E_pluribus_unum
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この詩の102行目は「 color est e pluribus unus 」という、ハーブ・チーズ・にんにくなどの多色が混ざって1つになることを描写した句が使われている[9]
アウグスティヌスは自著『告白』第4巻第8章でこの句をもじった「 ex pluribus unum 」という表現を用いて、かつての友人たちとの友情で多くの魂を一つにしたことを表現している[10]

「 Annuit c?ptis 」「 Novus ordo seclorum 」の句は国璽裏面の図柄に組み込まれているが、「 E pluribus unum 」の句はチャールズ・トムソンがデザインした印章の表側に組み込まれている。
表側の図柄はアメリカ合衆国の国章としても使用され、アメリカ合衆国のパスポートその他の公文書でも見ることができる。
またアメリカ合衆国大統領章副大統領章の他、アメリカ合衆国議会上院章下院章アメリカ合衆国最高裁判所の各紋章にも使われている。
意味

エ・プルリブス・ウヌムの句は伝統的に、「多くの州(もしくは植民地)から1つの国家を生む」と広く理解されてきた。
しかし近年は、
メルティング・ポットのように「多くの民族、人種、宗教、言語、祖先が1つの国家とその国民を形成する」という概念を表すと考えられるようになってきた[11]
硬貨への刻印50セント硬貨(裏面)、1807年

エ・プルリブス・ウヌムが初めて刻印された硬貨は、ニュージャージー州の認可のもと、トマス・ゴーズビーとアルビオン・コックスにより1786年、ニュージャージー州のラーウェイで鋳造された[12]。独立以後ラーウェイは、エ・プルリブス・ウヌムの銘が刻まれた硬貨を作製する最初の造幣局の本拠地となった。

このモットーとニュージャージー州の間にはなんらの関係もなかったが、前年にウォルター・モールドが連邦貨幣の制度を提案して失敗しており、おそらくその際の鋳型を再利用したものと思われる[13]
ウォルター・モールドはまたニュージャージー州により州の銅貨を鋳造する認可も得ており、1787年初め、ニュージャージー州モリスタウンで硬貨製作を開始した。
マサチューセッツ州アクスブリッジ出身のセス・リード中佐は、エ・プルリブス・ウヌムの句を合衆国硬貨に刻印するよう尽力したと言われている[14]
セスとジョセフのリード兄弟は1876年3月、マサチューセッツ立法議会の上下両院に銅貨と銀貨の鋳造許可願いを申請し、「認可された」[15][16]

アメリカ合衆国の通貨に書かれたエ・プルリブス・ウヌムは、ほとんどが大文字である。
ダイム硬貨の裏面など、文字の隙間に関する特殊例もある。
ドル硬貨のように、側面に刻印されている場合もある(流通している硬貨や紙幣を参照のこと)。

アメリカ合衆国財務省によれば、エ・プルリブス・ウヌムのモットーが初めて合衆国硬貨に刻印されたのは1795年のことで、5ドル金貨( half-eagle )の裏面にはアメリカ合衆国の国璽の主要な要素がデザインされていたという。
モットーは1798年に特定の銀貨に刻まれたが、ついで金銀の貴金属を使ったすべての硬貨に刻まれるようになった。
1834年にはモットーがほとんどの金貨で省略され、代わりに硬貨の標準純度が表示されるようになった。
1837年には銀貨で省略され、Revised Mint Code の時代が表示されるようになった。
1873年2月12日制定の法で、合衆国の硬貨の必要条件が決定された。

2007年に作製が始まった大統領1ドル硬貨を含め、現在鋳造されている硬貨のすべてに、エ・プルリブス・ウヌムの句が刻印されている。
大統領硬貨の場合、エ・プルリブス・ウヌムのモットーは、「 In God We Trust 」、鋳造年、ミントマークとともに側面に刻印されている。

2007年には、フィラデルフィア造幣局の品質管理ミスにより、モットーが側面に刻印されていない硬貨が流通した。
この硬貨は現在コレクターズアイテムとなっている。

2009年、2010年、2011年のペニー硬貨の裏面デザインが新しくなり、エ・プルリブス・ウヌムの文字がそれまでよりも大きくなった。
2011年のクォーター硬貨も同様である[17]
その他の使用

1918年以降、
エストニア国防軍の陸軍特別歩兵連隊大隊 Scoutspataljon のモットーとして使用されている。

モットーの変形バージョン「 unum e pluribus 」が、イギリスバークシャー州ウォーキンガム行政区画に使用されている[18]

フレッド・ジュウェルは第一次世界大戦中の1917年に、行進曲「 E Pluribus Unum 」を作曲している。

2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降、公共広告機構テキサス州の広告代理店GSD&Mは、さまざまな人々が「私はアメリカ人です」と繰り返す有名な公共広告を開始した。PSAの終了間際、黒いスクリーンに「 E pluribus unum 」の文字と下部に英訳が表示される[19]

映画『オズの魔法使』で、オズがカカシに E Pluribus Unum 大学の卒業証書を与えている。

テレビドラマ『トワイライト・ゾーン』(シーズン5、エピソード124)では、時を止めることのできる時計を男性が受け取る際に「覚えていて、e pluribus unum 」と言われる。

シオドア・スタージョンの短編集『一角獣・多角獣』の原題は『 E Pluribus Unicorn 』である。

デヴィッド・フォスター・ウォレスは、1993年に随筆『 E Unibus Pluram: Television and U.S. Fiction 』を著している。

スマートフォンアプリ『Fate/Grand Order』の北米を舞台とした第五章のタイトルは『イ・プルーリバス・ウナム』となっている。

脚注[脚注の使い方]^ a b “ ⇒E Pluribus Unum - Origin and Meaning of the Motto Carried by the American Eagle”. Greatseal.com (2011年11月28日). 2012年4月28日閲覧。
^ “ ⇒E Pluribus Unum”. Collins English Dictionary - Complete & Unabridged 10th Edition. HarperCollins. 2012年12月23日閲覧。
^ “ ⇒E Pluribus Unum”. 2012年3月29日閲覧。
^ H. John Lyke (September 6, 2012). What Would Our Founding Fathers Say?: How Today's Leaders Have Lost Their Way. iUniverse. p. 34. https://books.google.co.jp/books?id=HTNZsXe5qawC&pg=PA34&lpg=PA34&dq=De+facto+motto+of+the+United+States&source=bl&ots=lqipTx7Du0&sig=X2TQXAE1Kh62sv6iQZvguII-N2A&hl=en&sa=X&ei=T61CVPzfPKH2iQKLyICIBQ&redir_esc=y#v=onepage&q=De%20facto&f=false 
^ “ ⇒Congressional Record”. Nonbeliever.org. 2011年5月8日閲覧。
^ .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit} ⇒"The Gentleman's Magazine". Encyclopadia Britannica.
^ The Gentleman's Magazine and Historical Chronicle. (1783). https://books.google.co.jp/books?id=VEgDAAAAMAAJ&pg=PR4&lpg=PR4&dq=%22The+Gentleman%27s+Magazine%22+%22e+pluribus%22&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=%22The%20Gentleman's%20Magazine%22%20%22e%20pluribus%22&f=false 


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