FCGビル
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お台場を象徴するランドマークとなっている。

日本の放送局の本社社屋の中で最も大きいビルであり、日本の民間放送局として最大級のスタジオ床面積(300坪)を持つ。フジテレビが新宿区河田町にあった旧本社ビルから臨海副都心への移転に至った経緯はフジテレビジョン#お台場移転の経緯を参照。
デザイン・構造

建物は縦横の比率を、ハイビジョンテレビの画面の縦横の比率と同じ16:9とした。建物の低層部については公開スペースを1階に設け、主なスタジオを3階に設置するという構造で、高層部については「オフィスタワー」と「メディアタワー」の2棟からなる。この両棟を12階・18階・24階の3フロアーの階にあるコリドール(渡り廊下)で連結する構造となっている。2棟のビルの間にそびえる球体は直径32メートルあり、外装は腐食の心配がないチタン新日鐵住金TranTixxiiチタン[7])で作られている。展望台の役割を持っており、2007年6月のリニューアルの際に「はちたま」という愛称が与えられた。

どこでも放送局を想定した作りのため、各所に電源や連絡端子盤などの放送用設備があり、球体内部にもスタジオ機能(照明・ブラインド・副調整室)を備えている[8]
受賞

1997年 - 第7回
松井源吾賞を受賞(小堀鐸二

案内板・サインPentagram社がデザインした会社の案内板があるフジテレビ広場

本社ビルの案内板・サインのデザインは、デザインスタジオのPentagram社(ニューヨーク)によるものとなっている[9]。1階の広場に設置されている赤い棒状の「FUJI MEDIA HOLDINGS, INC.」(以前は「FUJI TELEVISION NETWORK」「NIPPON BROADCASTING SYSTEM」)の表記や駐車場のゲートサインなどがPentagram社のデザインとなっている[10]
エピソード

レム・コールハースが建設中のFCGビルについて、磯崎新に「あそこに君の都庁が建っているじゃないか。コンペには負けたんじゃなかったのかい?」と勘違いともジョークとも捉えられるコメントを残している。東京都庁舎コンペに招待された磯崎は「錯綜体」案を提案し、結果としてコンペは磯崎の師匠である丹下が勝利を収めたという過去がある[11]

1996年8月から部署ごとに河田町社屋からの移転作業を順次行い、秋からは移転に向けてのトレーニング運用として『めちゃ×2イケてるッ!』や『新春かくし芸大会』など一部の番組収録がFCGビルのスタジオで行われるようになった。さらに同年12月31日の『料理の鉄人』の年越し特番もこのスタジオから生放送された。そして翌1997年3月10日に移転作業が完了し、FCGビルからの放送が開始した。

2011年3月11日の東日本大震災によって余震が続いたこともあり、球体展望室「はちたま」は6月3日まで営業を休止したが、6月4日から営業を再開した。

かつてフジテレビで放送されていたアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では、何かしらの理由でFCGビルが破壊されるエピソードが複数作られている[12]。他局では日本テレビの『ルパン三世』TVスペシャル『血の刻印 ?永遠のMermaid?』の冒頭で、同ビルの展望台を使って飛行機の向きを変えるシーンが登場している。

大会議室前の通路には河田町社屋の模型が展示されている。旧ロゴマーク8(亀倉雄策作)をかたどったモニュメント
提携

大災害等により本建物(フジテレビ本社)が放送の送出が不能となり喪失状態になった場合において、FNNFNS準キー局関西テレビカンテレ扇町スクエア)より全国ネット放送及び関東ローカル放送を行う旨の合意が両社で行われており、過去に南関東直下地震南海トラフ巨大地震を想定した訓練が行われている[13][14][15]。詳細はフジニュースネットワーク#報道特別番組・災害発生時の対応を参照のこと。
スタジオ以外の施設7階から大階段を望む(長さ100m)1階から5階と7階をつなぐチューブエスカレーター(長さ96.5m)フジテレビモール入口(1階)フジテレビショップ「フジさん」やオープンスタジオ「ぽかぽかパーク」がある(7階)

見学スペース・展望室・ショップなどがあり、一般の人でも入ることができるエリアが多数ある(24階・25階は有料エリアで、入場料が必要)。開業当初は飲食店が多く立ち並んでいた[16]

フジテレビ広場(1階)本社屋の正面にあるフジテレビ広場には、インフォメーションセンターやオフィシャルマスコットキャラクター「ラフくん」の噴水(テレビの泉)がある。毎年夏には大型イベントが開催され、イベントステージや飲食ブースが設置される。開業当初は「池広場」という名称で実際に広場の一角に水を張っていた事もある。

大階段地上3階から7階の屋上庭園まで続く大階段で、幅12m、長さ100mある[17]。大階段の右端には上り用のエスカレーターも併設されているが、下り用はない。

チューブエスカレーター地上1階広場から5階(無料見学コース・フジテレビワンダーストリート)と7階(屋上庭園)を結ぶ、長さ96.5mのエスカレーター。パリのポンピドゥー・センターにあるものと同様に、周囲が透明な筒型になっているため、展望も良く、雨に濡れることもない。

フジテレビモール(1階)日本で唯一となる「サザエさんのお店」があり、オリジナルグッズ・お菓子が買えるほか、「サザエさん焼き」の実演販売も行っている。2015年3月から2017年8月31日まで期間限定の「ちびまる子ちゃんカフェ」があり、2018年4月23日から跡地には「タリーズコーヒー」がオープンしたが、現在は閉店している。また、限定オリジナルグッズも販売している「ローソン」、鉄道CGアニメ「チャギントン」のオフィシャルショップ「チャギントンショップ」[18]がある。その他、試写会やイベントが開催される「マルチシアター」がある。テナントはお台場移転から今日までに何度か変わっており、開業当初のテナントはセルフサービスの喫茶店「Cafe Costa」や現在のローソンとは異なるコンビニ「CONVENIENTE TORiAEZ」、神戸屋レストランで、番組に関連した施設は一切無かったが[16]、現在は番組関連の物販施設と飲食施設、ローソンのみとなった。開業から2018年までの名称は「シアターモール」だった。

フジテレビギャラリー(5階)5階にあるイベントスペースで、現在は番組やドラマの展示・イベントなどに用いられている。かつては無料見学コースで、フジテレビの番組グッズや、衣装、疑似セットなどが多数展示されており記念撮影も可能だった。真下に位置するフジテレビ最大のスタジオ「V4スタジオ」を窓越しに見学することもできた(ただし、スタジオの写真撮影は厳禁で、諸事情により窓がカーテンで塞がれている事もあり、見学できない場合もあった)。開業当初の「見学コース」時代は、球体展望室の入場券を購入する事で見学できる有料スペースで、当時は宣材写真などで番組を紹介するだけの内容だったが[16]、「スタジオプロムナード」、のちに「フジテレビきっかけストリート」と名称を変える2003年頃に無料開放されるようになってからは、放送中のドラマに関する展示コーナーや、番組制作の舞台裏やBSフジなどのBS・CSチャンネルなどを紹介するパネル、番組で実際に使用していたものと同じテーブルやソファで記念撮影ができるミニセット、小道具の展示、ボタンを押して効果音やテーマ曲が聞けるなどのブースが設けられている。ミニセットの中には『あいのり』のラブワゴン、『トリビアの泉』のへぇ?ボタンなど番組終了後も長期にわたって展示されるブースもあるが、基本的に番組改編時にはブースの入れ替えが行われていた。その後『フジテレビワンダーストリート』と名称を変えたが、2018年1月9日より営業を一時休止した後、展示物をすべて撤去し、イベントスペースと常設展示の「ガチャピンムックミュージアム」に改装された。

フジさんテラス(7階)7階にある屋上庭園で、一般開放されている。フジテレビ関連グッズを販売している「フジさん」(開業した1997年から2016年12月までの名称は「エフアイランド」)[19]のほか、2023年1月から『ぽかぽか』で使用中のオープンスタジオ「ぽかぽかパーク」[20]がある。2018年からはR-1ぐらんぷりの敗者復活戦の会場にもなっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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