GDDR6 SDRAM
Graphics Double Data Rate 6 Synchronous Dynamic Random-Access MemoryType of RAM
RTX 3060のGDDR6メモリ
開発元JEDEC
タイプSDRAM
世代6th generation
前世代GDDR5 SDRAM
次世代GDDR7 SDRAM
GDDR6は graphics double data rate type six synchronous dynamic random-access memoryの略語であり、2018年から流通し始めた、同期グラフィックランダムアクセスメモリ(SGRAM)の一種である。グラフィックスカード、ゲーム機 および高性能計算といった帯域幅 (「 ダブルデータレート 」)インターフェースで使用するために設計された。これは、GDDR SDRAM(グラフィックDDR SDRAM)およびGDDR5の後継である。 最終的な仕様は2017年7月にJEDECより公開された[1]。 ピンあたりの帯域幅の増加(最大16Gbit/s[2])と低い動作電圧(1.35V[3])を実現し、GDDR5Xと比較して性能の向上と消費電力の低減を実現している[4][5]。 Hot Chips 2016で、SamsungはGDDR5Xの後継としてGDDR6を発表[4][5]。2017年12月に最初の製品が最大16Gbit/s, 1.35 Vチップになると発表し[6]、2018年1月には、16ギガビット(2Gバイト)のGDDR6チップの量産を開始した。このチップは、10nmクラスのプロセスで製造され、データレートはピンあたり最大18Gbps[7][8][9]であった。 Micron Technologyは2017年2月に、2018年初頭までに独自のGDDR6製品をリリースすると発表した[10]。その後、2018年6月に8Gb製品の量産を開始した[11]。 SK Hynixは、2017年4月においてGDDR6製品が2018年初頭にリリースされることを発表した[12]。この8Gbチップは21nmプロセスで製造され、GDDR5よりも10%低い1.35Vで動作し、転送速度は16ギガビット/秒である[3]。SK HynixのGDDR6 RAMを使用した最初のグラフィックスカードは、384ビットのメモリバスに12GBのRAMを備えることで帯域幅を768GB/秒となることが予想された[2]でSK Hynixは2018年2月に容量8Gb、ピンあたりデータレート14Gb/sのチップの量産を開始した[13]。 NVIDIAは2018年8月20日にGDDR6、TuringベースのGeForce RTX 2080 Ti、RTX 2080およびRTX 2070[14]、2019年1月6日にRTX 2060[15]を、2019年2月にGTX 1660 Tiを使用した最初のコンシューマグラフィックスカードを正式に発表した[16]。RTX 20シリーズは当初マイクロンのメモリチップを使用していたが、2018年11月までにサムスン電子製メモリチップに切り替えた[17]。なおSamsung ElectronicsのGDDR6メモリは、TuringベースのQuadro RTXシリーズにも使用された[18]。 AMDは、2019年6月10日にRadeon RX 5700、5700 XT、および5700 XT 50周年記念エディションを正式に発表。これらのNavi 10 GPUは8GBのGDDR6メモリを搭載した [19]。
概要
商品化
Samsung
Micron Technology
SK Hynix
NVIDIA
AMD
経緯
2016年8月 - SamsungがHot Chips 2016でGDDR5Xの後継としてGDDR6を発表。
2017年
2月 - Micron Technologyは2018年初頭までに独自のGDDR6製品をリリースすると発表。
4月21日 - SK Hynixは2018年2月よりGDDR6チップを生産することを発表。チップは12nmプロセスで生産され、転送速度は16ギガビット/秒、電圧はGDDR5より10%低くなるという。同社のGDDR6 RAMを使用した最初のグラフィックスカードは、帯域幅768GB/秒、12384ビットのメモリバスを備え、データレートはピンあたり14Gbpsになるという。
6月 - Micron Technologyは8Gb製品の量産を開始。
12月 - SamsungがGDDR6最初の製品が最大16Gbit/s, 1.35 Vチップになると発表する。
2018年
1月 - Samsungが16ギガビット/秒のGDDR6チップの量産を開始、製造は10nmクラスのFinFETプロセスで、データレートはピンあたり最大18Gbps。
8月20日 - NVIDIAはGDDR6と搭載したTuringベースのGeForce RTX 2080 Ti、RTX 2080およびRTX 2070を発表。
2019年
1月6日 - NVIDIAはRTX 2060を発表。
2月22日 - NVIDIAはGTX 1660 Tiを発表。
6月10日 - AMDはRadeon RX 5700、5700 XT、および5700 XT 50周年記念エディションを発表、これらのNavi10 GPUは8GBのGDDR6メモリを搭載する。
脚注[脚注の使い方]^ GRAPHICS DOUBLE DATA RATE 6 (GDDR6) SGRAM STANDARD
^ a b Shilov, Anton (2017年4月30日). ⇒“SK Hynix to Ship GDDR6 for Graphics Cards by Early 2018”. Anandtech. ⇒http://www.anandtech.com/show/11297/sk-hynix-announces-plans-to-ship-gddr6-memory-for-graphics-cards-in-early-2018 2017年5月2日閲覧。
^ a b Born, Eric (2017年5月16日). “SK Hynix's first GDDR6 RAM will initially top out at 14 Gbps”
^ a b Walton, Mark (2016年8月23日). “HBM3: Cheaper, up to 64GB on-package, and terabytes-per-second bandwidth”
^ a b Ferriera, Bruno (2016年8月23日). “HBM3 and GDDR6 emerge fresh from the oven of Hot Chips”