この株式重視の資産構成割合で、リーマン・ショックが発生した2008年度の運用利回りを試算すると、約26兆2000億円の赤字が見込まれるとの答弁書を2015年1月に安倍政権は閣議決定した。
2017年9月、軍事部門の売上高が世界で十位以内に入るすべての企業の株式を保有していることが、東京新聞の調査で分かった。同年10月、世界銀行と共に環境・社会・ガバナンス (ESG) をテーマにする債券投資について共同研究をすることを発表した。軍事産業の持続性が問題となる。同年11月、高橋則広理事長は「将来的には数兆円程度の資金をESG投資に振り向ける」と答えた。
2018年8月、構成割合は国内株式に偏重しつつも、時価総額トップのApple株の保有でアメリカ合衆国の機関投資家を上回り、Facebookやマイクロソフトをふくむ米国株は55.5%、英国株は5.6%、アリババやテンセントのような中国・香港株は5.4%を持つなど外国株式で存在感を示しつつあるとブルームバーグは報じた。 2020年度末時点の運用資産は186兆1,624億円であり[12]、公的年金分野での運用資産額は米国の社会保障年金信託基金に次ぐ世界第2位を誇る[13]。(ただし、米国の社会保障年金信託基金は100%が国債による運用となっている[要出典]。) 英ウイリス・タワーズワトソン
運用資産
運用方法は運用受託機関(信託銀行や投資顧問会社)との投資一任契約ないし一部の自家運用による。 複数の資産による分散投資でリスクを抑えながら期待収益率
資産構成割合
現行(第4期中期目標期間(2020年4月1日からの5カ年))の基本ポートフォリオは、国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%である[16]。
第一生命経済研究所の主席エコノミストである永濱利廣は、「株安に伴って日本株の占める比率が所定の数値を下回ると、その調整のために買いを入れることになる。下がれば下がるほど買うロジックなので、結果的にGPIFは市場の安定化装置的な役割を果たしている」と述べている[17]。
資産構成割合(2020年度末)[12]資産資産額(億円)構成割合 市場規模509兆円のうち、6%弱の日本株を保有している[18]。三井住友、みずほ、三菱UFJの3大メガバンクやホンダなど、少なくとも日本企業の121社の筆頭株主であり、トヨタ自動車の発行済み株式数の5.5%を保有する第二位の大株主である[18]。TOPIX 500のうち、約99%の495社で10位以内の大株主である[18]。 また、日本の中央銀行である日本銀行は、2016年末までに日経平均株価225社のうち、55社で筆頭株主となっており、日本の株式市場における公的機関の存在感が増している[18]。2017年2月にはGPIFと日本銀行が、東証一部に上場する企業のうちおよそ半数の約980社で事実上の大株主となっていることが、朝日新聞・東京商工リサーチ・ニッセイ基礎研究所の調べで出されている[19]。 なお、GPIFは保有株を信託銀行などに信託しているため、有価証券報告書の「大株主の状況」には登場しない。 多くは、株価指数に連動するように運用する「インデックスファンド運用」であるが、一部はアクティブファンド運用も行っている。 事務職員は運用の専門知識を持たないため、実際の運用は運用受託機関(信託銀行や投資顧問会社)が受託している。運用受託機関の選定にあたっては金融の専門家で構成される運用委員会の諮問を受ける。具体的な運用受託機関は公表されており、2014年4月現在の運用受託機関は、国内株式投資について、野村グループとゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント[注釈 2]、スマートベータ型の他、伝統的アクティブ運用では、インベスコ・アセット
国内債券498,07825.92%
外国債券472,94324.61%
国内株式472,27324.58%
外国株式478,18024.89%
合計1,921,473100.00%
日本株の運用
運用方法「年金積立金管理運用独立行政法人の資産運用法」も参照
資金の一部は米国企業に運営が委託されている[21]。だが、外国株式投資の運用委託先は十分な説明がない。アクティブ運用についてのみ、日付がなく経緯等の説明も一切ない選定通知書が出ている[注釈 3]。外国債券投資運用の委託先は、2014年5月20日を提出期限にして募集されていた。
ベンチマークをパッシブで1つ、アクティブで2つに分け、そのうち2つはヘッジなしかつベンチマーク応相談。また、複数のベンチマークが兼任可能だった[22]。
2017年11月16日、運用に人工知能を活用する方針で検討に入った。ブラックロックやゴールドマン・サックスで活用されている[23]。 2013年度からオルタナティブ資産(プライベートエクイティ・インフラストラクチャー、不動産)に投資している[24]。2023年3月時点のオルタナティブ資産全体の時価総額は2兆8,345 億円(GPIFの運用資産全体に占める割合は1.38%)。 2017年度から、GPIF 向け仕様のマルチ・マネジャー
オルタナティブ資産の運用
自家運用による投資先LPS(2023年10月31日時点)
【プライベート・エクイティ】TA XV-B, L.P.、Hellman & Friedman Capital Partners XI (Parallel), L.P. 、CVC Capital Partners IX (A) L.P. 、EQT X (No.1) EUR SCSp
【不動産】Blackstone Real Estate Partners X.F L.P. 、Brookfield Strategic Real Estate Partners V-A L.P.
不動産投資の2023年3月末時点の時価総額は9,194億円。国別では、アメリカがポートフォリオ全体の45%、日本25%、イギリス8%、オーストラリア7%など。