DVD-Video
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ただしシネマスコープ・ビスタサイズなど16:9よりも横長な映像は垂直480本の解像度の一部しか利用できない(NTSCの場合。PALは576本)。詳細は画面サイズを参照。

ディスクが指定するアスペクト比と再生環境を合わせるため、DVDプレーヤーにはレターボックススクイーズの機能が搭載されており、スクイーズするかどうかはDVDに記録されている。16:9のテレビで映画を再生する場合、上下に黒帯を付加して全体を表示する(レターボックス)かスクイーズかを選択する。ただし映像ソフト側でパンスキャンを許可しないものが多く、これらは強制的にレターボックス表示となる。

16:9型のテレビ等で4:3の映像を再生することはDVD-Video規格の上では考慮されておらず、プレーヤーとテレビ等のどちらかで左右の端に黒帯を付加する処理(ピラーボックス)を行う必要がある。
音声

標準でドルビーデジタル (AC-3)2chおよび5.1ch信号、オプションでPCM、DTSMPEG Audio Layer-2 (MP2) なども利用可能である。地域によって、その他の音声フォーマットにも対応する。全てのプレイヤー上で再生できる音声コーデックはドルビーデジタルとPCMのみである。

PCMの量子化ビット数は16bit/24bit、サンプリング周波数は48kHz/96kHzが利用可能であるためCD(16bit・44.1kHz)より高音質となる。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ただし24bit・96kHzはほとんど利用されていない。[要出典]

複数の音声を同時に収録することができるマルチ音声収録が可能、ただし非圧縮PCM音声でステレオを超えるマルチチャンネルを収録することはできない。

再生時にユーザーが好みの音声1種類を選ぶ。規格上は8ストリームまで利用可能でそれぞれのストリームに1ch、2ch、5.1chなどの音声を割り当てられる。例えば2チャンネルステレオをPCM、5.1チャンネルのサラウンド音声をドルビーデジタルまたはdtsで収録する。また海外の映画作品などの場合、
原語

日本語吹き替え

コメンタリー音声(出演者・スタッフなどによる場面解説)

といったものが多い。これにより海外の映画作品がVHSでは「字幕スーパー版」「日本語吹き替え版」と2種類のソフトを発売しなければならなかったり、「字幕対応版VHS」を字幕受信に対応したビデオデッキで再生する必要があったが、DVDなら1本に両方とも収録できるようになった。Blu-ray Disc以降ではプレイヤー側の設定地域(リージョンとは異なる)により設定に使用できる字幕・音声・アングルの数を制限したり、音声信号を最初に設定した言語で制御したりすることが可能となった。

市販のDVDレコーダーでは、DVD-Videoフォーマットでのマルチ音声収録に対応したものは2009年現在発売されていない。加えて、DVD-Videoフォーマット規格では再生専用機でも含めて音声チャンネルの左右切り替え再生を許容していないことからDVDレコーダーを用いた場合、テレビ放送の二ヶ国語放送(多重音声放送)をDVD-Videoフォーマットで二ヶ国語再生が可能な形式の記録は不可能になっている(DVD-VRフォーマットでは可能。後述も参照のこと)。
字幕(サブタイトル)

映像データとは別に字幕専用のデータを収録し、映像と重ね合わせて表示する(再生機器側の機能)ことが可能である。再生機器のリモコンなどで字幕表示のON/OFFの切り替えが可能。ただし収録コンテンツの製作過程で映像データと一緒にデジタルデータ化されているテロップ・字幕の場合はこの機能を用いていないので、ON/OFFは不可能(日本語字幕を参照のこと)。字幕は画像データであり、DVDの中のデータの画像を表示する機能でありため、実装時はDVDの容量を負担することになる。
マルチアングル

1つの場面に対して複数の映像を収録し、ユーザーが切り替えて楽しむことができる。例えば音楽ライブ映像でカメラの位置を切り替えながら鑑賞するといったことが可能になる。ただしこの機能は莫大なディスク容量が必要になることから、日本のアニメ映画でラフ画と実際の放映時の映像を交互に切り替えながら視聴する際などに用いられる場合がある。ブルーレイではディズニー作品で音声設定を変更したときに自動でアングルが変更されるので頻繁に用いられる。
チャプター、タイトル

シーンの区切りにチャプターを設定することが可能。リモコンのチャプタースキップボタンやメニュー(後述)で好きな位置に移動することができ、VHSやレーザーディスクなどに比べて高い操作性・ランダムアクセス性を持つ。

また、1枚のDVDに複数のタイトルを収録することができる。例えば特典映像には本編とは別のタイトル番号が割り当てられる場合が多い。
メニュー

チャプターを一覧表示し、好きな場面に瞬時に移動できるといった機能を持つメニュー画面を組み込むことができる。メニューには静止画だけでなく動画(モーションメニュー)を使うことも可能。メニューが適切かつ便利でなければソフトの魅力を大きく損なう場合があり、DVD-Videoの重要な要素の一つである。全てのDVDメニューは無音のメニューである場合も、一定時間が経過するとメニュー画面が自動的にリロードされる。

メニューの双方向機能をさらに発展させてゲームブックのような構造を用いたDVD-Video形式のゲームソフトを制作することも可能であり、主にアダルトゲームの分野でDVD PlayersGameと呼ばれるソフトが市場に出回っている。また、アニメDVDのおまけ要素として3択クイズを再現して収録したものも存在する。Blu-ray DiscUltra HD Blu-rayではメニュー画面のUIがさらに高度かつ高画質なものに改良されている。


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