Gnash
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GnashGnash 0.8.0 のスクリーンショット
作者Rob Savoye など
開発元Gnash プロジェクト

最新版0.8.10 / 2012年1月31日 (12年前) (2012-01-31)
リポジトリ

git.savannah.gnu.org/cgit/gnash.git

プログラミング
言語C++, GTK+ / Qt
対応OSクロスプラットフォーム
サポート状況開発終了
種別メディアプレーヤー
ライセンスGPL
公式サイト ⇒[1]
テンプレートを表示

Gnash(グナッシュ) は、Adobe Flash フォーマットのコンテンツを再生できるフリーメディアプレーヤーである。
歴史

Gnash は、GameSWF (ゲームスウィフ) のパブリックドメインのコードをもとにして作られている。2005年12月に GameSWF はフォークされ、GNUプロジェクトスタイルに再アレンジされた後、Gnash プロジェクトとして Firefox プラグインの開発が開始された[1]
主なバージョン

0.7.1 -
2006年5月6日リリース[2]。最初のアルファ版

0.8.0 - 2007年6月9日リリース[3]YouTube などのストリーミング動画に対応

0.8.2 - 2008年3月5日リリース[4]。最初のベータ版

0.8.8 - 2010年8月22日リリース[5]YouTube 動画の再生に100%対応。

概要

名称は、「GNU」と「Flash」から取られている。これに加えて、「プロプライエタリなソフトウェアをインストールしなければ、自分の使っているプラットフォーム上でFlashを再生できないことに対して歯ぎしり(=英語で"gnash)する」[6]、という意も含まれ、ダブルミーニングとなっている。本来、英語の gnash は「ナッシュ」と発音されるが、GNU を「ヌー」ではなく「グヌー」と呼ぶのと同様に、Gnash は「グナッシュ」と発音される。

ライセンスは GPL であり、その開発プロジェクトは FSF の高優先フリーソフトウェアプロジェクト[7]に挙げられている。FSF による GPL 3 リリースに伴い、Gnash のライセンスはバージョン 0.8.1 から GPL 3 になった[8]

Gnash はスタンドアロンの Flash 再生ソフトとして動作する。KDE ベースのものは Klash と呼ばれる。またプラグインとしても使われ、 Firefox のような Mozilla 系のブラウザや Konqueror で使える。

Gnash は C++ で実装され、Boost が利用されている。Gnash は複数のバックエンドを持っており、レンダリングには OpenGL、AGG (Anti-Grain Geometry)、Cairo など、サウンドには SDLGStreamer などから選択できる。AGG は主に組み込みシステムなど OpenGL が使用できない環境での利用を想定している。GUI としては、 GTK+Qtフレームバッファなどが用意されている[9]

今のところリリースされているのはベータ版までである。

Gnash では Adobe Flash Player が持つ機能を実装することを目標としており、SWF(バージョン7の大部分と、8と9の一部)と FLV に対応している。

Adobe Flash Player に存在せず、Gnash に存在する機能に拡張機能がある。これは Flash の仕様に無い機能を追加するものである[10]。拡張機能はデフォルトで無効になっており、有効にするにはユーザ設定ファイルで明示的にオンにする必要がある[11]
プラットフォーム

Gnash は 64ビット環境を含む LinuxmacOSFreeBSDNetBSDOpenBSDIRIXWindowsOS/2 などで動作する[9]。なお、Adobe Flash Player の Linux 版は x86 互換 CPU のみで動作し、PowerPCSPARC 上の Linux や FreeBSD はサポートしない[12]。また、64ビット対応の Adobe Flash Player については Linux 版がアルファ版としてある[13]が、安定版の Adobe Flash Player はない[14]

この他に、対応 Flash Player がリリースされていない RISC OS[15] や最新の Flash Player がバージョン4の BeOS[16] にも Gnash が移植されている。また、スマートフォンPDA などの組み込みシステムでも動作する。
開発

アドビ は Flash の仕様書を公開している。しかし、以前は Flash の再生ソフトの開発に利用することを認めていなかった。そのため、Gnash の開発メンバーは アドビのライセンスに縛られないように、それを参照せずアドビの開発ツールを利用せずに、ウェブ上に存在する Flash ファイルを集めて解析するというクリーンルーム方式での開発を行っていた[17]。しかし、2008年5月1日のライセンス変更で Open Screen Project が始まり、仕様書を参照しながら互換プレーヤーを作れるようになった[18]
脚注^ “ ⇒Gnash メーリングリストの最初の投稿 "Welcome to the Gnash project!"” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒最初のアルファリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒三番目のアルファリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒最初のベータリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Gnash 0.8.8 Released” (英語). Gnash Project (2010年8月22日). 2010年8月25日閲覧。
^ “ ⇒What does Gnash stand for?” (英語). 2009年3月12日閲覧。
^ “ ⇒フリーソフトウェア財団の高優先フリーソフトウェアプロジェクトのリスト” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Gnash GPLv3” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ a b “ ⇒BuildMatrix” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒用語集” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒ユーザ設定ファイル” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Flash Player 必要システム構成”. 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Adobe Labs - Downloads: Flash Player 10”. 2009年3月8日閲覧。
^ “ ⇒Flash Player の 64 ビット版オペレーティングシステム対応状況”. 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒RISC OS To Get Flash, Word Support” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Gnash for BeOS (Take 2).” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒How do Gnash developers work with the Adobe/Macromedia EULA?” (英語). 2008年5月13日閲覧。
^ “ ⇒Adobe and Industry Leaders Establish Open Screen Project” (英語). 2009年9月10日閲覧。


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