Dr.コトー診療所
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瀬戸上は、僻地医療への貢献により2000年に藍綬褒章を受けている[8]。医療監修は茨木保

長いブランクを経て、2022年12月16日(金)には映画が公開された[9]
あらすじ

五島健助は優秀な医師で、東京の大学附属病院に勤めていたが、とある理由から離島の古志木島の診療所に赴任する。島は3ヶ月の間無医村状態で、過去に良い医師が来たことがなかったからか、あまり歓迎されなかった。また、4ヶ月前から来ていた看護師の星野彩佳から、診療所に来る患者は少なく、来ても応急処置だけを受けた後、船で6時間かけて本土の病院へ行くことを聞かされる。

実際になかなか患者が来ない中、島に来るときに運んでもらった漁師・原剛利の息子が最初の患者となり、これを見事な手術で助ける。原は、お礼として診療所に看板を贈るが、名前を間違えられていて、看板は「Dr.コトー診療所」となっていた。

それ以後、五島は多くの患者の治療とその人柄により、島民の信頼を得ていくことになる。
主な登場人物
古志木島
五島健助(ごとう けんすけ)
主人公。医師。天津堂大学
医学部医学科卒業(一説によると2浪)。専門は外科。東京の天津堂大学附属病院に勤めていたが、医療ミスの責任をとって古志木島にやって来る(ミスで病院を追われてから島に来るまで3年間の空白期間がある。過去にアメリカに滞在していたかのような台詞があったが、空白期間に渡米していたかどうかは、今の所は不明である)。性格は柔和で真面目だが、自分の身の回りのことには無頓着。あてがわれた住まいには帰らず(赴任期間中ずっと放置した結果廃屋となった)診療所でもっぱら寝起きしている。陸海空の全ての乗り物に弱く、すぐに乗り物酔いして嘔吐する。また、暑がり・寒がりであるがクーラーは苦手、カナヅチでもある。また、大の運動嫌いで歩くことさえ嫌がる。さらにはカップ麺好きが祟って隠れ肥満と、まさに「医者の不養生」というに相応しい人物である。原には「あれで腕が悪かったら、最高に情けねえ人間だな」とまで言われた。テレビも見ないせいで芸能人にも疎い。ただ野球観戦が趣味なようで好きな選手は福岡ダイエーホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)の秋山幸二選手である。しかし、医師としては天才的な腕を持ち、手術道具や設備も不十分だった古志木島診療所で、数々の難手術をこなす。島民からは「コトー先生」と呼ばれ、親しまれている。特に患者を気遣って治療方針を決めるため、口の悪い安藤重男も「すごい(立派な医師である)ヤブ」と照れ隠しながらも賞賛している。赴任当初は頼りなさげな風貌やとぼけた言動もあり、また、かつて島にいた医者が揃いも揃って「僻地に飛ばされてくるようなロクでも無い医者」であったことから島民らの医者不信が根強く、周囲との関係もギクシャクしていた。しかし、徐々にその人となりに触れられ、信頼・理解を深めて行くことで絶大な信頼を受けるようになる。怪我や病気を治すだけでは無く、精神的なケアも同時に行う為、星野等には「癒師」とも言われており、本人もそれを目指している。しかし、そんな五島も島民の信頼を失いかけたことが2度ある。1度目は本土から来た巽が五島の過去を暴露したこと、2度目は内(うち)の手術を差し置いて江葉都の招きに応じて島外へ手術に行った際のこと。このため島民との信頼関係については常に気にかけている(ただし、マスコミに関してはまったく気にしていない)。祖父の良庵も医師で、ハワイ在住。祖父は五島にとって目標とする存在の一人である。父親も医療に関連する仕事をしていると思われるが、折り合いは悪いらしい。また、妹を拡張型心筋症で亡くした過去があり、移植された妹の腎臓を巡って江葉都に騙された事もあった。この時点で現在の年齢が30歳と判明する。当初は星野彩佳に対しては信頼・尊敬するナースという意識しかなかったようだが、いつの頃からか大切な存在になっていた。星野が乳癌であることが分かった後、それがはっきりするようになる。手術後、星野にプロポーズするが、承諾の返事を貰えぬまま、翌日島を出て行く星野を黙って送り出すことになる。劇場版では星野と結婚している[10]
星野彩佳(ほしの あやか)
五島と同じ古志木島の診療所に勤務する看護師。古志木島の出身で、五島よりも4ヶ月早く赴任した。初登場時点で看護師歴3年の22歳。非常に気が強く誰にでも思ったことをズケズケ言う性格。かわいい顔に似合わず怒りっぽく、しげとよくケンカする。普段グータラな五島の尻を叩くことが多い。反面、家庭的で炊事・洗濯・掃除と家事においても五島を支えているが、わざわざ作った弁当を腐らせられるなど、報われないことが多い。五島に好意を持つようになるが、第1部ではいずれ本土に帰ってしまうだろうと考えており、恋愛対象としては意識すまいと決め込んでいた。村長らは五島に島で医師を続けてもらうため2人の結婚を望んでおり、夜に自宅に押しかけて頼み込まれたことがある。島民の希望も同じで、よく2人の仲を冷やかされている。将来は看護以上の仕事をしたいため、医師免許をとろうと考えていた。中日ドラゴンズのファン(作者の山田貴敏も大のドラゴンズファンである)。何度か乗物酔いした五島に、頭からあらぬものを浴びせられるという不幸に見舞われている。五島の治療の仕方に最初は戸惑いながらも次第に優秀さを発揮し、時には無茶な手術をする五島を見事にサポートしていく。第2部では乳癌であることが発覚。手術は成功し、現在療養中だが、今後5年間での生存率は50?70%。五島から婚約指輪を受け取るも返上し、医師になるために島を出て行った。しかし、学業が思うように伸びず、また病後の後遺症により生命に不安を感じるようになり、あの出来事をきっかけとして、医大進学を断念して島に戻る。亡き母親も看護師だった。父親の正一は星野と母をおいて別の女性と島を出て行ってしまったが、後に大病を患って戻ってくる。古志木島診療所復帰後は、二人を結婚を応援するミナの期待を裏切るかのように、第1部のような雰囲気に戻った。劇場版では五島と結婚し、妊娠している[10]
仲依ミナ(なかい みな)
星野の病気療養中に、診療所に赴任した准看護師。愛称は自称「ミナチン」でお転婆系だが、アイドルタレントの愛称を意識した当人のイメージとは別に、素朴で流行とは無縁な島民からは苦笑いや赤面を向けられている。本人は意に介さず、アイドルさながらに振舞っている。20歳を過ぎているものの、童顔で女子高生くらいにしか見えない。ただ准看護師としては、手術中の血を見て倒れたり、注射が下手だったりと、精神的にも技術的にもまだ未熟である。星野を立派な先輩とみなしており、彼女のように五島のサポートをできるようになるのが目下の目標で、「出来ることからコツコツと」という信条も発揮している。常に患者目線で考え、その姿勢は五島でさえ見習うほどである。五島が星野に贈る筈だった指輪に何度も指を通しているらしい。星野に対していつもしつこく五島との仲を訊いてくるので、星野にとっては芦田ゆきと違った点で悩みの種である。実は既婚者で、夫・柚原のDVに悩まされていた。本名は柚原ミナだが、就職に際しては旧姓で通した。血液型はAB型のRh-と極めて珍しく、柚原とは血液型が同じということから親しくなった。柚原の詐欺行為に荷担させられていたことを悔い、夫から逃れてやり直すために島に来た。夫は逮捕の間際に自分の欄にだけサインした離婚届を残していくが、ミナが離婚に応じたかどうかは不明。また、小学生の時に自動車事故で両親が他界している。星野が島に戻ってからはいきなり格の違いを見せつけられ、自信を失いかけていたが、石川が去った後の北志木島の看護婦となることを決意し赴任する。
原健裕(はら たけひろ)
五島に憧れる少年。小学生の時、急性虫垂炎で死にかかったところを五島が船上で手術して一命を取りとめる(五島の島民手術第1号)。中学生になってから心臓病の持病があることが判明したが、五島の手術(ロス手術)により回復。五島に憧れており、将来の夢は医師。当初の学業成績は良くなかったが、医師を志すことにより、現在は全国模試で18位をとるなど成績優秀。その甲斐あって、九州の難関校である私立皆洋高校に合格した。
宮澤邦夫(みやざわ くにお)
健裕の同級生で親友。通称「クニちゃん」。快活な島の少年で五島とは早くから打ち解ける。学業はダメだがスポーツ万能。性格容姿共に良いためか女子にモテる。奥田悠子に好意を持っていたが「悠子のこと好きだけど、お前(健裕)ほどじゃない」と言って健裕の恋を応援していた。中学の頃は北志木島の和泉亜耶と仲良くなり、その後は付き合っていたがお互いの進路が異なるため別れた。更には年上の仲依ミナと仲良くなり、仕事や夫の事で悩む彼女の支えとなる。中学卒業後は進学せず、漁師となるため剛利に弟子入りする。その後、剛利が島を去ることになり、北志木島の漁師に預けられる。健裕と同様にドラマ版では名前が異なる。
原剛利(はら たけとし)
漁師。健裕の父親。朴訥で融通も利かず、漁業組合でも浮いてしまいがちな性格だが、漁師としての腕は良く、また性格も一本筋が通っているため、事ある事に対立している漁労長からも一目置かれている。不器用ながらも亡き妻と健裕に対する愛情も深い。妻を島の前の医師の診察ミスで亡くしており、医師に不信感を持っていたが、無茶な方法ながら息子を救われてからは島に来る医者を快く思わない島民の中では最初に五島を信頼するようになる。五島の名字を「コトー」と勘違いして診療所に「Dr.コトー診療所」の看板と大漁旗を寄贈した。船の名前は「はらたけ丸」(テレビドラマでは剛宝丸)。健裕の進路を巡り、再三船を処分しようかと悩んでいたが、私立で学費の高い皆洋高校に進学したことで、遂に島を出てマグロ漁船に乗る。
内つる子(うち つるこ)
通称「内さん」。産婆歴50年のベテラン。とても元気なお婆さん。伝統的な煎じ薬を作っていて、五島以前の医者がいいかげんであったことから、診療所に来る医者などロクな者ではないと見限っていた。夫は既に他界。本土に一人息子がいる。腹部大動脈瘤狭心症を患ったが、五島に命を救われたことから信頼するようになり、原とともに五島や星野を精神的に支えている。時々は診療所を手伝っているが、同時に診療所の医者に懐疑的な島民との間のクッション役にもなった。重とは喧嘩友達。彼女の作る煎じ薬は島民に信頼されており、大病を患った際には島民大勢が駆け付けている。息子を助けるために島を出て、息子夫婦や孫たちと同居生活を始めるが、嫁と折り合いが悪く、新しい生活に馴染めず、徘徊などの症状が出てしまう。島に戻ってからは健康を取り戻した。第3巻の時点から、五島と星野の仲を見抜いていた。また、かつて診療所の医師だった古川とは恋愛関係にあったとかなかったとか。
安藤重男(あんどう しげお)
漁労長。通称「しげさん」。お調子者で口が悪く、変なところで頑固な老人。目先の小さな儲け話に安易に乗る、騙されて損することが多い。五島のことは「ヤブ」と呼んでいる。最初のうちは島に来る医者に懐疑的で、本気で「ヤブ」と呼んでいた。後に立派な医師であることを度々目の当たりにしても、相変わらず「ヤブ」呼ばわりするのは、腕が悪いという意味ではなく、ある種の親しみを込めたニックネームのようなものと思われる。妻は既に他界。息子と娘がいる。息子の伸幸はカメラマンで、父の船に同乗している最中の爆発事故により、腕が吹き飛ぶ重傷を負ったが、五島による腕の接合手術を受け、一命をとりとめ、後に報道写真の第一人者と呼ばれるにまでなった。敵対する相手には地位を利用して村八分まで画策することもある。しかし、漁をめぐり反りが合わなかった原に対して、健裕が本土で大動脈弁狭窄症手術をした際には、村祭りを中止してその費用を手術代にすることを提案したり、健裕の皆洋高校入学費用で悩んでいた際には、医者になったら島に赴任することを条件に、漁協への補助金を使うよう勧めたりと、懐の広さを見せた。「青年」団の顧問でもあるが、もう高齢なので、しょっちゅうからかわれている。船の名前は「第一しげ丸」。モデルは古志木島のモデルとなった島の漁師。


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