Final Cut Pro開発元Apple
最新版macOS版 10.8, iPadOS版 2.0 / 2024年5月7日[1]
対応OSmacOS Ventura 13.5以降, iPadOS 17.4以降
プラットフォーム
Appleシリコン搭載MacIntel MacM1チップ以降を搭載したiPad
種別ビデオ編集ソフトウェア
ライセンスプロプライエタリ
公式サイト
Apple - macOS版 Final Cut Pro
Apple - iPadOS版 Final Cut ProFinal Cut Pro(ファイナルカット・プロ)は、Appleの開発・販売するソフトウェアのひとつで、パソコン向けのノンリニアビデオ編集を目的としたmacOS向けのソフトである。Appleのプロフェッショナル向け映像ソリューションの中核となるソフトウェア。
バージョン6とバージョン7は、Motion、Soundtrack Pro、DVD Studio Pro、Compressor、Colorなどを含むソフトウェアスイートFinal Cut Studio(ファイナルカット・スタジオ)として販売されていた。
学生・教職員向けPro AppバンドルとしてFinal Cut ProとLogic Pro、Motion、Compressor、MainStageがセット販売されている[2]。2023年6月現在30,000円[2]
2023年5月、iPad用Final Cut Proが発表された[3]。 元来は、アドビシステムズ(現アドビ)でPremiereを開発していた、Randy Ubillos(2015年4月に引退[4])を中心とするグループが、マクロメディアに移ってコードネームKeyGripと称して開発していたソフトウェアであり[5]、1997年のNAB Show
概要
後に、Appleが開発中のKeyGripを購入、1999年4月に"Final Cut Pro"としてVer.1が発売され、2009年7月時点の最新版はIntel Macのみ対応のVer.7となる。
2003年7月、Final Cut Proの成功により、アドビはMac版Premiereの開発を中止した[7][8](後のIntel Mac版Premiere Proは新規開発の別製品[9])。
Final Cut Studioは、Final Cut Proに加えて、Motion、Soundtrack Pro、DVD Studio Pro、LiveType、Compressor、Cinema Tools、Colorを含む、プロ向けのスイート。また、機能を省略した廉価版であるFinal Cut Expressも用意されていた(後述するFinalCutPro Xの登場と価格改定に伴い、Express版はフェードアウトとなった)。
Final Cut Proは拡張環境対応に優れており、インタフェースボードやRAIDディスクの追加、Xsanシステムの利用などにより、さらに高性能・高画質な編集も可能である。プロ向け映像編集ソフトとして人気があり、2009年時点でのユーザ数は140万であった[10]。
Final Cut Pro Xは、機能とユーザインタフェースが刷新、64bit化された革新的なソフトとして、2011年4月12日に発表された[11]。 2011年6月、AppleはFinal Cut Proの新しいバージョンであるFinal Cut Pro X(FCP X) 10.0をリリース。内部構造が根本的に刷新されたほか、ツールとしての挙動・用語の概念・UIデザイン等が大幅に変更された上に多数の機能が削減された為、混乱を起こし批判を浴びた[12][13][14]。しかし、無料アップデートを繰り返して改良と機能追加、高速化を進め、2018年4月の時点でユーザ数が250万を超える人気ソフトとなっている[15]。 Final Cut Pro XはGrand Central DispatchとOpenCL(10.4.7でMetalへ刷新)をサポートをしている64bitアプリケーションである。これらの機能が追加されたことにより、並列処理及びバックグラウンドでレンダリングを行うことが出来るようになった。 RED ONEなどの4Kの解像度にも対応し、クリップの管理ではクローズアップ、ワイドショットなど自動的にショットによってグループ分けされる機能を持っている。レンズフレア、手ぶれ補正、ローリングシャッター補正、カラーバランス(色補正)等の映像修正も簡単に行うことが出来るようになった。 Final Cut Pro Xは2011年6月21日からMac App Storeでダウンロード可能になった。初期価格は35,000円で、後に26,000円となった。2022年3月時点で36,800円、2022年10月5日に48,800円に値上げされ、2023年6月時点で45,000円である。発売開始当初、App Storeサポートセンターによると、利用規約に記述されている「(i) お客様には、個人的、非商用目的に限って本iTunes商品を利用される権限が与えられるものとします。」を根拠とし、「iTunes Storeでは非商用目的の、個人でご利用を目的としております」と回答しているため、Final Cut Pro Xはプロユースとしての使用はできないとされていた。2012年8月現在は法人向けストアである Apple Store for Business からの決済もできるようになっている(通常のApple Storeや同Educationには表示されない)。 Appleは、今後のアップデートによりマルチカメラなどの機能を追加予定だと発表、Ver.10.0.3のマイナーアップデートでマルチカメラ等の機能が追加された[16]。
優位点
前述の拡張性によって、廉価かつコンパクトなシステム(MacBook Pro本体のみなど)で大筋の編集(旧来のオフライン編集に相当)を行い、仕上げを高価なシステム(Mac Pro+ビデオインターフェースカード+RAIDディスクシステムなど)に移行して行う(オンライン編集に相当)などの流れが非常に容易である。この場合まったく同じソフトウェアを用いることになるので、オフライン段階で効果などを付けた場合でも、そのままオンラインに反映させることができる。
かつて存在したFinal Cut Server とXsanシステムの組み合わせにより、FCPで編集した映像を複数のデスクトップ等から同時作業出来た。
テロップを装飾し、自由な位置に配置しアニメーションを加えることができる。
Final Cut Pro X
2012年6月、10.0.5リリース。Retinaディスプレイ対応などが行われた。
10.0.6 - 5KまでのREDCODE RAWのネイティブ編集、GPUでのバックグラウンドレンダリング対応など
10.0.7
10.0.8
10.0.9
2013年12月18日、Final Cut Pro X 10.1リリース。4K対応強化、デュアルGPU対応、対応フォーマットの追加など、多数の機能追加が行われた。
10.1.1
10.1.2
10.1.3
10.1.4
2015年4月13日、Final Cut Pro X 10.2リリース。3Dタイトル、高度なエフェクトの追加及びパフォーマンス向上、対応フォーマットの追加。
10.2.1
10.2.2
10.2.3
2016年10月27日、Final Cut Pro X 10.3リリース。広色域対応、マグネティックタイムライン刷新、ダークインターフェイス、MacBook Proのタッチバー対応、他、多数の機能追加が行われた[17]。
10.3.1
10.3.2
10.3.3
10.3.4
2017年12月14日、Final Cut Pro X 10.4リリース。8K、360°VR編集対応、カラーグレーディング機能刷新、HEVC, HEIF対応、他、多数の機能追加が行われた[18][17]。
10.4.1 - クローズドキャプション機能の改良、ProRes RAW対応、書き出し機能の改良[17]。
10.4.2
10.4.3 - DJI社製ドローン「Inspire 2」でD-Log撮影したProRes RAWファイルの表示と編集に対応。
10.4.4
10.4.5
10.4.6 - 2019年3月21日リリース[16]。ライブラリに追加した互換性のないメディアファイルを自動スキャンし、変換することが可能となった。[19]
10.4.7 - 2019年10月8日リリース。Metalベースプロセッシングエンジンへ刷新し処理速度向上、Mac Pro (2019)やAfterburner Cardへの対応・最適化でパフォーマンス向上[20]
10.4.8 - 2019年12月10日リリース。
10.4.9 - 2020年8月25日リリース。編集ワークフローの強化[21]
10.4.10 - 2020年9月24日リリース。
Final Cut Pro(10.5以降)
2020年11月12日、Final Cut Proと名称を元に戻した10.5リリース 。Apple M1とNeural Engineに対応し、パフォーマンスと効率が向上[17]
10.5.1 - YouTube, Facebookアップロード用の共有オプション追加[17]
10.5.2 - Universal RED プラグインをサポート、複数のバグ修正、安定性向上
10.5.3 - 複数の機能追加、バグ修正、信頼性とパフォーマンス向上
10.5.4 - 安定性向上
10.6 - 2021年10月18日リリース。Apple M1 Pro, M1 Maxを搭載したMacBook Proに対応し、パフォーマンスと効率が向上[17]。オブジェクト・トラッカーやシネマティックモード対応など複数の機能追加と安定性の向上も図られる[17]。