GSフォーマット
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GSフォーマット(ジーエスフォーマット)は、ローランド社のMIDIの独自規格である。
目次

1 概要

2 GS対応音源の変遷

2.1 SCシリーズ

2.2 SDシリーズ

2.3 現在


3 主なGS対応製品

4 参考文献

5 関連項目

概要

GSフォーマットはMIDIの統一規格であるGMローランド株式会社が独自に拡張したものと一般的に言われるが、実際にはGMよりも先にリリースされている。日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会(AMEI))と MIDI Manufacturers Association(MMA)によってGSの他社と共有できる部分を抜粋して制定した規格がGMである。なお、「GS」の由来は公式には発表されていない。
GS対応音源の変遷
SCシリーズ

最初のGS対応音源は、1991年にローランド社が発売したMIDI音源SC-55である。PCM音源による317種類の音色、16チャンネル(同時使用可能な音色数のこと。またこのうち最大2つをドラム音色に設定可能)、最大同時発音数24音というスペックと、69,800円という低廉価格は、当時としては画期的なものであった。またそれ以前にローランドから発売されていたDTM用音源のCM-64、MT-32と互換性があったことも手伝い、爆発的な人気を博した。SC-55で再生できることは、GS規格に準拠することと同義となり、この後GSは、ローランド社独自の規格であるにもかかわらず、汎用のGMを押しのけ、DTM用音源の規格としてスタンダードなものとなった。ライバル企業であるヤマハですら、自社の製品に隠しモード(TG300-Bモード)で互換性を持たせたほどである。さらに後のMU2000/1000 Extended EditionではGSに正式対応した。

SC-55mkIIは、SC-55にシリアルポートをつけ、最大同時発音数の増加(24→28)及び音色種類の増加(317→354)を行い、GMに正式対応させた音源である。GS、GMの事実上の標準音源として普及した。

SC-88は、パート数を32チャンネルに拡張し、最大同時発音数を64に増加させた音源である。SC-88から、音色数拡張のためにSC-88 Mapが導入された。SC-88VLはSC-88の廉価版である。

その後、パートごとに音色を変化できるインサーションエフェクトを備え、1000以上の音色を内蔵したSC-88Pro、最大同時発音数を128にしUSBにも対応したSC-8850と、時代の流れに沿って上位機種が発表されることになる。
SDシリーズ

2001年に、ローランドはSCシリーズの後継としてSD-90を発売した。ローランド・XVシリーズと同系列の音源エンジンを搭載し、オーディオ機能を強化したモデルである。また、GM2、GSに加え、ローランドとヤマハの相互協力によってXGliteに正式対応している。

SCシリーズは従来機種との互換性を維持しながら発展を続けてきたが、SDシリーズでは大幅に仕様が変更され、GSについては最低限の互換性(SC-55mkIIと同等レベル)が残されるのみとなっている。SC-88以降のSCシリーズで拡張された音色や機能を使用したMIDIデータは、SDシリーズでは正しく再生できない。
現在

2009年現在、GSに対応している音楽制作向け製品の現行モデルは2003年に発売されたSD-20のみである。しかし、従来機種で制作されたGSデータ再生の需要は未だに根強く、現在においてもGSデータ再生に対応した電子ピアノやキーボードなどがローランドおよびヤマハから継続的にリリースされている。

Windows標準のソフトウェア・シンセサイザーMicrosoft GS Wavetable SW Synth」は、ほぼGS互換でSC-33相当だと言われている。また、SW Synthよりも音質の評価の高いアップルの「QuickTime」の内蔵音源もGSフォーマットに対応しており、どちらの音源もローランドよりライセンス供与されている。

2015年にソフトウェア・シンセサイザーとしてSound Canvas for iOSとSound Canvas VAが相次いで発売されており、少なくともSC-8820までのデータは再現可能となった。
主なGS対応製品

音源モジュール

SC-55

SC-55mkII

SC-33

SC-155

SC-55ST

SC-55ST-WH

SC-55K

CM-300

CM-500

SC-88

SC-88VL

SC-88ST

SC-88Pro

SC-88STPro

SC-8850

SC-8820

SC-D70

SD-90(XG liteにも対応・GSモードはSC-55mkII相当)

SD-80(同上)

SD-20(同上)

SD-50

M-GS64

XVシリーズ

INTEGRA-7

YAMAHA MU2000 Extended Edition(無印版もファームウェアの書き換えで同等品にアップグレード可)

YAMAHA MU1000 Extended Edition(同上、但し製品としての発売は無かった)


ソフトウェア・シンセサイザー

VSC

Microsoft GS Wavetable SW Synth

QuickTime

Sound Canvas for iOS

Sound Canvas VA


キーボード

SK-50

JV-30

JV-35

JV-50

XP-10

SK-88Pro

SK-500

Eシリーズ - 自動伴奏機能付インテリジェント・シンセサイザー(スピーカー内蔵)


PCカード

SCP-55


シーケンサー

SD-35

PMA-5

MC-80EX

MT-32を除くMTシリーズ(MT-90UはXG liteにも対応)


携帯電話

ツーカー TK11

ツーカー TK21


その他

VE-GS1(JVシリーズキーボード用オプション)

VE-GSPro(A-90/A-70/MC-80用オプション)

ミュージック・タイマー FG-1000(チャイム

ローランド・ピアノ・デジタル

V-Piano(SMF/MIDI再生時のみ対応)

V-Piano Grand(同上)

YAMAHA MDP5(MIDIデータプレーヤー・XGにも対応)

YAMAHA クラビノーバの一部機種

YAMAHA エレクトーン ELS-01/01C/01X・ELB-01

YAMAHA D-DECK DDK-7


参考文献

GSリファレンス・ブック (DTM HANDBOOKS)
ISBN 4-8456-0155-9

関連項目

MIDI

デスクトップミュージック

デジタル・オーディオ・ワークステーション

ローランド・SCシリーズ

ローランド・VSC

General MIDI

XGフォーマット


更新日時:2017年8月2日(水)14:59
取得日時:2019/01/27 00:45


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