GOES-9
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現在運用中のGOES

GOES(ゴーズ、英語: Geostationary Operational Environmental Satellite)は、1975年から利用を続けているアメリカ合衆国静止気象衛星シリーズである。通常は気象衛星として紹介とされるが、気象だけでなく太陽からのX線など、地球を取り巻く環境を広く観測する人工衛星である。GOESはアメリカ航空宇宙局(NASA)が開発と打上げを担当し、アメリカ海洋大気庁(NOAA)によって運用されている。GOESは、基本的にアメリカ大陸上空の東西に1機ずつ配置され、西経75度にGOES-Eastが、西経135度にGOES-Westが配置されている。
目次

1 観測機器

2 仕様

2.1 イメージャー観測

2.2 SEM観測


3 GOESシリーズの打ち上げ

4 GOESシリーズ

4.1 GOES-1から3まで

4.2 GOES-4から7まで

4.3 GOES-8

4.4 GOES-9

4.5 GOES-10

4.6 GOES-12


5 GOES-N/O/Pシリーズ

5.1 GOES-N(GOES-13)

5.2 GOES-O/P(GOES-14/15)

5.3 GOES-Nシリーズ共通仕様


6 GOES-R シリーズ

7 一覧

7.1 SMS-派生衛星

7.2 第一世代

7.3 第2世代

7.4 第3世代

7.5 第4世代 (GOES-NEXT)


8 参照

9 関連項目

10 外部リンク

観測機器

GOESの観測機器は、大きく分けて4つある。
イメージャー
天気予報などで使われる雲画像は、この装置で観測する
サウンダー
大気の断面構造を観測する。米国海洋大気庁が運用している極軌道衛星NOAAシリーズのTOVSに似ている
宇宙環境モニター
プロトン、太陽X線、荷電粒子磁力を測定する
太陽X線イメージャー
太陽をX線波長帯で直接観測する

日本MTSATで言われるイメージャーは、GOESで使用されるイメージャーが基本型になっている。MTSATとの違いは観測する波長帯の違いがあり、GMSからGOESへの観測切り替えの際に、波長帯に依存する観測・統計要素をやむなく中止した。各機のイメージャーは、GOES-8?15以降がITT(現在のHARRIS)社製、既に気象ミッションを終了しているMTSATでは、MTSAT-1Rがレイセオン社製、MTSAT-2がITT(現在のHARRIS)社製で、それぞれ画像のディテールや機構上の違いがある。MTSATシリーズでは、打ち上げに失敗したMTSAT-1,MTSAT-2はITT社製でGOESシリーズとほぼ同じである。MTSAT-1Rは、MTSAT-1の打ち上げが成功していた場合MTSAT-3となる衛星で、赤外領域の分解能は、MTSAT-2よりも高い分解能を持っているが、無線の帯域制限(速度制限)による制約があるためダウングレードされた[1]
仕様

最大寸法

長さ:6.1 m

高さ:5.6 m

奥行:3.9 m


質量

打上げ直後(軌道上初期):5,192 kg (GOES 16/17)

軌道上末期:2,857 kg (GOES 16/17)


寿命

約15年


電力

4,000W (最大)


イメージャー観測

GOES-7までは、衛星をスピンさせないと実質スキャン出来なかった。GOES-8以降、衛星に問題がない限り、地球側にイメージャーを向けられるようになったこと、箱形ユニット(モジュール)になったことで、スキャンミラーをある方向に調整して観測出来るようになったので、特定の地域だけ撮影することが出来るようになった。
VASおよびVISSRでは、衛星自体がスピンしているので、スキャン開始位置を特定することが単純ではない。そこでスキャンミラーにランプの光を当て、スキャン開始位置を特定する方法がとられている。1981年に打ち上げられたGOES-5とGMS-2は、ランプの故障が原因で観測自体に露骨な影響を受けた。イメージャーはABI(Advanced Baseline Imager)で、16chの波長帯をスキャンすることができる。

参考:GOES-9が日本の
気象庁にレンタルされた際、サウンダーによる観測は行われていたが、日本で使用されている信号方式(S-VISSR)と、GOESで使用される信号方式(GVAR)が異なるので、日本では受信されていても、配信の対象になっていない。

SEM観測

SEM(Space Environment Monitoring / Monitor)は、GOESの初号機から運用されている。プロトン、荷電粒子、X線線量、磁力などの観測を行う。これらの情報は、電波擾乱、衛星の運用などに利用されている。
GOESシリーズの打ち上げ

衛星の名称軌道打ち上げ年月日製造メーカー状況
GOES-1(A)
GEO 131°W1975年10月16日フォード・エアロスペース社運用終了
GOES-2(B)GEO 107°W1977年6月16日フォード・エアロスペース社運用終了
GOES-3(C)GEO 90°W1978年6月16日フォード・エアロスペース社運用終了
GOES-4(D)GEO 135°W1980年9月9日ボーイング衛星開発センター運用終了
GOES-5(E)GEO 75°W1981年5月22日ボーイング衛星開発センター運用終了
GOES-6(F)GEO 135°W1983年4月28日ボーイング衛星開発センター運用終了
GOES-GGEO1986年5月3日ボーイング衛星開発センター打ち上げ失敗
GOES-7(H)GEO 83°W1987年4月28日ボーイング衛星開発センター運用終了
GOES-8(I)GEO 162°E1994年4月13日フォード・エアロスペース社運用終了


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