GNU_Free_Documentation_License
[Wikipedia|▼Menu]
GFDLは、すべての者に対して自由な改変を認めるライセンスであるがゆえに、複数の者による改変を経ることにより原著作物の創作的表現が消滅してしまう機会が多いと考えられるが、そのような場合でも、第4条に基づき主要著作者としての表示が必要になったり、著作権表示を残すべきかは問題がある(日本では、著作者ではない者の実名等を著作者名として表示した著作物の複製物を頒布した場合は、著作権法121条により刑罰の対象になる)。GNUはプログラムのコードを元の言語から他言語に移植することを禁じておらず、日本の著作権法および特許法はアイディアやアルゴリズムを法的には保護しないことになっている(ただし、アメリカ合衆国の国内法ではカーマーカーのアルゴリズムに関する特許論争などの例がある)ので、著作権から派生する翻訳権については議論の余地がある。
国際私法上の問題

通常、著作物の利用許諾をする場合、利用許諾書が規定するライセンスの成立及び効力につき、準拠法を指定する条項が存在する。しかし、GFDLには準拠法に関する条項が存在しない。法律行為の成立及び効力につき、当事者が準拠法の定めをしなかった場合、準拠法を「締結地法」 (lex loci contractus) とするか、「履行地法」 (lex loci solutionis) とするか、当事者の「本国法」 (lex patriae) とするかについては、国際私法の内容が国により異なることもあり、世界的に統一された扱いができないが、いずれにしても当事者の意思とは無関係に準拠法が定まることになる。日本が法廷地になる場合、法の適用に関する通則法8条が適用され、利用許諾につき最も密接な関係がある地の法による。

このため、原著作権者A がその著作物につき GFDL を適用して公開した後、別の者B がその改変版を公開する場合、AによるライセンスとBによるライセンスとでは、同じGFDLを適用していながら、それぞれ準拠法が異なるケースが生じることになる。そのため、同じ文言のライセンスの下に利用許諾をしているにもかかわらず、改変版をめぐって法的な争いが生じた場合、元の文書の著作権者ごとにライセンスの成立及び効力について異なった法を適用しなければならず、法律関係が複雑になる懸念が生じかねないという問題がある(なお、著作権の内容自体は、著作物の利用行為地法が準拠法になると解されている。詳細は著作権の準拠法を参照)。
その他の問題

その他の問題については、ライセンス#著作物全般の利用許諾のライセンスを参照。
ライセンスの原文及び他言語訳

フリーソフトウェア財団(FSF)によりGFDLとしての効力があると承認されているものは、英語の原文によるライセンスのみであり、公式の他言語訳は存在せず、FSFとしても他言語の訳文を承認しない方針を採っている[6]。これは誤訳の可能性があるものを承認することによって生じるリスクを回避するためである[6]。そのため、使用するときは英語のライセンス文書を使うことになっており、日本語訳はあくまで参考として示すにとどまっている。しかしながら、「他言語の訳文を承認しない」とはいえ「関知しない」という立場を表明しているにすぎず、「C言語で書かれたプログラムをRubyに移植した」といったケースは「関知しない」だけのことであり、GNU ライセンスに違反はしていない。

非公式ではあるものの、八田真行によるversion 1.2の日本語訳が存在する[3]
脚注[脚注の使い方]^ “ ⇒GNU License Logos” (英語). 2018年1月14日閲覧。
^ “ ⇒GNUの発音の仕方”. 2018年1月14日閲覧。
^ a b “ ⇒GNU フリー文書利用許諾契約書”. 2018年1月14日閲覧。
^ “ ⇒GNU自由文書ライセンス”. 2018年1月14日閲覧。
^ “GNU自由文書ライセンス v1.3 - GNUプロジェクト - フリーソフトウェアファウンデーション”. www.gnu.org. 2022年8月19日閲覧。
^ a b “ ⇒Unofficial Translations” (英語). 2018年1月14日閲覧。

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル FLOSS

GNUプロジェクト

GNU General Public License (GPL)

GNU Lesser General Public License (LGPL)

GNAT Modified General Public License (GMGPL)

クリエイティブ・コモンズ

パブリックドメイン

外部リンク

GNU Free Documentation License
(英語) (原文)

GNU フリー文書利用許諾契約書(日本語) (あくまで参考訳)










GNUプロジェクト
歴史

GNU宣言

GNUプロジェクト

フリーソフトウェア財団

フリーソフトウェアの定義

フリーソフトウェアの歴史(英語版)

GNUライセンス

GNU General Public License

GNU Lesser General Public License

GNU Affero General Public License

GNU Free Documentation License

GPLリンク例外

GPLフォント例外

ソフトウェア

GNU

派生


Hurd

Linux-libre

GNOME

Gnuzilla

IceCat


Gnash

Bash

GCC

Electric

Emacs

glibc

Gnulib

Coreutils

GNUstep

Autotools

Bazaar

LilyPond

一覧

代表者

アレシャンドリ・オリヴァ

ベンジャミン・マコ・ヒル(英語版)

ブラッドリー・M・クーン

エベン・モグレン

フェデリコ・ハインツ

ゲオルク・C・F・グレーフェ

レオナルド・H・タワー・ジュニア(英語版)

ロイク・ダシャリー(英語版)

リカルド・ガリ(英語版)

リチャード・ストールマン

ロバート・J・シャッセル(英語版)

ジョン・サリバン

その他

GNU/Linux名称論争

Revolution OS

The Cathedral and the Bazaar

BadVista

Defective by Design



カテゴリ


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:20 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef