FOLFOX(フォルフォックス)は、フルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法の略号である。使用する薬剤名の頭文字をとって名付けられている(下記)。長時間(22?46時間)の持続静注
を要する治療法であるが、皮下埋め込み型リザーバーを使用すれば外来通院で行うことが可能である。FOLFOXは投与法にいくつかの亜種が存在するが、2008年現在広く行われているのはFOLFOX4およびFOLFOX6(日本では承認の関係でmFOLFOX6)である。主に大腸癌に対する治療として行われる。R0切除(完全切除)が行われたStageIII(周囲リンパ節に転移があるが遠隔転移がない)大腸癌では、治癒切除後に術後化学療法を行うことにより再発を抑制し予後を改善することができる。術後化学療法としては2015年1月現在5-FU/l-LV療法、UFT/LV療法、カペシタビン、FOLFOXが推奨される治療である[7]。FOLFOX4療法と5-FU/l-LV療法を比較した臨床試験(MOSAIC試験)では無病生存期間が延長したことからFOLFOXの術後化学療法としての有用性が確認された[8]。 切除不能なStageIV(遠隔転移を有する)・再発大腸癌の1次治療では、2015年1月現在FOLFOXかFOLFIRIのいずれかに、抗VEGF抗体(ベバシズマブ)または抗EGFR抗体(セツキシマブまたはパニツムマブ)を上乗せしたものが標準療法である。 [脚注の使い方]
StageIV、再発大腸癌に対しての全身化学療法
脚注
^ de Gramont A, Figer A, Seymour M, Homerin M, Hmissi A, Cassidy J, Boni C, Cortes-Funes H, Cervantes A, Freyer G, Papamichael D, Le Bail N, Louvet C, Hendler D, de Braud F, Wilson C, Morvan F, Bonetti A (2000). “Leucovorin and fluorouracil with or without oxaliplatin as first-line treatment in advanced colorectal cancer”. J Clin Oncol 18 (16): 2938-47. PMID 10944126
^ FDA Approval: Eloxatin [oxaliplatin] ⇒PDF
^ a b 「エルプラット注射用100mg」添付説明書(第3版)(株式会社 ヤクルト本社)
^ a b NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology, Colon Cancer Vol.2.2007
^ ティーエスワン カプセル20/ティーエスワン カプセル25添付文書 2008年5月改訂(第21版)
^ “ ⇒FOLFIRI followed by FOLFOX6 or the reverse sequence in advanced colorectal cancer: a randomized GERCOR study. date=2004-01-15”. 2014年10月24日閲覧。
^ 大腸癌研究会『大腸癌治療ガイドライン-医師用(2014年版)』、金原出版、2014年
^ Oxaliplatin, Fluorouracil, and Leucovorin as Adjuvant Treatment for Colon Cancer. ⇒http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa032709
更新日時:2020年2月10日(月)15:29
取得日時:2020/10/01 20:10