G
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この項目では、ラテン文字のGとgについて説明しています。アルメニア文字の?については「?」を、「G」のその他の用法については「G (曖昧さ回避)」をご覧ください。

Gg Gg
ラテン文字

AaBbCcDd  
EeFfGgHh  
IiJjKkLlMmNn
OoPpQqRrSsTt
UuVvWwXxYyZz


太字で表した字は母音である。

Gは、ラテン文字アルファベット)の7番目の文字。小文字は g 。C同様、ギリシャ文字Γ(ガンマ)に由来し、キリル文字Гに相当する。

エトルリア語に必要のなかった無声 /k/、有声 /g/ の区別を付けるために、Cにヒゲを付けて字を作り、当時必要なかったΖ(ゼータ、今日のラテン文字のZ)の位置に置いたものである。
字形小文字gの2つの字形筆記体ジュッターリーン体

大文字は、本来は、Cの右下の終端から真下にデセンダー(ベースラインの下)までステム(縦棒)を伸ばして左下へ払った字形である。なお、「I」から「J」を作ったのも同じ字形変化である。

近代にはステムは短くなり、ベースラインにも達しないようになった。また、Cの最後から下におろすのではなく、円弧の最後の部分と一体化することも多い。

ステムの上端にはセリフ(Iの上端などにある短く細い横棒)がある。サンセリフでは通常セリフは表さないが、Gに関してはステムのセリフを強調し、エジプシャン(セリフをステムと同じ太さで、つまり「I」を「エ」のように書くフォント)のように表現する。この場合、ステム自体は省略し、セリフの横棒だけを書くことも多い。

フラクトゥールでは G {\displaystyle {\mathfrak {G}}} 。

大文字の筆記体では、Cの右下の終端に、縦棒を下に付け、ベースラインの下にはみ出して左に回転し、しばしばそのまま右上に伸びて縦棒を突き抜ける形が取られることがある。

小文字では、ステムはcの最後から伸ばすのではなく、xハイト(小文字のxの高さ)から下に伸ばす。そのため、cのカウンター(線に囲まれた空白部分)は完全に閉じる。フラクトゥールの g {\displaystyle {\mathfrak {g}}} もそうである。

小文字では、しばしば下に降りる縦線が左に大きく湾曲し、印刷書体に使われる。
呼称

スラヴ語:ゲー [g??], [ge?]

:ゲ [ge]

:ジェ

:ジェー [?e?]

:ヂ

:ヂェ

: gee(ヂー)[d?i?]

:ヘー [?e?]

西:ヘ [xe]

エス:ゴー [?o?]

:ゼー

:ジー [d??i??]

音価

この文字が表す音素 /g/ の音価は、有声軟口蓋破裂音 [?] ないし、その類似の軟口蓋音が主である。

[g]と発音するのを「固い (hard) g」、摩擦音破擦音 /d?/ で発音するのを「柔らかい (soft) g」と呼ぶ (en:Hard and soft G)。

IPAの [?] は有声軟口蓋破裂音を表す。このときの文字は「」のグリフの内、左の字体ではなく右の字体を使わなければならないため、Unicodeでは通常の小文字「g」とは別の文字コード(U+0261)を当てた文字「?」を使う。またスモールキャピタル[?](U+0262)は有声口蓋垂破裂音を表す。なお、「?」と「?」の右上に曲がりを付けた[?](U+0260)は軟口蓋入破音を、[?](U+029B)は口蓋垂入破音を表す。

ロマンス語では、e, i (, y) の前で口蓋化する。

フランス語、ポルトガル語では有声後部歯茎摩擦音 [?](IPA) = .mw-parser-output .SAMPA{font-family:"Courier",monospace}[Z](X-SAMPA) に変化する。[?] のまま発音するためにはgu-とする。

イタリア語、ルーマニア語、教会ラテン語では有声後部歯茎破擦音 [?](IPA) = [dZ](X-SAMPA) に変化する。[?]のまま発音するためにはgh-とする。

スペイン語では無声軟口蓋摩擦音 [x] に変化する。[?] のまま発音するためにはgu-とする。

英語はロマンス語ではないため、ゲルマン系の英語固有の語では変化しない(例: get [??t], give [??v])。ただし古フランス語からの借用語では [?] に変化する(例: gentle [??ntl])。「e,i,yの前」とは発音ではなく綴りが基準である(例: giant [?a??nt])。[?] のまま発音するには gu- と綴る(例: guest [??st], guide [?a?d])。


ドイツ語では語末や無声子音の前で無声化し [k] となる。ただし、語尾の -ig の g は標準ドイツ語ならこの g を無声硬口蓋摩擦音 [c](IPA) = [C](X-SAMPA) で発音する。 (例:Tag, Dialog, (funfund-)dreisig)

スウェーデン語では「柔らかい g」が硬口蓋接近音 [j]で発音する。また、語末の -rg/-lg も [-rj] 、 [-lj] となる。

フランス語では、語末のgを黙字化する。ただし、母音で始まる単語が後続する場合、リエゾンして[?]を発音する。

オランダ語では有声軟口蓋摩擦音 [?], 有声硬口蓋摩擦音 [?] を表す。

ベトナム語ではフランス語の綴りの影響を受けているため、母音字 i、e、e の前では有声後部歯茎摩擦音 [?]を、他の母音の前では有声軟口蓋摩擦音 [?] を表す。

非ラテン文字圏の言語をローマ字表記する場合でも、一般的に[?]やその近似音に使われる。eやi,yが後続する場合であってもgのままで、guとはしないことが多い。有声無声の区別が無いが有気無気の区別がある言語の場合、方式によっては無気音の方に割り当てられ、その場合無声で[k]と発音されることもある。

日本語のローマ字表記では、訓令式ヘボン式共にガ行の子音 /?/ に用いる。したがって、発音は軟口蓋破裂音 [?] だけではなく、鼻濁音の子音である語中の軟口蓋鼻音 [?] も表す。

朝鮮語のローマ字表記では、文化観光部2000年式の場合、有声無声にかかわらず初声の?(母音が後続する場合)に用いられる。マッキューン=ライシャワー式では有声で発音される場合のみ初声?に用いる。

中国語やその方言ピンインでは無気無声軟口蓋破裂音 [k] を表す。ただし、ウェード式では [?] である。

中国南方の方言では、広東省教育部門式の広東語ローマ字のように音節頭では無気無声軟口蓋破裂音の [k] を表すが、音節末では軟口蓋内破音 [k̚] を表す例もある。


チワン語でも音節頭では中国語と同様に無気無声軟口蓋破裂音 [k] を表すが、音節末では中促調を持つ軟口蓋内破音 [k̚] を表す。


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