1998年のアメリカのアドベンチャーブラック・コメディ映画については「ラスベガスをやっつけろ」をご覧ください。
Fear, and Loathing in Las Vegas
出身地 日本 兵庫県神戸市
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ポスト・ハードコア[1][2][3]
オルタナティヴ・ロック[1]
インディー・ロック[1]
ラウドロック[2][4][5]
スクリーモ[1][4]
トランス[2]
EDM[2][4]
エレクトロニコア[2][3]
ダンス[2]
ヘヴィメタル[2][4]
エモ[4]
活動期間2008年 -
レーベル
VAP(2010年 - 2017年)
Warner Music Japan(2017年 - 2022年)
Getting Better Records / JVCKENWOOD Victor Entertainment(2022年 - 現在)
公式サイト ⇒Fear, and Loathing in Las Vegas
メンバー
So(クリーンボーカル・スクリームボーカル・プログラミング)
Minami(スクリームボーカル・キーボード・プログラミング)
Taiki(ギター・ボーカル)
Tomonori(ドラムス)
Tetsuya(ベース・ボーカル)
旧メンバー
Mashu(ベース)
Sxun(ギター・ボーカル)
Kei(ベース・ボーカル)
Fear, and Loathing in Las Vegas(フィアー・アンド・ロージング・イン・ラスベガス)は、日本のポスト・ハードコア、エレクトロニコアバンド[3]。所属レーベルはGetting Better。 2008年結成[6]。 バンド名は1998年のテリー・ギリアム監督の映画『ラスベガスをやっつけろ』の原題(Fear and Loathing in Las Vegas)に由来する。公式な略称は「FaLiLV」「ラスベガス」。バンド名が長いため、「なんちゃらラスベガス」に略されることもある[注 1]。 ポスト・ハードコアをベースに、オートチューンボーカルとシンセサイザーを交え、トランスの要素を取り入れたスタイルが特徴[6]。 結成メンバーの一人であったSxunは、日本人が作るようなメロディと日本国外のアーティストのサウンドの融合というのが当初のバンドサウンドのイメージであったと語っており、具体的には彼が対バン経験のあったNorthern19やTOTALFATのようなメロディを想定していたという[8]。またBOOM BOOM SATELLITESとの対談ではバンドの音楽性について、「自分らでできることをやってるだけなんですけどね。打ち込みもあるし、生っぽさもあるし、どっちも普通にあるっていうか、自然に成り立ってしまったんですよね。ルールがないというか、知識のなさから生まれた、偶然の結果ではあると思うんですよ。普通だったらできないテンポチェンジとかも、「でも、ここは速くしたいから速くするんだよ」っていう感じで[9]」と語っている。 多彩な音楽ジャンルを取り入れていることに関して、「自分たちはいろんなジャンルの要素を取り入れてますけど、だからといって、それぞれのシーンでその音楽を極めている人たちに負けたくないという思いがあって。いろんなジャンルに手を出して、それぞれが60点でも意味がないと思う」、「やるなら、それぞれのジャンルを極めている人たちに負けないものだけが、自分たちのところに並んでいるような音楽を作っていきたい」と語っている[9]。 Tomonoriは結成当時のインタビューにて、Minamiのキーボード、Sxunのギターリフ、その下でリズムが前面に出るようなドラムの3つを基盤にした上で、さらに個人の個性を曲に突っ込んでいくことによって自然と今のサウンドを確立したと語っている[10]。彼曰く、「カオス」、「ポップ」、「コア」、「ダンス」がバンドの軸であり、その4つをどのようなバランスで組み合わせるかだという[11]。また一番こだわりたいのは、Fear, and loathing in Las Vegasにしかできない音楽を作りたいということであり、「Las Vegas」というジャンルを作り上げることだとしている[10]。 また多彩なサウンドの要素を1曲に融合させる秘訣については、固定観念に縛られずいろいろなフレーズを当てはめてみた上で格好いいかどうか、これをメンバー全員の感性で格好いいと思えることだとTomonoriは語っている。基本的にはかなり感覚的な作業で曲を作っているというものの[9]、ノリで適当にくっつけて意味の分からない曲になってしまわないように、様々な音をくっつける場所、曲の変わり目をどうアレンジするかは考え抜かれて制作されており、ここに苦労してボツになった曲は数え切れないくらいあるという[10]。 Tomonoriは「このバンドには、「やっちゃダメなことはない」っていう考えがある[9]」と語っている。またBOOM BOOM SATELLITESとの対談では、「僕らの音楽って、ハードでもあるし、ポップでもあるし、いろんなジャンルの音楽のいいとこ取りをしてやろうっていう音楽なんですね[12]」「個々のメンバーの個性をそのまま掛け合わせていったのが今の僕らの音楽で[9]」と語っている。 結成当初のインタビューでは、デスコアからジャズ、アニメソングを聴いたりなど、音楽的な趣味がメンバー一人一人で全く異なるということが明かされている[10]。 結成メンバーのSxunは元々メロディックバンドを組んでおり、海外のアーティストが作るメロディはしっくりこないと語っている。最初にバンドを始めたきっかけはSHACHIであり、そこからインディーズのバンドをよく耳にするようになったという[8]。 Minamiはもともとクラシック・ピアニストであり、そこから派生してきたジャンルやアニメ・ソングをよく聴いているという[8]。またシャウトをやるきっかけになったバンドとしてTHE USEDを挙げている[13]。 Soはバンドを始めたきっかけとしてELLEGARDENを挙げている。その後はSTORY OF THE YEARやTHE USED等のスクリーモを聴くようになり、現在はジャンルレスに何でも聴く雑食だという[8]。またTHE BACK HORNのボーカリスト山田将司の歌い方が好きだと語っている[13]。 Tomonoriは基本的にスクリーモやメタルコアといったジャンルを全然聴かないという。ドラムを始めたきっかけは銀杏BOYZ、GOING STEADYを聴いて衝撃を受けたからであり、その後はファンクやジャズ、サンバ、メタルなどごちゃごちゃに聴いていたといい、1つのアーティストから影響を受けたというよりは、様々なアーティストから色々な部分の影響を受け、吸収しているという[13]。 Taikiは影響を受けたアーティストに玉置浩二を挙げ、ライブに行った際に感動的な衝撃を受けたと語っている[13]。 Tetsuyaはベースを始めるきっかけとなったレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーの他、Billy SheehanやIKUO、THUNDERCAT、Henrik Linder(ダーティ・ループス)といったベーシストをそれぞれ挙げている。 ライターの荒金良介は、もはや国産のラウド/ヘヴィミュージックにエレクトロが入っているのは当たり前であるとした上で、その当たり前を常態化させたのはFear, and Loathing in Las Vegasの存在によるところが大きいと分析し、今や右を見ても左を見てもその手のバンドであふれ返っていると語る[14]。 ライターの中村拓海はラスベガスについて、エレクトロ×ラウドロックという組み合わせにハードコアのエッセンスを加え、次世代のバンドも交えて「ピコリーモ」というジャンルを確立したと語る[15]。 タワーレコードの加藤直子、安達香菜、桜間里奈は、ハードコア/スクリーモ系が頭角を現すようになった流れの中で一番の起点になっているのはFear, and Loathing in Las Vegasであるとし、ラスベガスの登場以降は確実に流れが変わったと語る。具体的にはASHLEY SCARED THE SKYや、ファッション性もラスベガスに近いものがあるTHREE LIGHTS DOWN KINGS、ARTEMAなど、レイヴィーなスクリーモ/メタルコア系のバンドが続々とメジャー・デビューしたことを挙げた[16]。 同じくライターの西廣智一はセールス/ライブ動員的に大成功を収めたラウドロックバンドのひとつとしてラスベガスを挙げ、「ラウドロックの未来を示すという意味でも、彼らの成功は非常に大きな意味を持っている」と語る[17]。 BOOM BOOM SATELLITESの中野は、ラスベガスの音楽について展開の早さとテンポチェンジの仕方に驚かされると述べた上で、「ゲームがメチャクチャ上手いヤツが作ったみたいな音楽[12]」と例えている。 coldrainのボーカリストであるMasatoは、ラスベガスについて「最初に出てきたときに“すごいな”と思いましたもん。1stアルバムであれだけちゃんと定まってるのはすごいなと。感心のみですよ[18]」と、デビュー時には既にバンドとしての方向性が定まっていたと語る。 その音楽性から「ドイツのFear, and Loathing in Las Vegas」と形容されることもあるELECTRIC CALLBOY RAISE A SUILENはライブ・パフォーマンスに影響を受けたアーティストとしてラスベガスの名前を挙げている[20]。メンバーの中でも特に倉知玲鳳がラスベガスのファンであり、同じキーボーディストのMinamiを目標にしているという。 PassCodeは自身の音楽性のルーツになったアーティストとしてラスベガスを挙げている。中でもメンバーの南菜生はデビュー初期辺りが特にラスベガスの色濃い影響を受けていたと語り、「ベガスご本人達はどう思ってるんだろう?」と思っていたという[21]。 タワーレコードの山口コージーは、ラスベガスにはエンター・シカリのレイヴ×スクリーモ/メタルコアなサウンドやストリート感溢れるファッション性が受け継がれていると評している[22]。 ライターの荒金良介はReal Soundにて、ラスベガスの音楽性を語る上で外せないのは、「ラウド」と「エレクトロ」の両要素だとした上で、「前例がない。お手本がない。比較すべきアーティストが見つからない」「ラスベガスの前にラスベガスなく、ラスベガスの後にラスベガスなし」とコメントしている[23]。また、「エレクトロを標準装備したアプローチが増えれば増えるほど、ラスベガスの技量とセンスはより一層強い光を放っている。あるいは、模倣できないオンリーワンの個性として堂々と君臨している[14]」とも語る。 音楽ライターの西廣智一は、CrossfaithやARTEMAのようなエレクトロの要素を取り入れたヘヴィなサウンドを信条とするバンドは存在したが、ラスベガスの場合はラウドロックの側面とダンスミュージックの側面を両立させつつ、なおかつキャッチーさやポピュラリティも存在するという点が他とは異なる大きな個性といえると評した[24]。
概要
音楽性
音楽的な影響
功績
評価・反応
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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