ExFAT
[Wikipedia|▼Menu]

exFAT
開発者
マイクロソフト
正式名Extended File Allocation Table
導入2006年11月 (2006-11) (Windows Embedded CE 6.0)
パーティション識別子

0x07(MBR

EBD0A0A2-B9E5-4433-87C0-68B6B72699C7(GPT

構造
ディレクトリテーブル
領域管理ビットマップ、リンクリスト
不良ブロッククラスタタグ
限度
最大ファイル サイズ

128 PiB(実装上)

16 EiB(理論上)

最大ファイル数2,796,202(ディレクトリ毎)[1]
最大ファイル名長255文字[1]
最大ボリューム サイズ

512 TiB(推奨)

64 ZiB(理論上)[1]

ファイル名の文字/\:*"?<>|とNUL及びUS以外の全てのUnicodeUTF-16でエンコードされる)
特徴
タイムスタンプ作成、修正、アクセス
日付範囲1980年1月1日 (1980-01-01) - 2107年12月31日 (2107-12-31)(ローカルタイム)
日付分解能

10ミリ秒(作成、修正)

2秒(アクセス)

フォーク無し
属性読み取りのみ、隠し、システム、サブディレクトリ、アーカイブ
パーミッションACL(オプション)
透過的圧縮無し
透過的暗号化無し
重複排除無し
対応OS

Windows Embedded CE 6.0

Windows XP SP2 以降[2]

Windows Server 2003 SP2[3]

Windows Vista SP1 以降

Windows 7

Windows 8

Windows 10

Windows Server 2008(但しHyper-V Serverでは非対応)

Windows Server 2008 R2以降

Linux(メインラインカーネルドライバ[4]およびFUSEを利用した実装)

Mac OS X v10.6.5以降

一部のAndroid端末

テンプレートを表示

exFAT(イーエックスファット、Extended File Allocation Table)は、マイクロソフトによって2006年に導入されたプロプライエタリファイルシステムである。USBフラッシュドライブSDカードなどのフラッシュドライブ向けに最適化がされている。

データ構造のオーバーヘッドによりNTFSが適切ではない用途に使用することができる。

32 GiBを超えるメモリーカード規格であるSDXC/SDUCメモリーカードメモリースティックXCの標準ファイルシステムに採用されている。

2019年8月28日、マイクロソフトはexFATの仕様を初めて公開した[1]
歴史

Windows Embedded CE 6.0で初めて導入され、デスクトップ向けにはWindows Vista SP1 で初めて導入された[5]Windows XPWindows Server 2003更新プログラムをインストールする必要がある[2][3]
Windows以外での利用

Macにおいては、2010年Appleにより、SDXCカードスロットの付いたMac miniiMacがリリースされ付属する専用Mac OS X v10.6.4が対応した後、Mac OS X v10.6.5以降で対応している[6]

Linuxにおいては、有志がLinux Kernel Mailing Listにおいてパッチの開発を行っていた[7]が、現在ではTuxera(英語版、中国語版)がマイクロソフトと知的所有権の合意のもと、Linuxシステム向けのドライバを開発している。また、exfatプロジェクトによってFUSEを利用した実装による読み書き可能なexFATドライバが公開されている[8]ほか、FUSEを利用しない実装についても、Dynamic Kernel Module Support(英語版)を利用したカーネルモジュールとして公開されている[9]

2009年12月10日にMicrosoftが特許を保有するexFAT技術のライセンス提供を開始。ただしLinuxへの導入には反対。

2019年8月28日にexFATの仕様が公開され、今後のLinux System Definitionの改定でOINメンバーがexFATの特許を利用できるようにすると発表した[10]。これを受けて、LinuxカーネルにexFATを組み込む作業が開始され、同年11月24日リリースのバージョン5.4においてサポートされた[11]
特徴

従来のFile Allocation Table (FAT) ファイルシステムに対する優位点としては以下のものがある。

大きなディスクサイズに対するスケーラビリティ

理論上の最大ファイルサイズは264バイト (16EiB)。従来は最大 232バイト (4GiB)。

理論上の最大クラスタサイズは2255セクタ。実装上の限界は32MiB

空き領域ビットマップの導入による、空き領域割り当てと削除のパフォーマンス向上。

1つのディレクトリで最大2,796,202のファイル格納をサポート[1]

アクセス制御リストのサポート(Windows Vista SP1/7 RTMでは未サポート)[12]

Transaction-Safe FAT File System (TFAT) のサポート(WinCEでのオプション機能)。

特定のデバイスの特性に合わせてファイルシステムをカスタマイズできるようにするためのOEM定義のパラメータを用意。

UTCタイムスタンプが導入(Windows Vista SP2から[13]

修正時刻のタイムスタンプの分解能が従来の2秒から10ミリ秒になったことによる、いわゆる2秒問題(NTFSなどからファイルをコピーした際に修正時刻が最大2秒ずれる問題)の解決。

従来のFATファイルシステムに対する欠点としては以下のものがある。

exFATを使うデバイスは、Windows VistaReadyBoostを利用できない[14]。なお、Windows 7以降では利用可能[15]

ライセンスが不明確である。なお、MicrosoftはFATの一部に関する特許を取得している[16]

Windows XPにおいてOSをインストールするファイルシステムとしては利用できない。

Windows標準のユーティリティを使用してDVD-RAMをフォーマットすることはできない。ただし、サードパーティ製ツールを使用してexFATフォーマットされたDVD-RAMメディアの読み書きは可能である。

特許.mw-parser-output .refbegin{margin-bottom:0.5em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul{margin-left:0}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{margin-left:0;padding-left:3.2em;text-indent:-3.2em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul,.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul li{list-style:none}@media(max-width:720px){.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{padding-left:1.6em;text-indent:-1.6em}}.mw-parser-output .refbegin-100{font-size:100%}.mw-parser-output .refbegin-columns{margin-top:0.3em}.mw-parser-output .refbegin-columns ul{margin-top:0}.mw-parser-output .refbegin-columns li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}

Vivek P. Kamath, Dennis R. Adler, Ralph A. Lipe, ほか。(1996年11月26日)アメリカ合衆国特許第 7,542,999号
Extended file system。

脚注[脚注の使い方]^ a b c d e Nick Adman (2019年8月27日). “exFAT file system specification”. Microsoft Corporation. 2019年9月3日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:42 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef