通常、著作物の利用許諾をする場合、利用許諾書が規定するライセンスの成立及び効力につき、準拠法を指定する条項が存在する。しかし、GFDLには準拠法に関する条項が存在しない。法律行為の成立及び効力につき、当事者が準拠法の定めをしなかった場合、準拠法を「締結地法」 (lex loci contractus) とするか、「履行地法」 (lex loci solutionis) とするか、当事者の「本国法」 (lex patriae) とするかについては、国際私法の内容が国により異なることもあり、世界的に統一された扱いができないが、いずれにしても当事者の意思とは無関係に準拠法が定まることになる。日本が法廷地になる場合、法の適用に関する通則法8条が適用され、利用許諾につき最も密接な関係がある地の法による。
このため、原著作権者A がその著作物につき GFDL を適用して公開した後、別の者B がその改変版を公開する場合、AによるライセンスとBによるライセンスとでは、同じGFDLを適用していながら、それぞれ準拠法が異なるケースが生じることになる。そのため、同じ文言のライセンスの下に利用許諾をしているにもかかわらず、改変版をめぐって法的な争いが生じた場合、元の文書の著作権者ごとにライセンスの成立及び効力について異なった法を適用しなければならず、法律関係が複雑になる懸念が生じかねないという問題がある(なお、著作権の内容自体は、著作物の利用行為地法が準拠法になると解されている。詳細は著作権の準拠法を参照)。 その他の問題については、ライセンス#著作物全般の利用許諾のライセンスを参照。 フリーソフトウェア財団(FSF)によりGFDLとしての効力があると承認されているものは、英語の原文によるライセンスのみであり、公式の他言語訳は存在せず、FSFとしても他言語の訳文を承認しない方針を採っている[6]。これは誤訳の可能性があるものを承認することによって生じるリスクを回避するためである[6]。そのため、使用するときは英語のライセンス文書を使うことになっており、日本語訳はあくまで参考として示すにとどまっている。しかしながら、「他言語の訳文を承認しない」とはいえ「関知しない」という立場を表明しているにすぎず、「C言語で書かれたプログラムをRubyに移植した」といったケースは「関知しない」だけのことであり、GNU ライセンスに違反はしていない。 非公式ではあるものの、八田真行によるversion 1.2の日本語訳が存在する[3]。
その他の問題
ライセンスの原文及び他言語訳
脚注[脚注の使い方]^ “ ⇒GNU License Logos” (英語). 2018年1月14日閲覧。
^ “ ⇒GNUの発音の仕方”. 2018年1月14日閲覧。
^ a b “ ⇒GNU フリー文書利用許諾契約書”. 2018年1月14日閲覧。
^ “ ⇒GNU自由文書ライセンス”. 2018年1月14日閲覧。
^ “GNU自由文書ライセンス v1.3 - GNUプロジェクト - フリーソフトウェアファウンデーション
^ a b “ ⇒Unofficial Translations” (英語). 2018年1月14日閲覧。
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル FLOSS
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GNU Free Documentation License (英語) (原文)
⇒GNU フリー文書利用許諾契約書(日本語) (あくまで参考訳)
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