FM_TOWNS
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FM TOWNS
FM Towns 2F
開発元富士通
製造元富士通
世代第4世代
発売日1989年2月28日 (35年前) (1989-02-28)
販売期間1989-1997年
販売終了日1997年夏
売上台数50万台(1995年11月発表)[1]
対応メディアCD, フロッピーディスク, ハードディスク, 光磁気ディスク
OSTownsOS, MS-DOS, Windows, Linux
サウンドリコー RF5C68、ヤマハ YM2612
関連商品FM TOWNS マーティー

FM TOWNS(エフエムタウンズ)とは、富士通1989年(平成元年)2月28日に発表した、世界で初めて[注 1]CD-ROMドライブを標準搭載した独自アーキテクチャーの32ビットマルチメディアパソコン。[注 2]
概要

全モデルにCD-ROMドライブを標準搭載した[7]他、インテル80386搭載、32768色同時表示や1677万色中256色発色機能、640×480の解像度、フレームバッファ方式のスプライト機能、PCM音源の標準搭載など、強力なグラフィック機能やオーディオ機能が特長。

略称はタウンズ、ウンズ[8]など。

キャッチコピーは「ハイパーメディアパソコン」。マルチメディア機能を生かした、教育分野向けのソフトウェアや、ゲームソフトが充実。派生機種として、テレビにつなげるマルチメディアプレーヤー FM TOWNSマーティー (Marty)も発売。

FM-7FM77AV)シリーズのオーディオ・ビジュアル(AV)機能の充実という流れを汲んだ後継機で、また、ビジネス向けのFMR-50シリーズと上位互換性を持っていた。

「FM-TOWNS」とFM-7のようにハイフン入りで表記されることもあるが、「FM TOWNS」とハイフンなし表記が正しい。アメリカの物理学者のチャールズ・タウンズにちなんで命名された。説明書やパンフレットなどでは、ロゴと同じように「FMTOWNS」と「FM」を小さく書く表記が用いられた。
FM TOWNS

初代モデルはモデル1とモデル2の2タイプ。違いはメインメモリとフロッピーディスクドライブ(FDD)の初期搭載数のみでその他は共通。モデル1がメインメモリ1MB /FDD1台、モデル2がメインメモリ2MB /FDD2台。

価格はモデル1が338,000円、モデル2が398,000円。

縦型CD-ROMドライブと3.5インチFDDドライブ、音量レベルメータ、マイクなどを正面に配した灰色の縦型プラスチック成型筐体を採用。筐体上部にはキャリングハンドルとメモリカードスロットを装備。筐体左側面は工具なしで開き、CPUやメモリスロットに容易にアクセスできた。

マウスゲームパッドを標準添付し、標準OSとしてGUIによる独自のシェルを搭載したTownsOS(Townsシステムソフトウェア)を用意。MS-DOSDOSエクステンダと呼ばれるモジュールで拡張して386プロテクトモードでの動作を可能にしたもので、T-BIOSと呼ばれる各種マルチメディアAPIが実装された。

CPUにはインテル80386(i386DX)/16MHzを搭載。当時の日本国内向けPCの中では高級・高性能なCPUで、FM TOWNSは386搭載機としては破格の価格設定だった。[注 3]

サウンド機能としてFM音源ステレオ6音、PCM音源ステレオ8音を標準搭載。サンプリングメモリは64KB、量子化ビット数は8ビット。CD-DAも再生可。MIDI端子はオプション。

ポート類は、FMRシリーズと共通のキーボード端子(ミニDIN)、シリアルマウス/ジョイパッド端子が2つ(MSXなどと共通のアタリ規格、D-SUB9ピン)、3.5mmステレオフォン端子とマイク端子、オーディオ入力/出力端子(RCAピン端子、ステレオLR)、パラレルポート/プリンタ端子(セントロニクス端子)、シリアルポート(RS-232C規格、D-SUB25ピン)、拡張FDD端子(FMRシリーズと共通の専用端子を装備。

数値演算プロセッサ(FPU)の取り付けにも対応。メインボード上のCPUを一旦取り外し、インテル80387を搭載したオプションの数値演算プロセッサカード(ドーターボード)に80386も装着した上でCPUソケットに取り付ける方式となっていた。

拡張スロットは3スロット。モデムカード専用スロット、ビデオカード専用スロット、SCSIカード専用スロット。汎用拡張スロットは無く、本体とほぼ同寸法のI/O拡張ボックスを筐体左側面に取り付けた上で、FMR-50LT用の拡張カードを3枚装着可能。MIDI端子などはこの形式で増設できた。

メモリカードスロットはJEIDA3.0。ベクトルフォント(アウトラインフォント)を収録した専用ROMカードが提供された。S-RAMカードも読み書き可能で、OASYSやFMR-CARDなどとのデータ交換に利用可能。I/O機能やフラッシュメモリカードには非対応。

FMRシリーズをベースに開発されたとされ[注 4]、FMR-50型番の機種と一定の互換性を備えている。FMRシリーズとはメモリー・マッピングやBIOS等が異なったが、別売りのFM TOWNS専用版MS-DOSで起動することによりFMRシリーズ用のアプリケーションの多くが動作した。

キーボードは別売りで、JIS配列親指シフトキーボードの2種類から選択できた。いずれもFMRシリーズや同社の日本語ワードプロセッサ(ワープロ)のOASYSシリーズと類似したキー配列で、独立した実行キーや変換/無変換キーを備えていた。また、かな漢字変換システム(日本語FEP)としてオアシスかな漢字変換(OAK)をROMで搭載しており、キーボードと併せて同社のパソコン/ワープロに共通した使用感を実現していた。

専用RGBモニタは14インチでトリニトロンを使用し、これらはソニーOEM品であった。複合同期や15/24/31kHzの3つの水平同期周波数に対応していた。ドットピッチ0.39mm/0.26mmの2タイプと、タッチパネル付きの計三機種が用意された。
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