DVD-VR
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デジタルテレビ放送では殆どの場合、著作権保護の観点からコピー制御情報(コピー・ワンスダビング10などを参照の事)が付加されて放送されている[5]。この情報が付加された放送番組を記録するには、必ずCPRM (Content Protection for Recordable Media) と呼ばれる著作権保護技術に対応したメディアが必要である。DVDメディアにおいては、DVD-VRモードでしかCPRMへの対応が認められていない。

コピー制御情報が付加されたものをDVDに記録する条件は「メディアがVRモードで、かつCPRMに対応していることが必要である」という説明をしばしば見かけるが本来はCPRMにさえ対応していればどんなメディアでも記録可能であり、VRモードである必要はない。ただしDVDにおいてはCPRMへの記録はVRモードにしか認められていないため、結果的にCPRMに対応しているDVDメディアは必ずVRモードにも対応していることになる[6]


DVD-RAM (VR) にはファイナライズの概念は導入されていないが、DVD-RW (VR) やDVD-R (VR) にはDVD-Videoモードの場合と同様にファイナライズの概念が適用されている。ただしDVD-Videoフォーマットを使用した場合とは異なり、一般的にはファイナライズ処理は必須にはなっていない[7]

DVD-Videoと比較したデメリット

DVD-Videoとは異なるフォーマットであり、規格の策定もDVD-Videoフォーマットよりも後発であったため、当初は標準的な
DVDプレーヤーでは再生できないという互換性の問題があった[8]。しかし、後に、機器に搭載するディスクドライブに多種類のディスク規格に同時に対応したものが増え、それによりVRモードにも標準対応したDVDプレーヤーが増えていった。(例:PlayStation 2など)

再生機器によってはCPRMに対応していないためデジタル放送を録画したディスクが再生できない機種もあり、注意が必要である[9]


音声ストリーム数、副映像ストリーム数、記録するデジタルデータのビットレート上限値などの数値規格がDVD-Videoより若干低い(詳細な比較については、DVD-Video、DVD-VRそれぞれの規格表を参照)。

その他の相違点

メニュー機能に関して

DVD-Videoモードではメニューのプログラム自体をデータとしてディスクのアプリケーションに組み込む方法を採っているが、DVD-VRモードの場合はアプリケーションとして収納したプログラムの数値データを組み込むだけでそれをどのようにメニュー表示するのかは再生機側の機能に依存させる方法を採っている。そのため、格納する数値データの種類もDVD-Videoモードに比べて自由度が大きい(プログラムの説明文やサムネイルのデータなど)。



ファイルシステム

メディアのファイルシステムとしては、UDF 2.0を採用。


規格仕様

ビデオ用フォーマットの規格としては基本的にはDVD-Videoの規格仕様にほぼ近いものであるが、若干異なっている。以下にその仕様を整理する。

解像度

NTSC

Full D1:720×480

Cropped Full D1:704×480

3/4 D1:544×480

2/3 D1:480×480

Half D1:352×480

SIF:352×240(MPEG-1専用)


PAL

Full D1:720×576

Cropped Full D1:704×576

3/4 D1:544×576

2/3 D1:480×576

Half D1:352×576

SIF:352×288(MPEG-1専用)



多重化ストリーム

符号化方式:MPEG-2プログラムストリーム

最大多重化レート:8Mbps


映像ストリーム

ストリーム数:1

符号化方式:MPEG-1/MPEG-2

最大レート

MPEG-1:1.856Mbps以下

MPEG-2:7.80Mbps以下



音声ストリーム

ストリーム数:2

符号化方式:リニアPCM/Dolby Digital (AC-3) /MPEG-1オーディオ/MPEG-2オーディオ

詳細(サンプリング周波数/量子化bit/レート/ch数)※それぞれ最大値

リニアPCM:48kHz/非圧縮 (16bits) /1.536Mbps/2ch

Dolby Digital (AC-3) :48kHz/圧縮/488kbps/5.1ch

MPEG-1 Audio Layer-2:48kHz/圧縮/384kbps/2ch

MPEG-2 Audio Layer-2:48kHz/圧縮/912kbps/7.1ch




副映像(サブピクチャ)ストリーム

ストリーム数:1

符号化方式:ランレングス符号化ビットマップ(2bit/ピクセル

最大データサイズ:52kB

最大画素

525/60システム:720×478

625/50システム:720×537



その他

VRモードで記録した動画を編集・管理する
ソフトウェアとして、パナソニックの「DVD-MovieAlbum」が有名である(なお、これはハードウェア付属ソフトウェアとしての限定提供である)。

当初はVRモードで録画できる市販メディアはDVD-RAMとDVD-RWに限られていたが、2004年にVR録画に対応したDVD-Rメディアとそれに記録できるDVDレコーダーが登場した(規格上は、規格策定当初から存在していた)。

関連する規格
DVD+VR
DVD+RW・DVD+Rメディアで使用するフォーマット。DVD-VRとは関連性がない。DVD-Videoのフォーマットに準拠し、カット編集などを行った後でもDVD-Videoとの互換性を保つのが特長。パソコン向けDVD+RW/+Rドライブを使ってディスクにダイレクト録画・編集できることを売りに
リコーが推進したが、ほとんど普及していない。
DVD-SR
デジタル放送などのストリームを記録するためのフォーマット。製品化されていない。
DVD-AR
DVD-Audioフォーマットに準拠した、主に音声を記録するためのレコーディングフォーマット。製品化されていない。
BDAV
BD-RBD-REなどの書き込み式Blu-ray Discで利用されているアプリケーションフォーマットの一種。
HD DVD-VR (HDVR)
記録型HD DVDで用いられたビデオフォーマット。
HD Rec, AVCREC
ハイビジョン映像がDVDに記録できないDVD-VRの欠点を克服するためのフォーマット。それぞれHD DVD陣営・Blu-ray Disc陣営が採用した。
脚注[脚注の使い方]^ アプリケーションフォーマットとして適用された最初のDVDメディアはDVD-RAMで、後にDVD-RW、DVD-Rに順次適応が拡大した。


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