GeForce 10 Seriesは、Pascalアーキテクチャを採用する、ロークラスからハイエンドクラスの2016年 - 2018年前半の製品群である[88][89]。
Pascalアーキテクチャでは、16 nmプロセスや14 nmプロセスの採用によって、消費電力の増加を抑えながらコアクロックが大幅に引き上げられた。またGTX 1080以上で、新たなメモリ規格のGDDR5Xメモリの採用により、メモリ帯域が向上している[90]。
新開発された「SLI HB」と呼ばれるブリッジを推奨[91]、3-way/4-wayのSLI構成は非推奨となっている[92]。75 - 150 Wの補助電源の供給方法は、従来の6pin×2から8pin×1に変更された。 GTX 1060以上でVR(Virtual Reality)をサポートする[71]。
HDMI 2.0bやDisplayPort 1.4の最新のインターフェイスに対応[93]。アナログ映像信号出力は廃止された。
2018年6月4日、PascalおよびMaxwell世代のGPUとDisplayPort 1.3または1.4対応のモニタを接続した時に不具合が発生することがあり、ファームウェアのアップデートが必要となる場合があると発表された[94][95]。
製品名コア名 (プロセス)コアクロック
[Boost]
(MHz)コア数メモリフィルレート[注釈 5]FLOPS[注釈 5]SLIVR消費電力
(W)補助電源接続
SMCUDATMUROPL2
(MB)タイプクロック
(GT/s)バス幅
(bit)帯域
(GB/s)容量
(GB)ピクセル
(GPix/s)テクセル
(GTex/s)単精度
(TFLOPS)
GeForce GT 1010 (DDR4)GP108 (Samsung 14 nm)1151 [1379]225616160.25DDR42.16416.8218.418.40.59××20?PCIe 3.0
×4
GeForce GT 1030 (DDR4)3384240.527.60.88
GeForce GT 10101228 [1468]2256160.25GDDR5540.019.619.60.6330
GeForce GT 10303384240.5648.129.50.94
GeForce GTX 1050 (2 GB)GP107 (Samsung 14 nm)1354 [1455]564040321712811243.354.21.7375PCIe 3.0
×16
GeForce GTX 1050 (3 GB)1392 [1518]676848240.759684.1333.466.82.14
GeForce GTX 1050 Ti1290 [1392]321128112441.361.91.98
GeForce GTX 1060 (3 GB)GP106 (TSMC 16 nm)1506 [1709]9115272481.58192192372.31083.50○1206pin
GeForce GTX 1060 (6 GB)1012808061203.86
GeForce GTX 1070GP104 (TSMC 16 nm)1506 [1683]151920120642256256896.41815.782-way1508pin
GeForce GTX 1070 Ti1607 [1683]1924321521032447.82180
GeForce GTX 10801607 [1733]202560160GDDR5X103202578.23
GeForce GTX 1080 TiGP102 (TSMC 16 nm)1480 [1582]283584224882.75113524841113033210.62508pin+6pin
NVIDIA TITAN X1417 [1531]963103844801213631710.2
NVIDIA TITAN Xp1405 [1582]30384024011.454713533710.8
GeForce 10 Series の製品
GT 1030[96]
2017年5月17日発売。PascalアーキテクチャのGP108コアを採用するロークラスモデル。14 nmプロセス採用。GP108コアはGP107コアの半分となる1基のGPC(3基のSM)で構成されていて、コア数、メモリバス幅、メモリ容量はGTX 1050 Tiの半分となる。Kepler世代のGT 730 (GDDR5版)の後継となる製品であるが、GTX 750に近い性能がある[97]。PCIe 3.0×4接続でロープロファイルかつ1スロット。
GT 1030 (DDR4)
2018年3月12日発売(NVIDIAからの正式発表は無し)。GDDR5の価格高騰を受けて、VRAMをSDDR4に置き換えた。コアクロックが引き下げられ、TDPは20 Wに低減しているが、メモリ帯域がGDDR5版の35%まで減少した事が大きく影響して、性能はGDDR5版の60%弱にまで大きく低下、GT 730 (GDDR5版)を下回る。GTX 1050, GTX 1060の性能比較
GTX 1050 (2 GB)[98]
2016年10月25日発売。GTX 1050 TiからSM 1基が無効化され、512 MBのGDDR5チップを4個搭載する。性能はGTX 950から数%上昇し、GeForce GTX 650の約3倍、GTX 750 Tiの約1.5倍となる[99]。
GTX 1050 (3 GB)[100]
2018年3月21日発売(NVIDIAからの正式発表は無し)。上位のGTX 1050 Tiの1 GBのGDDR5チップの数を4個から3個に減らしたもの。メモリバス幅は4分の3となる96bitへ減少した。GPUクロックが引き上げられており、性能はGTX 1050(2 GB)を上回る。