DVD-R
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しかしDVD-RAM陣営は1999年6月、これを上回る片面4.7 GBのVersion 2.0規格の決定を発表した[24]。ソニー、フィリップス、ヒューレット・パッカードの3社を中心とするDVD+RWアライアンスは、独自の対抗規格として同等の容量を持つDVD+RWを策定している。

DVD-RAM陣営はドライブの製造メーカーとしてはパナソニック、日立LGデータストレージ東芝サムスンストレージ・テクノロジーなどが、テレビの録画用DVDレコーダーとしてはパナソニック、日立、東芝、日本ビクターなどがあった。2006年4月にはパイオニアも加わった。このうち日立・日本ビクター・パイオニアはカートリッジタイプのディスクは使用できなかった[注釈 5]

2003年の時点では記録型DVDとしての世界シェアは約10 %、日本国内ではレコーダーの普及により約60 %のシェアを持っていた。2001年発売されたApple Power Mac G4 にDVD-RAMドライブがオプションでラインナップされたことにより、一時的にシェアが増大したこともある。[要出典]しかしその後日立と日本ビクターが民生用DVDレコーダー事業から事実上撤退し、2007年12月以降はパナソニック・東芝の2社のみとなった。

そもそも、東芝はDVD-RAM陣営であるにもかかわらず再生専用機ではDVD-RAMへの対応を行っていなかった。これは、同社のDVDプレーヤーの大半がオリオン電機(社名変更を経て清算済)などからOEM供給されたものであったためである。自社生産品であるHD DVDプレーヤー「HD-XA1」では対応していたものの、CPRMには対応していなかった。Blu-ray Discレコーダーでも再生のみの対応となっている。パナソニックも車載用機器では対応していなかった。また海外では当初からDVD-RWに対して劣勢であり、メディアの価格が下がらなかったのもシェアを落とす理由のひとつと言われる[要出典]。

最近[いつ?]の傾向としてパイオニア、NECなど今までDVD-RAMに対応していなかった複数のメーカーからDVD-RAM対応のドライブ(パイオニアの場合はDVD-RAM録再対応のDVDレコーダーも登場。ただし、2006年4月以降の新機種から)が発売された。ランダムアクセスが可能でありデータの書き込みに専用ライティングソフトが不要である。

パナソニックは市場規模の縮小を理由に、2019年5月末で録画用DVD-RAMの生産を完了した[25]

メディアの規格は基本的に他のDVD規格に準ずる。両面メディアが存在するなど仕様は複数あり、容量は片面1.46–4.7 GB、両面2.92–9.4 GB。2層タイプは製品化されていない。8 cmディスクはVersion2.1より設定された。

当初はディスク保護のためカートリッジ入りでそこからメディア円盤の取り外しができない規格のみだったが、後にメディア取り外しが可能なカートリッジ型が登場し、さらに記録面の耐久性が改善されたことにより安価な[要出典]カートリッジ無しタイプも販売されるようになった。現在[いつ?]ではドライブ、メディア共にカートリッジなしタイプで2倍速から5倍速に対応した製品が主流となっている。

メディアの分類直径容量書込速度クラス
バージョン1.012 cm片面2.6 GB、両面5.2 GB1倍速0
バージョン2.0で加わった規格片面4.7 GB、両面9.4 GB2倍速
バージョン2.1で加わった規格12 cm3/5倍速
8 cm片面1.46 GB、両面2.92 GB
バージョン2.2で加わった規格12 cm片面4.7 GB、両面9.4 GB6/8/12/16倍速1
8 cm片面1.46 GB、両面2.92 GB
※バージョン2.0以降の大容量メディアは、バージョン1.0のみ対応のドライブでは読み書きできない。また、6倍速以上のメディアは5倍速以下のドライブでの書き込みができない。

カートリッジの分類ディスクの直径カートリッジからのディスクの取り出し記録面
タイプ1120 mm不可両面/片面
タイプ2可能片面
タイプ3ディスクのみ
タイプ4可能両面
タイプ5ディスクのみ
タイプ680 mm可能
タイプ7片面
タイプ8ディスクのみ両面
タイプ9片面

DVD+RWアライアンスが制定した別規格

DVD+RWアライアンスが策定したこれらの規格はDVDフォーラムの規格外のため厳密にはDVDとは呼べず、DVDロゴは付いていない。また正式名称に「DVD」の文字はない。このように本来のDVDとは似て非なるものである。しかし2008年にはDVD関連ライセンス団体であるDVD6Cがこれらの規格のライセンスを管理するようになる[26]などDVDフォーラムとの規格争いが過去のものになっており、既にDVD規格の一種として認知されたと見ることもできる[要出典]。

DVD+RWアライアンス参加企業以外は印刷物で「DVD+R/+RW」という表現をせずに「+R/+RW」と表記し、脚注に「『+R/+RW』は『DVD+R/+RW』と表現されることがあります」と書くことが多い。[要出典]

DVD-R/-RW/-RAM陣営(以下、DVDフォーラム陣営)とDVD+R/+RW陣営(以下、+RWアライアンス陣営)がVHS対ベータマックスのような規格争いを行って消費者に混乱を招くことが懸念されたが、現在はDVDレコーダーではDVD-R/-RW/-RAMにほぼ落ち着き、パソコン向けドライブでは両対応のスーパーマルチドライブが普及したためそれほど混乱は生じていない。

Windows Vistaでは、Mount Rainier(DVD+MRW)と呼ばれる規格がサポートされている。これはパケットライト方式で書き込む際に有効でフォーマットを必要最小限の領域にとどめ、残りの領域のフォーマットは書き込みドライブが未使用のときに実行することでフォーマット時間を大幅に短縮できるというものである。

記録速度や2層メディアの登場など開発スピードがDVDフォーラム陣営に比べて速いことが特長だった。しかし、DVDフォーラム陣営も開発速度を上げ、DVD+R/+RWは著作権保護技術としてCPRMではなくVCPS (Video Content Protection System(英語版))を採用しているために日本のコピーガードに対応しておらず録画用メディアであってもデジタル放送を記録できない[27]。日本では、DVD+R/+RWは廃れた存在となった[28]
追記型

一度だけの書き込みが可能(ファイナライズ前なら削除や追記も可能)なタイプとして以下のものがある。
DVD+R

ライトワンス型の記録型DVDフォーマットで、正式名称はplus R(プラス アール)。規格としてはECMA-349で標準化されている[29]。DVD+Rで記録されたディスクは一般的なDVD-VideoやDVD-ROMドライブで再生が可能とされるが、実際にはメディアID(ブックタイプ)がDVD+Rであるため再生できないケースもまれにある。ただし、ファイルシステムの構造がDVD-Rに比べDVD-ROMに近いためROM化[注釈 6]を行った場合、DVD-Rよりも互換性は高くなる。

記録面材料は、DVD-Rと同様に有機色素系材料である。

当初DVD+RWアライアンス陣営は書き換え型のみを想定してDVD+RW規格を策定したが既存のDVDプレイヤーでの再生互換性が想定より低いことがわかり、その対策としてDVD+R規格を追加する形になった。この際、初期のDVD+RW専用ドライブはファームウェアの更新によりDVD+Rにも対応できるとされたが結局ハードウェアの問題で棚上げとなり一部のユーザーに混乱を招いた。[要出典]


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