飛行するG.55
(第2グルッポ所属、1944年撮影)
用途:戦闘機
分類:戦闘機
設計者:ジュゼッペ・ガブリエッリ
製造者:フィアット社
運用者:
イタリア王立空軍
イタリア国家空軍
G.55 チェンタウロ(Fiat G.55 Centauro )は、イタリアのフィアット社が開発し、第二次世界大戦中から戦後にかけて主にイタリア空軍で運用された戦闘機。
愛称の「チェンタウロ (Centauro)」は、ケンタウルスの意。目次 G.55はドイツ製ダイムラー・ベンツ DB 605液冷エンジン(1,475hp)を搭載した高性能、及び生産性を兼ね備えた戦闘機としてフィアット社で開発が進められた。 原型機は1942年4月30日に初飛行し、それまでの戦闘機より格段に高速で運動性も良く、パイロットたちから高い評価を得た。ただし生産に当たってはDB605がドイツ国内向けの生産に追われて入手困難だったため、同エンジンをライセンス生産したフィアットRA1050RC58 ティフォーネ(Tifone、台風の意)を搭載する事になった。但しこのエンジンの生産が軌道に乗るまで時間がかかり、結局本機の実戦投入は終戦の3ヶ月前である1943年6月までずれ込んだ。 G.55は同じDB605系エンジンを搭載したMC.205ベルトロやRe.2005サジタリオ(MC.205、Re.2005、G.55を総称して「serie5」と呼ぶ)に比べて武装の面で優れていた。量産型のMG151/20(20mm機関砲)×3、ブレダSAFAT12.7mm機銃×2は、M.C.205(MG151/20×2、ブレダSAFA12.7mm×2)より強力でRe.2005(MG151/20×3、ブレダSAFA12.7mm×2)と同等、装弾数はブレダSAFA12.7mm各300発、MG151/20は軸内250発、翼内各200発であった。 イタリアでは戦局の悪化に伴い北アフリカからB-17やB-24といった連合軍の大型爆撃機が頻繁に来襲するようになった。それまでのイタリア戦闘機は爆撃機を迎撃するには武装が貧弱で火力に乏しく(例えば大戦期に於けるイタリア主力戦闘機であるMC.202 フォルゴーレはブレダSAFAT7.7mm×2、ブレダSAFAT12.7mm×2であり、列国の戦闘機と比べると見劣りしてしまう)、加えて高高度性能も劣っていた。 G.55はその点強力な武装を有し、また実用上昇限度が12,500mと比較的高く、優れた迎撃戦闘機であった。 イタリアが降伏する1943年9月8日までにイタリア王立空軍に引き渡されたG.55はそれほど多くはなかった。降伏後も生産は継続され、完成機はイタリア北部に誕生したファシスト系のイタリア社会共和国下の共和国空軍に引き渡された。G.55は最終的に約300機が生産された。 G.56はG.55により高出力のDB603液冷エンジンを搭載した試作機。最高速度685km/hを予定していたが、ドイツがこの貴重なエンジンの供出を拒んだため試作2機のみの製造に終わった。 フィアット社は大戦終結後、G.55をベースにした練習機を開発した。最初のモデルはG.55Aと名づけられた。これは単座の高等練習機で、1946年9月5日に初飛行した。G.55Aはイタリア軍事空軍(新生イタリア空軍)向けに19機、アルゼンチン空軍向けに30機が生産された。アルゼンチン向け30機のうち19機は後にエジプトに渡った。 次に開発されたモデルはG.55Bと名づけられ、こちらは複座練習機であった。10機がイタリア向けに、15機がアルゼンチン向けに生産された。 G.55の現存する機体は無いが、ヴィーニャ・ディ・ヴァッレ空軍歴史博物館(イタリア空軍博物館)には、G.55と基本設計は同様であるG.59-2A練習機 セリエIV ⇒博物館公式サイト 諸元ページ 空軍博物館のG.55(本来はG.59)
1 概要
2 G.56
3 戦後
4 要目
5 運用国
6 現存する機体
7 登場作品
7.1 アニメ
7.2 ゲーム
8 脚注
8.1 注釈
8.2 出典
9 関連項目
概要
G.56
戦後
要目
概要
乗員: 1名
生産機数: 約300機
寸法
全長: 9.37 m (30 ft 9 in)
全幅: 11.85 m (38 ft 10 in)
全高: 3.13 m (10 ft 3 1/4 in)
翼面積: 21.11 m2 (227.23 ft2)
重量
空虚重量: 2,630 kg (5,798 lb)
最大離陸重量: 3,718 kg (8,179 lb)
動力
エンジン: フィアット RA1050RC58“ティフォーネ”(DB605のライセンス版)
出力: 1,475 hp
性能
最高速度: 620 km/h (385 mph)
航続距離: 1,160 km 746 miles)
実用上昇限度: 12,700 m (42,650 ft)
武装
初期生産: 1x20 mm MG151/20機関砲(エンジン軸内に1挺)、4x12.7 mm Breda-SAFAT機関銃(機首2挺、翼内2挺)
量産型: 3x20 mm MG151/20機関砲(エンジン軸内に1挺翼内2挺)、2x12.7 mm Breda-SAFAT機関銃(機首2挺)
翼下に160kg爆弾を搭載可能
運用国
イタリア王国
アルゼンチン
エジプト
現存する機体
登場作品
アニメ
『ストライクウィッチーズ』
ロマーニャ公国出身の隊員フランチェスカ・ルッキーニ少尉が使用するストライカーユニット。
ゲーム
『ストライカーズ1945Plus』(彩京)
シューティングゲーム。本機をモデルとする「フィアットG.56」が自機のひとつとして登場。移動速度と攻撃能力に難があるが、溜め撃ちを小刻みに撃つことで対処していく機体となっている。
「War Thunder」
G.55 sottoserie 0、G.55 serie 1、G.55s、G.56の4種類が存在する。高火力、良好な機動性でイタリア屈指の強機体である。
脚注
注釈^ イタリア社会共和国の空軍で、イタリア共和国空軍、イタリア社会共和国空軍やイタリア共和党空軍などとも呼ばれる。
^ 当初の計画では1,284,000リラを使用して2,400機が製造される予定であった。
出典^ Mondey 2006, pp. 60?61.
^ Nino Arena, FIAT G 55 "Centauro, Modena Edizioni Stem Mucchi, 1994
関連項目
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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