Google_Lunar_X_Prize
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Google Lunar XPRIZE
受賞対象月面に無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、画像データを地球に送信
[1]
国全世界
主催Xプライズ財団(運営)
Google(スポンサー)
報酬優勝: 2000万ドル
準優勝: 500万ドル
ボーナスミッション: 400万ドル
ダイバーシティ賞: 100万ドル
受賞者無し
公式サイト ⇒lunar.xprize.org

Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ、略称GLXP)は、Xプライズ財団によって運営され、Googleがスポンサーとなり開催された民間による最初の月面無人探査を競うコンテストである。2007年から2018年にかけて開催されたが、勝者のないまま終了した。
概要Google Lunar X Prizeのトレーラー映像

Xプライズ財団が主催していた民間による最初の有人弾道宇宙飛行を競うコンテストAnsari X Prize2004年に達成されたことから、次なる目標として、民間が開発した無人探査機月面を探査することが提案され、2007年9月にアメリカでスタートした。コンテスト期間中に規定の条件をクリアしたチームに最高賞金2000万ドルが与えられるものであった。

コンテスト期間は当初2015年12月31日までとされたが、たびたび延長され、最終的に2018年3月31日までとなった。34チームが参加登録を行ったが、最終フェーズまで進んだのはMoon Express(英語版)、Syneyrgy Moon(英語版)、SpaceILHAKUTO及びTeamIndus(英語版)の5チームのみで、かつ最終的に全チームが期日内の打ち上げを達成できず、勝者のないまま期限切れにより終了した。

期間中の勝者こそでなかったが、コンテスト終了後も一部のチームは活動を続け、翌2019年にはSpaceILチームが探査機ベレシートの打ち上げ並びに月周回軌道への投入に成功。Xプライズ財団よりGLXPとは別に賞金100万ドルのムーンショット賞を獲得している。[2][3][注 1]
賞金

賞金総額は3000万ドル(約30億円)に及んだ。
優勝
2000万ドル月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定された高解像度の画像、動画、データを地球に送信したチームに贈られる。ただし、政府または国家主導の月面探査機が先に着陸した場合、賞金は1500万ドルに減額される。
準優勝
500万ドル優勝チームの次に同様の指定ミッションを成功させた場合に贈られる。
ボーナスミッション
上記に加え以下のミッションを成功させた場合、それぞれ特別賞金が加算される。ただし、複数成功させた場合でも上限は400万ドルである。
アポロ・ヘリテージ・ボーナス(400万ドル)
アポロ計画で月面に残した機器を撮影する。
ヘリテージ・ボーナス(100万ドル)
アポロ計画以外の過去の宇宙開発で月面に残した痕跡を発見する。→(月にある人工物の一覧
レンジ・ボーナス(200万ドル)
着陸地点から5000m以上走行する。
サバイバル・ボーナス(200万ドル)
月面の夜を乗り切る(月面は14日昼間が続いた後、14日間太陽が当たらない夜の期間になり温度は-170℃の厳しい環境になる)。
ウォーター・ディテクション・ボーナス(400万ドル)
月面で水または氷を発見する。
ダイバーシティ賞(100万ドル)
個性的な設計を行ったチームに贈られる。2017年1月24日に、それまで参加を継続してきた16チームにダイバーシティ賞の100万ドルを分配することが発表された[4]
マイルストーン賞

マイルストーン賞(中間賞)は2013年11月にXプライズ財団Googleが発表したもので、順調に開発を進めているチームを経済的にサポートし、更なる投資や認知を上げることを目的とした。そのために、月面ミッション達成で授与される総額3,000万ドルの賞金に加え、総額1,000万ドルを新たに中間賞として設定した[5]

中間賞を受賞したチームが優勝または準優勝した場合、優勝賞金額または準優勝賞金額は、そのチームが中間賞で獲得した賞金の総額を差し引いた金額となる予定であった[6]

2013年11月には、総額600万ドル分の以下の3つの賞が発表された[6]
ランダーシステム中間賞(100万ドル)
月面に軟着陸できるハードウェアとソフトウェアを備えた着陸システムを実証したチーム(最大3チーム)に贈られる。
モビリティサブシステム中間賞(50万ドル)
月面着陸後に探査機を500メートル移動する技術を実証したチーム(最大4チーム)に贈られる。
イメージングサブシステム中間賞(25万ドル)
高画質の画像及び映像を月面から地球へ送信する技術を実証したチーム(最大4チーム)に贈られる。

これら3つの賞にノミネートされたチームは2014年2月に発表され、2014年9月末までに審査基準を満たしたチームが受賞できるものとされた[7]。審査結果は2015年1月26日に以下のとおり発表された[8]

チーム名ランダーシステム

中間賞モビリティ

サブシステム

中間賞イメージング

サブシステム

中間賞獲得賞金の総額
Astrobotic(英語版)受賞受賞受賞175万ドル
Moon Express(英語版)受賞ノミネートのみ受賞125万ドル
TeamIndus(英語版)受賞ノミネートされずノミネートのみ100万ドル
Part-Time Scientists(英語版)ノミネートされず受賞受賞75万ドル
HAKUTOノミネートされず受賞ノミネートされず50万ドル

2017年8月には、総額475万ドル分の以下の2つの賞が発表された[9]。上記の3つの中間賞で贈られた賞金総額525万ドルと合わせると、中間賞の総額として設定された1,000万ドルになる。
月到達中間賞(175万ドル)
月面着陸を行う宇宙船を、月のまわりを1周させるか、1周もさせずに直接月面への降下を開始させるかしたチームに贈られる。
軟着陸中間賞(300万ドル)
月面着陸後に月面からデータを送信したチームに贈られる。

発表の時点で参加を継続している5チームすべてがこれら2つの賞の候補であり、2018年3月31日までに条件を満たしたすべてのチームが受賞し、賞金は均等に分配される方針であった。
コンテスト期間

コンテストの開始当初にはコンテスト期間は2015年12月31日までとされていたが、以下のとおり変更された。

2014年12月には、コンテスト期間が2016年12月31日まで延長された[10]

2015年5月には、以下の条件でコンテスト期間が2017年12月31日まで延長された[11]

2015年12月31日までに1チームでも打ち上げの契約を確定した場合、他のすべてのチームの打ち上げの契約の確定期限を2016年12月31日とする。

2015年12月31日までに1チームも打ち上げの契約を確定できなかった場合、コンテストを終了する。2015年10月にSpaceILが打ち上げの契約を確定したことにより、この事態は回避された[12](Moon Express(英語版)も2015年12月に打ち上げの契約を確定した[13])。


2017年1月には、すべてのミッションを完了させる期限が2017年12月31日とされていたのが、打ち上げを実行する期限に変更された[4]

2017年8月には、コンテスト期間が2018年3月31日まで延長された[9]

2018年1月には、コンテスト期間を2018年3月31日から延長しないことが発表され、期日をもってコンテストは終了した。
参加チーム.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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カーネギーメロン大学の月面ローバー

アメリカドイツイタリアルーマニアマレーシアなど様々な国籍からなり(国際混合チームもあり)、企業、大学、非営利団体を母体とするチームが参加していた。

2010年12月31日の締め切りまでに34チームが参加登録した。2011年2月17日に、参加条件を満たす29チームによりコンテストが行われることが発表された[14]

コンテスト開催中に技術や予算等の都合によって、コンテストから撤退するチームや他チームへ合流するチームが現れたことで参加チーム数は減少していき、2015年1月の中間賞の発表時点で18チーム、2016年12月には16チームとなった[15]

2017年1月24日には、それまで参加を継続してきた16チームのうち、探査機の打ち上げ契約の期限である2016年12月31日までに打ち上げ契約を確定した、Moon Express(英語版)、Syneyrgy Moon(英語版)、SpaceILHAKUTO及びTeamIndus(英語版)の5チームがコンテストの最終フェーズに進出することが発表された[15][4]

HAKUTOは日本からの唯一の参加チームであった。当初は日欧混合のチーム「ホワイト・レーベル・スペース (White Label Space)」として活動していたが、ランダーの開発を担当していた欧州チームが2013年5月に撤退したため日本単独のチームとなり、2013年7月にチーム名も「白兎」に由来する「HAKUTO」に変更された[16]

チーム番号国チーム名探査機名機種状況出典
07 アメリカ合衆国Moon Express(英語版)MoonEx-1月面着陸機(ホッパー型探査機を兼ねる)開発中

打ち上げ契約済み[17][18]
12国際混合チームSyneyrgy Moon(英語版)未発表月面着陸機開発中

打ち上げ契約済み[19]
Tesla月面車[19]
15 日本HAKUTO[20]Team Indusの月面着陸機に“相乗り”[21]月面着陸機開発中

打ち上げ契約達成
2018年に契約解除[22]
SORATO[23]月面車[22]
22 イスラエルSpaceILSparrow[24]月面着陸機(ホッパー型探査機を兼ねる)開発中

打ち上げ契約済み
(コンテスト終了後にベレシートに改名して打ち上げ。月周回軌道投入に成功。着陸は失敗)[25][26]
28 インドTeamIndus(英語版)HHK-1月面着陸機開発中

打ち上げ契約達成
2018年に契約解除[27]
ECA月面車[27]
01 アメリカ合衆国Odyssey MoonMoonOne (M-1)月面着陸機SpaceILと合流[28][29]
02 アメリカ合衆国AstroboticGriffin[30]月面着陸機棄権

2019年打ち上げ予定[31]
Red Rover[32]月面車[33]
03 イタリアTeam ItaliaAmalia (Ascensio Machinae Ad Lunam Italica Arte )月面車期限までに打ち上げ契約できず[34]
04 アメリカ合衆国Next Giant LeapMoon Expressと合流[35][36]
05国際混合チームFREDNET[37]棄権[38]
06 ルーマニアARCAHAAS月軌道周回機棄権[39]
European Lunar Explorer球型月面車[39]
08 アメリカ合衆国STELLARStellar Eagle月面車Synergy Moonと合流[40][41]
09 アメリカ合衆国JURBANJOHLT棄権[42]
10 マレーシアIndependence-XILR-1月面車Synergy Moonと合流[40][43]
11 アメリカ合衆国Omega Envoy名称未定月面着陸機Synergy Moonと合流[40][44]
Sagan月面車[44]
13国際混合チームEurolunaROMIT期限までに打ち上げ契約できず[45]
14国際混合チームTeam SELENERoverX車輪+関節ロボット棄権[46]
16 ドイツPart-Time ScientistsAsimov Jr.月面車期限までに打ち上げ契約できず[47]
17 ドイツC-Base Open MoonC-Rove月面車棄権[48][49]
18 ロシアSelenokhod棄権[50]


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