DVD-R_DL
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DVD-VR

正式には、DVD Video Recording Format。一部ではDVD-VRFとも表記されているがいずれも同じものであり、登場時からの時間の経過と共にDVD-VRとしての記述に収束方向にある。論理フォーマットはUDF Ver.2.00。新たにシーンの編集機能やアングル機能、CPRMへの対応などが実装された。ファイナライズが必要なディスク規格では引き続きファイナライズが必要。

DVD-Videoフォーマット規格を元に、家庭用レコーダーで記録するためにより適した規格に改良したもの。技術的な内容は近似しているので、レコーダーの設計者が両方式間のコンバート機能を設計する際には便利ではあるが、記録されたディスクとしてはDVD-Videoフォーマットとの間に互換性があるわけではない。

HDD搭載のDVDレコーダーの多くは実質的にはDVD-VRレコーダーの性格で企画開発されたものが多いため、録画物をHDD内に記録する場合はDVD-VRの規格に応じた形式が用いられる場合が多い。ごく一部の機種ではHDDへの記録でもDVD-Videoフォーマットで行うものがある。詳細は「DVD-VR」を参照
DVD-Audio

コンパクトディスク (CD) に比べ高音質で、著作権保護など複製されにくい特徴を備えた、通称「次世代CD」規格としてDVDフォーラムが1999年に策定を完了させたオーディオ専用のアプリケーションフォーマット。

リニアPCM 最大192 kHz/24 bit(2.0chステレオ時のみ)、最大96 kHz/24 bit(最大5.1chサラウンド)に対応する。可逆圧縮音声データを収録することも可能 (MLP)。論理フォーマットはUDF Ver.1.02。読み取り専用の音楽ソフトだけでなく、パーソナルコンピュータ用の音楽制作アプリケーションと記録型DVDを用いて作成することも可能。

「次世代CD」規格としては日本ビクター(現・JVCケンウッド)・パナソニック・東芝・パイオニア(現・オンキヨーホームエンターテイメント)等が推進したDVDオーディオ (DVD-Audio)と、ソニー・フィリップス等が推進するスーパーオーディオCD (SACD)の2つの規格がある。これらの間に互換性はない。

DVDオーディオの再生にはDVDオーディオ対応のプレーヤーが必要である。ただしソフト(録音媒体)によってはDVD-Videoに準拠したデータを併せて収録しており、その場合はDVDプレーヤーでも再生ができる(ただし音質はDVD-Video相当となる)。また、音楽コンテンツ向けの付加機能として映像コンテンツを収録することもできる。

ユーザーが録ったハイサンプリングレートによる音源を記録する用途にはDVDオーディオ方式の方がスーパーオーディオCDの方式よりも有利であると言える。ダイレクトストリームデジタルでは録音レベルを調整するためのイコライザですらかけられない上に、1bitレコーダーを用いた録音はファイル形式が異なるので市販のスーパーオーディオCDプレイヤーでは再生ができる対応機種はほとんど存在しないからである。DVDオーディオではその点、専用ソフト[注釈 8]を用いればDVD書き込みに対応した光学ドライブを用いてDVDオーディオ規格のディスク媒体の作成が自由に可能であった[43]

スーパーオーディオCDの項目にあるように、高音質・サラウンドへの需要は盛り上がらず、それよりもむしろ利便性に優れているMP3音楽配信などが普及し、2010年代に入るとDVDオーディオと同等のリニアPCM・FLAC音源やスーパーオーディオCDと同等以上のDSD音源も配信されているため、DVDオーディオもスーパーオーディオCDも共に普及のペースは非常に鈍いので将来が危ぶまれる。

スーパーオーディオCDはオーディオ愛好者から一定の支持を得てまだ専用プレーヤーも発売されているが、DVDオーディオの方は既に自然消滅に近い状態である。日本の業界団体・DVDオーディオ プロモーション協議会[44]は2007年3月をもってホームページを事実上閉鎖した。2013年現在ではマルチ対応のユニバーサルプレーヤーが対応する。また、2008年以前まではパソコン用のDVDビデオ再生アプリケーションの一部[注釈 9]もDVDオーディオの再生をサポートしていた。詳細は「DVD-Audio」を参照
DVD-AR

正式には、DVD Audio Recording Format。DVD-Audioに対するDVD-VRに相当する規格である。2007年現在は規格として存在するのみで、適応製品としては開発されていない。
DVD-SR

正式には、DVD Stream Recording Format。論理フォーマットはUDF Ver.2.01。デジタル放送の放送信号(ストリーム信号)をそのまま丸ごと記録するための方式。ハイビジョンをDVDに録画できるが、可能記録容量の関係でDVDへの適応は2008年現在は行なわれていない[注釈 10]。DVD-VRと一部共通性があるので、同一のディスクに記録して利用できるメリットもある[注釈 11]

BDの派生規格であるAVCRECの登場後はそちらが主流である。
HD Rec

HD DVDのアプリケーションフォーマットに準拠したハイビジョン映像を記録型DVDに記録する規格。DVDフォーラムが2007年に策定した。東芝が対応レコーダーを2007年末に発売。

既に対応機器の発売は終了しており、AVCRECに移行している。類似する規格としてHD DVD9がある。詳細は「HD Rec」を参照
DVDフォーラム以外で策定されたアプリケーションフォーマット
各種デジタルデータの記録

上記のDVDビデオとしてのアプリケーションフォーマット以外にも、PCのメモリ上で認識可能な各種データも書き込み可能である。ゲームソフトのプログラムやDVDビデオの規格では許容されていない各種画像・映像データファイルも書き込み可能で、読み取り機器側さえ対応していればそれらのデータファイルの表示・動作も可能となる。用語としての定義とは別に、DVDがDigital Video DiscではなくDigital Versatile Discという名称であるのはこれによるものである[要出典]。
DVD+VR

正式には、DVD+RW Video Recording Format。DVD+RWアライアンス陣営が策定したDVD+RW向けの Video Recording フォーマット。論理フォーマットはUDF Ver.1.02。DVD-VRがDVD-Videoとの再生互換性が全くない一方で、DVD-Videoとの再生互換性を目指して策定された規格。論理的にはDVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤーでの再生可能なフォーマット。DVD-RWと異なりCPRMは規格上存在しないため、「1回だけ録画可能」のデジタル放送を記録することはできない。
AVCHD

前述した各種デジタルデータファイルの書き込みの延長線上にあるものでもあるが、既存のDVDビデオの各種規格とは別にハイビジョン動画ビデオの記録と再生を目的にした次世代規格として2006年にAVCHDの規格が登場した。ソニーとパナソニックが策定。書き込みも読み出しも専用対応機器が必要である。詳細は「AVCHD」を参照
AVCREC

Blu-ray Disc Associationが策定した、HD Recと同様のハイビジョン映像記録用規格。従来のDVDレコーダーで採用されているDVD-Video・DVD-VR規格はハイビジョン規格の映像信号をSD(標準画質)にダウンコンバートしなければならない。DVDメディアにハイビジョンを記録するにはDVDビデオ規格 (DVD-Video・DVD-VR) にハイビジョン規格の解像度を新たに加える規格変更が必要になるが規格変更の必要性の他にも大きな問題がありDVD-Video・DVD-VR規格で映像圧縮技術に採用されているMPEG-2ではDVDメディアには2層メディアでも1時間以下、1層メディアでは30分以下となり特にテレビ番組の録画を目的にした場合の実用性に乏しいためDVDメディアにハイビジョン映像をMPEG-2のままで記録するDVD規格は当初から考案・策定されていない。

ただし映像を記録する際の圧縮技術に従来のMPEG-2の約2倍の圧縮効率を持つMPEG4 AVC/H.264を採用したHD RecやAVCRECにより、ハイビジョンのままでDVD-VideoやDVD-VRと同程度の時間をDVDメディアに記録できる。2007年11月に松下(現:パナソニック)がAVCREC対応レコーダーを発売した。HD RecとAVCRECの間に互換性はないが、各社から発売されたAVCREC対応のレコーダー・BDプレイヤーが市場を席巻している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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