FLMASK
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FLMASK作者Genesis

最新版Version 3.01(32ビット版)、Version 2.70(16ビット版)
最新評価版Version 3.01a(32ビット版) / 1998年9月28日
対応OSMicrosoft Windows
種別写真編集ソフトウェア
ライセンスシェアウェア
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FLMASK(エフエルマスク)は、Microsoft Windows上で動作する写真編集ソフトウェアである。

Windows 3.1およびWindows NT 4.0向け(16ビット版)をFLMASK、Windows 95Windows 98,Windows NT 4.0向け(32ビット版)はFLMASK32と称している。後述する、わいせつ図画公然陳列の幇助罪にて作者が逮捕され、有罪となった事件で知られる。
概要

主にモザイク処理を行うソフトウェアであり、Q0マスク、winマスク、MEKOマスク、FLマスク、CPマスクの五種類のモザイク処理が可能である。JPEGおよびBMP画像に対応しており、JPEG画像のビュワーとしても利用可能。またモザイク処理された画像を再構築することでモザイク部分を復元できる機能がある。
歴史

1996年ミシン会社の社員であった[1]Genesisが開発し、8月に公式のサポート&販売ページにて公開。シェアウェアで価格は1,500円であり、1997年4月までに2万本以上を売り上げた[2]1997年4月11日に作者が逮捕されたことにより、有名なソフト紹介サイトである窓の杜Niftyでの掲載が削除され[3]、また、しばらくの間ユーザー登録ができない状態であったが、1997年6月以降はNiftyでの再配布と送金代行が復活した[4]。なお、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}現在[いつ?]FLMASKを公式にダウンロード購入できるサイトは存在しないようである[要出典]。
FLMASK事件

この事件の背景として、1996年はインターネット上でのわいせつ画像の取締りが厳しく行われ始めた時期であった。1996年2月1日に日本のインターネット史上初めての逮捕者(わいせつ図画公然陳列容疑)が出て以降[5] 、日本国内のサーバーから猥褻画像を配信し逮捕される事件が複数起こっており[6][7]、また、1997年02月には海外のサーバーからの配信者も逮捕されている[8]

そのような中、上記の海外サーバーからのわいせつ画像配信の幇助容疑により、1997年4月11日に作者がわいせつ図画公然陳列幇助容疑で逮捕された[9] 。容疑はFLMASKを開発したことによるものではなく、モザイク処理されたわいせつ画像へのリンクを張っていたことを根拠とするものであったため、リンクを張る行為をもって罪に問えるのかどうかという点で多くの議論を呼んだ[10]。なお、リンクを張る行為自体が罪に問われないことは、1996年10月に猥褻サイトにリンクを張った容疑で逮捕された事件が起訴猶予となったことで当時既に確定していた[独自研究?][11]

2年7か月に渡る裁判の結果、2000年3月30日に大阪地裁懲役1年執行猶予3年の有罪判決が下り、上告しなかったために刑が確定した[12]

2009年10月現在、日本においてソフトウェアの製作者が逮捕された事件は当事件とWinny製作者の2件のみである。また、世界でもソフトウェア開発者が逮捕された例は、韓国のファイル共有ソフトsoribadaの開発者などの数例を除いてほとんどない。
脚注^ 読売新聞 1997.04.12 大阪朝刊 社会 31頁「わいせつ画像ぼかすモザイク外し ソフト販売容疑で会社員逮捕/大阪府警」
^ 朝日新聞 1997年04月12日 朝刊 1面「モザイク消しソフト提供の容疑者を逮捕 大阪府警」
^ https://forest.watch.impress.co.jp/obsolete/topics/1997/04/12/index.html
^ https://forest.watch.impress.co.jp/obsolete/topics/1997/04/19/index.html
^ 朝日新聞 1996年02月01日 夕刊 2社 「インターネットにわいせつ画像提供の疑い 江戸川区の会社員を逮捕」
^ 朝日新聞 1996年09月21日 朝刊 2社 「インターネット利用しわいせつ画流した疑い 新潟の会社員逮捕」
^ 朝日新聞 1996年11月09日 朝刊 1面 「インターネットでわいせつ画像サービス、逮捕(青鉛筆)【大阪】」
^ 朝日新聞 1997年02月11日 朝刊 3社 「わいせつ画像、海外経由もダメ 大阪府警がホームページ開設者を逮捕」
^ 朝日新聞 1997年05月02日 朝刊 2社 「「モザイク消し」ソフトの提供者を起訴 大阪地検 【大阪】」
^ 読売新聞 1997.04.16 東京朝刊 マル 6頁 「マスク処理ソフト提供者逮捕 利用者に波紋広がる」
^ 朝日新聞 1997年01月29日 朝刊 3社「リンク(ルールの行方 ネット社会の入り口で:5)」
^ 朝日新聞 2000年04月21日 夕刊 文化面 「「わいせつリンク」有罪判決をめぐって 園田寿 【大阪】」

関連項目

winny : ファイル共有ソフトであり、開発者が起訴された。1審で有罪、2審で無罪の判決が出ている。

外部リンク

http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/tr1/02otani.html :1999年3月刊行『情報倫理学研究資料集I』のHTML版。付録:事例に事件の記載あり。

http://sonoda.e-jurist.net/data/fl_link02.html :大阪地方裁判所判決全文

http://hp.vector.co.jp/authors/VA013065/index2_j.htmベクター内に残るサポートホームページ。


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