオリジナルのデザインであったが、それが原因で映画が上映禁止に指定されないように、十字の形状をしたものにデザインが変更されている。1973年に発表した、結合した男女の性器が交互に配置されている(その中の男性器のひとつにはコンドームが装着されている)作品「Landscape XX」は、当時わいせつ性の有無が議論になった。

晩年の傾向としては、エアブラシを使ったモノトーン調の一枚絵ではなく、スケッチ随筆の小品が多くなった。自身の作品の3次元化したスタチューや、楽器家具羽毛布団などの芸術関連以外にも多くかかわっていた。

胸体作品

造形作品

本拠地グリュイエールにある自身デザインのGiger Bar

HRギーガーミュージアム所蔵の絵画

性器をモチーフにしたイラスト

映画

1975年、アレハンドロ・ホドロフスキー 監督によるSF大作『デューン』の映画化において「ハルコンネン男爵の城」のデザイン担当として起用され、映画界に関わる。制作中止となった同映画のスタッフが多数関わった『エイリアン』のデザイナーとして有名であり、1980年アカデミー賞において視覚効果賞を受賞した。

映画のデザインでは他にも『スピーシーズ 種の起源』『キラー・コンドーム』『帝都物語』などを手掛けている。

HRギーガーミュージアム展示のエイリアン像

音楽

ロックでは、1973年11月にリリースされたエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)の『恐怖の頭脳改革』で、アルバム・カバーアートの原画を担当した。このアルバムがELPの本国イギリスアメリカ、そして日本など、世界的にヒットしたため、『エイリアン』で知名度が上がる以前から注目されていた。フランスのバンドであるマグマのアルバム『Attahk』のジャケットでも知られており、ギーガー自身もマグマの音楽性を高く評価している[6]

その『恐怖の頭脳改革』で使用されたジャケット及びインナーの原画二枚は、プラハでギーガーの個展が開催された会期中の2005年11月5日に盗難に遭い、未だ所在不明のままとなっている。ギーガーの公式ホームページでは高額の懸賞金を提示して、情報の提供と捜索・発見を呼び掛けている。

米メタルバンド「KoRn」のヴォーカルであるジョナサン・デイヴィス等のヘヴィメタル系アーティストとの親交も深く、ジョナサン・デイヴィスがステージで使用するマイクスタンドの製作なども行っている。

地元スイスのグループでは、プログレッシブ・バンド「アイランド」のアルバム・ジャケットに提供している。

また特に、同郷のミュージシャン トム・G・フィッシャーとは友人で、彼が率いるエクストリーム・メタルバンド「セルティック・フロスト」や「トリプティコン」にも提供している他、ギーガーの本拠地に開設されている自身の作品を常設展示している「ギーガー・ミュージアム」には、そのトムが自身の音楽活動の一方で司書として勤務している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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