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出典検索?: "DIPS" 野球
DIPS(ディーアイピーエス)はDefense Independent Pitching Statisticsの略で、アメリカ合衆国でボロス・マクラッケン(英語版)が提唱した、守備の影響とは独立に投手の成績を評価するという概念及びその評価手法である。
マクラッケンが考案したDIPSのコンセプトは、投手の成績を「投手自身でコントロールできる部門」と「投手自身ではコントロールできない部門」に分けて、「投手自身でコントロールできる部門」だけで投手を評価することである[1]。「投手のインプレイ打率(BABIP)はシーズンごとの一貫性がない」という事実の発見から、失点の増減には野手の守備と運の要素が大きくかかわると考えた。そこでインプレイの要素を最初から無視し、投手のみに責任がある要素である奪三振、与四球、被本塁打から投手を評価しようとする考え方がDIPSである。 DIPSが定義する「投手自身ではコントロールできない部門」とは勝利、敗戦、勝率など(いずれも、味方打線や救援投手の影響を大きく受ける)と同時に、被安打や自責点、防御率も入る。これらは主に守っている野手の影響が大きく関与するが、その野手の違いを数値化するのが極めて難しいので、最初から無視してしまうのがDIPSのコンセプトとなっている。 一方で、「投手自身でコントロールできる部門」とは、野手が関与しない奪三振、与四球、被本塁打の三部門であり、DIPSで投手を順位付けをする場合は基本的にこの三部門によって行われる。近年ではゴロやフライの割合も投手がコントロールしやすい事が判明し、DIPSの評価に組み込まれている。 元来、投手の責任とされていた、被安打や自責点の増減を「守っている野手の影響が大きく、投手の責任とはできない」としたDIPSのコンセプトはアメリカのセイバーメトリクスの間で大きな議論を巻き起こした。提唱当初は「バカげている」とマクラッケンに対して大量の抗議が殺到し、数少ない肯定寄りの人物であったビリー・ビーンですらも「私には信じがたい」とコメントしていたが、提唱から9ヶ月後にビーンはマクラッケンのこの説は正しいと表明した[2]。 DIPSを簡潔に算出するような公式というのは存在せず、個々の項目を補正しながら算出した値を回帰的に積み重ねて答えにいたる方式であるが、簡易版として、カナダのトム・タンゴ(Tom Tango 通算のFIPと防御率は近い値になる傾向があり、BABIPの影響を受けないFIPは防御率より安定度が高い。そのため、FIPは翌年の防御率を予測する際に参考となる[3]。 投球回が多ければ投手ごとにフライボールあたりの本塁打の割合はほぼ一定の範囲に収束するという性質により、打たれたフライボールに一定の本塁打を見込んでFIPを計算するのがxFIPである[4]。
概要
DIPSに基づいた指標
FIP
FIP={13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値
補正値:リーグ全体の防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回
xFIP