2021年の韓国映画については「雨とあなたの物語」をご覧ください。
「ENDLESS RAIN」
X の シングル
初出アルバム『BLUE BLOOD』
リリース1989年12月1日
規格CD
録音Sony Shinanomachi Studio
Sound City Studio
Sony Roppongi Studio
ジャンルロック・バラード
時間16分15秒
レーベルSIREN SONG
プロデュースX
ゴールドディスク
ゴールド(日本レコード協会)
チャート最高順位
週間3位(オリコン)
1990年度年間21位(オリコン)
X シングル 年表
紅
(1989年)ENDLESS RAIN
(1989年)WEEK END
(1990年)
ミュージックビデオ
「ENDLESS RAIN」
「ENDLESS RAIN」(エンドレス・レイン)は、X(後のX JAPAN)が1989年12月1日にリリースした4作目(メジャー2作目)のシングル。X初のバラード曲である。 前作「紅」に続き、メジャー・デビュー・アルバム『BLUE BLOOD』からのリカット・シングルで、X初のメジャーバラードである。初回限定盤はジャケットが横開きのブックレット形式になっており、歌詞とメンバーのプロフィールが掲載されている。 当時Xのディレクターを務めていたSonyMusicの津田直士は、デビュー当時からYOSHIKIの才能は世界中で100年聴かれる音楽を作れると信じてXのメンバーたちとアルバム制作をしていた[1]。津田は、YOSHIKIは作曲家自身の心の震えをメロディにして人を感動させるという選ばれた才能があるとYOSHIKI本人に日頃言い聞かせていた[1]。メジャーキー(長調)の美しいバラードの曲作りを津田からYOSHIKIに持ち掛けて誕生した曲が「ENDLESS RAIN」である[1]。YOSHIKIから新曲が出来たと聴かされたピアノ演奏に、津田は衝撃を受け、シンプルに展開するサビは「こんなにシンプルで人の心を打つメロディを生めるのは、ベートーベンやバッハ、チャイコフスキーと同じ領域」であり、大ヒットを確信した[2]。津田は、「YOSHIKIの心の震えや感情が、そのまま音になっている」から「ENDLESS RAIN」は感動的な名曲なのであると解説している[1]。 ギターソロは、HIDEが作曲した。後年、早くに他界したHIDEとTAIJIに捧げて演奏されることがあった[3]。 初期にNHKの番組でこの楽曲を披露する際、「眠りは麻薬」の「麻薬」の部分は放送禁止用語にあたるため、「眠りは深く」と歌われていた[注釈 1]。 ライブではほぼ必ず演奏され、ファンとの合唱が行われる。『ローリング・ストーン』誌によると、ライブにおける荘厳に訴えかけるバンドの叫びは、QUEENさながらの堂々たる煌びやかな長編であり、ガンズ・アンド・ローゼズの「November Rain」よりも純粋な詩である[4]。YOSHIKIは、ある時のライブの合い間に丁度ピアノが置いてあったのでチャイコフスキーを弾いて、Sony関係者たちからバラードが作れるのか問われたことがあった[4]。尖った髪のヘヴィメタドラマーのYOSHIKIはその時、作りたいわけではないけれど作ることはできると答えたという[4]。 2014年10月のX JAPANのマディソン・スクエア・ガーデン公演において、ダブルアンコール1曲目に「ENDLESS RAIN」を演奏した。2017年1月にYOSHIKIはカーネギー・ホールで単独公演を行い、最終曲は「ENDLESS RAIN」であった。これにより、YOSHIKIはアジア人として初めてロックとクラシックの二大殿堂公演を成し遂げた[5]。2017年3月のウェンブリー・アリーナにおけるX JAPANの公演で「ENDLESS RAIN」はダブルアンコール3曲目に演奏された[注釈 2]。2023年10月のYOSHIKI単独によるロイヤル・アルバート・ホール公演における最終曲は「ENDLESS RAIN」であった[注釈 3]。 2023年9月に公開された音楽ドキュメンタリー映画『YOSHIKI: UNDER THE SKY』のハイライトで世界中のファンがYOSHIKIのピアノ演奏に合わせて「ENDLESS RAIN」を合唱する[9]。 第二次世界大戦後に建国された大韓民国(韓国)は、建国以来反日政策を掲げていた[10]。それに伴い韓国では日本大衆文化の流入制限がかけられていた[10]。 韓国で日本の大衆文化が依然として禁止されていた1990年前後、海賊版カセットテープ販売の露天商たちは「ギルボード・チャート」[注釈 4]と呼ばれる音楽の流行を生み出していた[11]。露天商たちは一般市民の要求に即座に反応して最も売れている人気曲をオーディオ機器から流し、「ENDLESS RAIN」を道端でしつこく流していた[11]。
解説
韓国のヒットチャート