Darwinは1989年に最初にリリースされた、NeXTのNeXTSTEP OS(バージョン4.0からはOPENSTEPとして知られる)に起源を持つ。1997年のAppleによるNeXTの買収後、次期のOSはOPENSTEPをベースに開発されることがアナウンスされた。これは同年にRhapsodyとなり、1999年には、Mac OS X Server 1.0、2000年には、Mac OS X Public Beta、そして2001年にはMac OS X 10.0に開発された。Mac OS Xのコアコンポーネントは、Apple Public Source Licenseの下、Darwinとしてオープンソースでリリースされているが、CocoaやCarbonのようなより高次のコンポーネントはクローズドソースのままとなっている。
Darwin 8.0.1までのバージョンでは、Appleは、ISOイメージの形でバイナリインストーラーを提供していた[10]。これはMac OS Xのメジャーリリース後に、PowerPCとIntel x86システムでDarwinをスタンドアロンのOSとしてインストールできるものであった。Darwinは現在、ソースコードとしてのみ利用できる[11]。ただしこれは、ARMアーキテクチャによるものを除いてであり、ARM向けDarwinはiOS、watchOS、tvOSから分離されてはリリースされていない。ただし、趣味的な開発者が公式のDarwinのソースコードをARMにポートしたwinocmがある[12]。 以下は主なDarwinのリリースと、それに対応するmacOS (Mac OS X / OS X) の表である。[13] 対応するmacOSは異なる日にリリースされたかもしれないことに留意し、それらのリリース日についてはmacOSの個別ページを参照。 バージョンリリース日対応するリリース説明
リリース履歴
0.11999年3月16日Mac OS X Server 1.0
1.0.21999年11月10日Mac OS X DP2
1.12000年4月5日Mac OS X DP4
1.2.12000年11月15日Mac OS X Public Beta
1.3.12001年4月13日Mac OS X v10.0
1.4.12001年10月2日Mac OS X v10.1"起動時間、リアルタイムスレッド、スレッド管理、キャッシュフラッシング、プリエンプションハンドリング"に対するパフォーマンスの改善。SMB、Wgetを置き換えるcURLのサポート。[14]
6.0.12002年9月23日Mac OS X v10.2 (Darwin 6.0.2)GCCを2から3.1にアップグレード、 IPv6とIPSecのサポート、mDNSResponder service discoveryデーモン(Rendezvous)、CUPS, Ruby, Pythonの追加、HFS+でのジャーナリングのサポート(Darwin 6.2)、プログラムをより速く起動するためのアプリケーションプロファイル(pre-heat files)の追加。[15]
7.02003年10月24日Mac OS X v10.3FreeBSD 5に対応したBSDレイヤー、自動デフラグメンテーション、hot-file clustering、HFS+でのcase sensitivityオプション、read-onlyなNTFSのサポート。デフォルトのシェルをtcshからbashに変更。(Darwin 7.9).[16]
8.02005年4月29日Mac OS X v10.4
Mac OS X for Apple TV (Darwin 8.8.2)安定的なカーネルプログラミングインターフェース、よりきめ細かいカーネルロック、64ビットBSDレイヤー、launchdサービス管理フレームワーク、拡張ファイル属性、アクセス制御リスト、cpやmvなどのコマンドを拡張属性やリソースフォークが保持できるようにアップデート。[17]
9.02007年10月26日iOS 1.0 (Darwin 9.0.0d1)
Mac OS X v10.5完全なPOSIX準拠、階層的プロセススケジューリングモデルの改善、動的メモリ確保のスワップファイル、(ファイルやプロセスに対する)動的なリソース制限、プロセスのサンドボックス化、アドレス空間配置のランダム化、DTrace tracing framework、ファイルシステムイベントデーモン、ディレクトリハードリンク、Apache 1.3とPHP 4をそれぞれApache 2.2とPHP 5にアップデート、ZFSのサポート。