この項目では、テレビドラマについて説明しています。一日のうちで主要な食事については「夕食#ディナー」をご覧ください。
dinner
ジャンルテレビドラマ
企画鹿内植(編成企画)
脚本黒岩勉
田辺満
小川真
演出星護
土方政人
城宝秀則
監修落合務(スーパーバイザー)
出演者江口洋介
倉科カナ
松重豊
袴田吉彦
関めぐみ
志賀廣太郎
柴本幸
池津祥子
越村友一
町田宏器
『dinner』(ディナー)は、2013年1月13日から3月24日までフジテレビ系「ドラマチック・サンデー」枠(毎週日曜日21:00 - 21:54〈JST〉)で放送された日本のテレビドラマ。
主演は江口洋介。架空のイタリアン・レストラン「Ristorante Roccabianca」(リストランテ・ロッカビアンカ)を舞台とする群像劇[1]。
2013年春改編に伴い、ドラマチック・サンデー枠を廃止し、バラエティ番組に復することが決まったため、本作品はドラマチック・サンデー枠の最終作品となる[2][3]。
キャッチコピーは「ひとつまみのスパイスが、人生をもっと美味しくする。」
あらすじ詳細は「#サブタイトル・エピソードリスト」を参照
予約3カ月待ちの人気イタリアン・レストラン「Ristorante Roccabianca」(リストランテ・ロッカビアンカ)。30年前の開店以来、北イタリアの郷土料理をメニューに据え、日本におけるイタリア料理の巨匠であるオーナーシェフ・辰巳日出男の下、彼を敬愛する腕利きの料理人たちが、一丸となって店を切り盛りしていた。
そんな折、日出男がくも膜下出血で倒れる。オーナーシェフ不在の中、日出男の娘で「Roccabianca」の支配人である沙織は、営業継続を決断する。ところが、日出男が紡ぎだすイタリア料理に魅了されていた常連客が次々と去っていき、従業員の給料が払えなくなるまで売り上げが落ちこみ、店の将来に見切りをつける従業員も出る。
沙織はさらなる決断として、新料理長を招くことを決める。オファー先は、日出男の若き日の修行先である、トリノの有名店「TERESA」(テレーザ)に在籍していたもうひとりの日本人・江崎究。だが彼は、その手腕は確かであるものの、性格や料理観などのすべてが、日出男とは大きく異なっている人物であった。
かくして、地に堕ちつつあった「最高のレストラン」に、「最低のシェフ」が救世主として現れることとなった。 *はRoccabiancaの常連客。
出演
Ristorante Roccabianca
主要人物
江崎 究(えざき もとむ) (45) - 江口洋介
料理長。辰巳と同じくトリノの「TERESA」(テレーザ)で修行していた。その後、ヨーロッパ各地を渡り歩きながら料理を究め、帰国後は調理師を斡旋する派遣会社に登録し、有名な一流料理店から下町の食堂まで、様々な店を渡り歩きながら調理の仕事をしていた所を沙織にスカウトされた。技術・意識・姿勢の全てに渡り高度なプロフェッショナル精神の持ち主であり、恣意的な料理の腕と発想力で客の期待を上回る旨い料理を産み出す。完璧な味・旨さを追求し、現状維持を否定し常に進化し続けることがプロの料理人の使命であることを信念としている。しかし一方、そのプロ精神が過剰なゆえに完璧主義かつ厳格な性格であり、職場の人間関係には無頓着、足手まといと判断したシェフを容赦なく攻撃するため、国内の名店にヘッドハンティングされても、長続きしなかった。「Roccabianca」においても相変わらず完璧主義を貫いており、数馬や大樹などからは影で「料理オタク」と呼ばれ、他スタッフからの非難や他スタッフとの衝突もあるが、女性シェフであるはづきや、前科のある浜岡にも偏見や特別視することなく接するなど、次第に人間味のある一面も見せるようになる。前述の信念のため、食材のクオリティも大切にしており、高級食材を使うために経費が嵩むことで食材への金遣いでも非難を持たれているが、結果的に客を満足させる料理を提供できて商売繁盛に貢献していることで、他のスタッフに見直されている。
辰巳 沙織 (26) - 倉科カナ
支配人(ディレットリーチェ)。日出男の一人娘。明るく前向きで直向きな性格だが、時々それが空回りすることもある。幼少時に母親が病死して以来、「Roccabianca」を手伝いながら、ほとんどの時間を店で過ごしてきた。スタッフになってからも持ち前の外向性で、客やスタッフに親しまれ、2年前から支配人に就任するが、オーナーの娘だからと密かに見下す者もいるため、周囲の目を気にしていた。その為、江崎からは若干小馬鹿にされていたが、店の名誉よりも客のことを守る姿勢を貫いたことで支配人として認められるようになる。
瀬川 壮一 (42) - ユースケ・サンタマリア
給士長(カーポ・カメリエーレ)。18歳の頃から、厨房の下働きとして働き、現在は給仕・経理を務める。レストラン内では沙織の目の行き届かない場所まで上手にフォローし店が円滑に回っていくように支えており、そのサービス精神には浜岡同様、江崎に一目置かれるほどである。だがその一方で私生活では多額の借金に苦しんでいた。妻と娘の3人暮らし。沙織のことは幼い頃から知っており、彼女の良き理解者にして、相談相手でもある。
辰巳 日出男 (63) - 風間杜夫
オーナーシェフ。沙織の父。江崎より前に「TERESA」(テレーザ)で修行していたが、合理的な江崎とは反対に「料理は愛情である」をポリシーとしている。帰国後、「Roccabianca」を開店し、伝統的な本格イタリア料理を提供したシェフとして有名で、レストラン業界の間では「シーザー」と呼ばれ敬愛されている。寛大な性格で、スタッフにも慕われていた。くも膜下出血で倒れる。
キッチン
今井 耕助 (46) - 松重豊
副料理長(セコンド・シェフ)。誠実な性格だが、意外にも天然だったり、お茶目な一面もある。辰巳を尊敬し、そのポリシーを貫く。江崎が店に来たことで一時は自信を無くし、舞い込んできたヘッドハンティングの話に乗りかけてしまうが、江崎と協力して辰巳の考案していた新メニューを完成させたことで自信を取り戻し、以降は江崎にも比較的従順な態度を見せるようになる。
夏野 大樹(なつの だいき) (38) - 袴田吉彦
魚・肉料理担当(セコンドピアット)。非常に楽天家な性格。食べることが好きという理由で料理専門学校に入学して、そのまま料理人となった。妻と娘の3人暮らしだが、実は恵理子と不倫している。少々虚言癖の気があり、妻の愛美には「Roccabianca」の料理長になったと嘘をつき、恵理子には家族仲は冷えきっていると話していたが、実際には順風満帆で、これらの嘘が後々に騒動の原因となってしまう。
木村 数馬 (43) - 八嶋智人(少年期:溝口怜冴)
パスタ・リゾット担当(プリモピアット)。幼い頃に両親が離婚、母親に引き取られるも高校生の頃に失踪し、妹を養うべく退学して、料理屋でアルバイトしながら、妹を短大まで卒業させた苦労人である。悲観的でありながらプライドは極めて高く、人に厳しく自分に甘い。女性である沙織やはづきを見下しているが、沙織に対しては料理評論家 朝倉の一件、はづきに対しては彼女に関する父親の一件が落ち着いてから、それぞれオーナー、女性シェフとして認めるようになる。妻から突然離婚を切り出され、子供の親権問題で揉めていたが、料理人としての情熱を取り戻し、妻と和解する。
武藤 はづき (31) - 関めぐみ[4](少女期:遠藤璃菜)
パスタ・リゾット担当(プリモピアット)。勝気な性格。厳格な父親の教育方針に反発して、高校卒業後に家出同然で上京。生計を立てる為に「Roccabianca」で働き始め、必死に修業を重ねた末、店で唯一の女性シェフとなった。父親が起こした事件で警察にマークされていた。
浜岡 孝太郎 (58) - 志賀廣太郎
オードブル担当(アンティパスト)。店の古株。口数は少なく常に控えめに徹しているが、鋭い洞察力を持っている。懐が深く、重みのある言葉を発し、人生を達観した所がある。スタッフ達の良き理解者、相談相手でもあり、江崎も彼に対しては敬語で話し、料理に関してアドバイスを求めるなど一目置いている。美的感覚の鋭さで、盛り付けにはこだわりを見せる。