GNOME
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この項目では、コンピュータのデスクトップ環境について説明しています。

ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』の最初の曲については「展覧会の絵」をご覧ください。

航空機などのエンジンメーカーについては「ノーム・エ・ローヌ」をご覧ください。

大地を司る精霊については「ノーム (妖精)」をご覧ください。

7th Levelが開発したWindows用シューティングゲームについては「G-Nome」をご覧ください。

The GNOME Project
GNOME 42
開発元GNOME developers
初版1999年3月3日 (25年前) (1999-03-03)

最新版46.1[1]  / 2024年4月27日 (16日前)
リポジトリ

gitlab.gnome.org/GNOME

対応OSクロスプラットフォーム
種別デスクトップ環境
ライセンスGPL & LGPL
公式サイトwww.gnome.org
テンプレートを表示

GNOME(グノーム、ノーム、GNU Network Object Model Environment)は、Wayland又はX Window System上で動作するデスクトップ環境、またはその開発プロジェクトである。KDEと並んで、広く使われている。

ツールキットにはGTKを採用している。GNUプロジェクトの一部であり、ライセンスについてはGNOMEライブラリはLGPL、アプリケーションはGPLである。

綴りが同じであるgnome(地の精)はノームと発音するが、GNOMEはGNUのそれと同様、グノームと発音する。
デスクトップ環境

12345
GNOME Shell オーバービューモード

1アクティビティボタン
2ダッシュ

3通知エリア
4検索バー

5ステータスメニュー


GNOME パネルGNOME クラシック
GNOME Shell

GNOME 3.0のアップデートではGNOMEのデフォルトのユーザインタフェースであったGNOME パネルGNOME Shellに置き換えられ、今までのデスクトップ環境が一新された。

デスクトップの上に新しいタスクバーがあり、左端にアクティビティ、中央に時計とカレンダー、右端に通知メニューとチャットメニューが表示される。「アクティビティ」をクリックするとアクティビティ・オーバービューが起動される。ポインターを画面の左上の端に動かすだけでも起動されるようになっている。アクティビティ・オーバービューでは、開かれているすべてのウィンドウが表示され、画面の左側にお気に入りのアプリケーション、そして上側には検索バーがあり、インストールされたアプリケーションを検索したり、GoogleWikipediaでのウェブ検索もできるようになっている。
GNOME パネル

GNOME 3.0 より前のリリースではGNOME パネルが標準として使われていた。GNOME 3.0以降でも、GNOME パネルは使えるが、GTK2 / bonobo アプレットが使えず、GTK3 / D-Bus パネルを使う必要がある[2]

Mac風のインタフェースを持つGNOME パネルは、タスク管理をするためにデフォルトでデスクトップの上下にバーを表示するようになっている。上のバーには、左端にメニュー、ランチャ、右端に時計が表示される。下のバーには、アプリケーション毎のウィンドウが表示されるようになっている。バーにはランチャのほかに、パネル・アプレットと呼ばれる常駐型のアプリケーションを追加することができ、これはシステムの状態や天気予報など、さまざまな対象をモニタする目的によく利用される。

その他に利用可能な機能としては、複数のデスクトップ環境を同時に利用可能な仮想デスクトップ機能などを備えている。
開発体制

GNOMEプロジェクトは、他の多くのソフトウェアプロジェクトよりも緩い関係を持った組織である。GNOMEアーキテクチャGNOMEアプリケーションはそれぞれ独自のバージョンとリリーススケジュールを持つ。ただし、これらは半年ごとのGNOME全体の安定版リリースに合わせて、協調して開発が進められる。2000年に設立されたGNOME Foundationは管理作業やリリースを調整したり、GNOMEに含めるプロジェクトの決定を行なう。また、freedesktop.orgではデスクトップ環境間での知識や技術を共有するために標準的な技術を公開しているが、これらがGNOMEに取りこまれることもある。プロジェクトに関わる開発者が集うGUADECという年次総会がある。
ユーザビリティ

GNOMEプロジェクトでは、ユーザビリティの原則を定めたガイドライン、GNOME Human Interface Guidelines[3]に従って開発が進められている。

ここでは、細かすぎるインタフェースはコストが高くなりがちであるとして、注意深く取捨選択することが推奨されている[4]。この点について、リーナス・トーバルズは「ユーザーをバカだと看做すGNOMEの姿勢は根本的に誤りである」として批判している[5]
評価

GNOME 2までは、無数のLinuxディストリビューションで標準となり、安定したデスクトップという評価が高かったが、GNOME 3からは、批判的な意見が多い。Linuxカーネル開発者のリーナス・トーバルズも、デスクトップ環境をXfceに移して批判していた(現在は、GNOME 3に戻っている)。そのため、CinnamonMATEといったGNOMEからフォークした新しいデスクトップ環境が開発されている。
歴史「GNOME 2」および「GNOME 3」も参照GNOME 1.0

開発当初、GNOMEはライバルのKDEと同じく、Windows風のインタフェースを備えていたが、2.8から先、コアアプリケーションであるファイルを始めとして、徐々にmacOS風のインタフェースを備えるようになった。この変更は賛否を各地で呼んだが、開発は留まること無く続けられている。

なお、GNOMEのバージョンは偶数バージョンのリリース版の他に、開発者向けとみられる奇数バージョンがある。半年ごとに新バージョンがリリースされる。

1997年8月 - ミゲル・デ・イカザフェデリコ・メーナがGNOMEの開発を開始。1996年10月に開発が始められたKDEに触発されたものと言われている。

1999年3月 - 1.0 - 最初のメジャーリリース

1999年10月 - ミゲル・デ・イカザとナット・フリードマンによりInternational Gnome Support社(後にHelix Code、さらにその後Ximianと改名)が設立。就業を希望するGNOMEハッカーを次々と雇用し商業化を果たす。

2000年5月 - 1.2 - "Bongo"

2000年8月 - GNOME Foundation設立

2001年4月 - 1.4 "Tranquility"

2001年7月 - GNOMEアプリケーションの生産性の向上を掲げ、MONOがオープンソースにて公開。

2002年6月 - 2.0 - GTK+2ベースへのアップグレード

2003年2月 - 2.2 - マルチメディア(GStreamerの採用)とファイルマネージャの向上。

2003年3月 - MonoDevelop公開。SharpDevelopというWindowsに依存したオープンソースの.NET Framework統合開発環境Windows FormsからGTK#に移植。

2003年9月 - 2.4 - Epiphany、アクセシビリティサポート

2004年3月 - 2.6 - Nautilusがスペーシャルモードヘ移行、新しいGTKファイルダイアログの採用。

2004年9月 - 2.8 - リムーバブルドライブ周辺の改良、Evolutionの追加

2005年3月 - 2.10 - メモリ消費量やパフォーマンスの改良、新しいアプレットやTotemSound Juicerの追加

2005年9月 - 2.12 - Nautilusの改良、Evinceドキュメントビューア・メニューエディタ等の追加。cairoを使った GTK+2.8ベースに。

2006年3月 - 2.14 - パフォーマンスの改善、検索の強化、Ekigaビデオ会議ソフトや管理ツールPessulusの追加。

2006年9月 - 2.16 - Tango Desktop Projectの成果の取り込み、ノートパソコン向けのパワーマネジメントツールの追加、Nautilusの改良

2007年3月 - 2.18 "Simply Beautiful" - ゲームアプリの追加、中国語・日本語の縦書きのサポート、キー管理アプリケーションSeahorseの追加


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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