DDRオーバーリーガ
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DDRオーバーリーガ
加盟国
東ドイツ
大陸連盟UEFA
開始年1949年
最終年1991年
ディビジョン
参加クラブ14
リーグレベル第1部
下位リーグLiga
最新優勝クラブハンザ・ロストック (1990/91)
最多優勝クラブベルリナーFCディナモ(10回)

DDRオーバーリーガ(ドイツ語: DDR-Oberliga)は、旧東ドイツにおけるサッカー1部リーグ。東西ドイツの統一にともなって消滅した。所属チームの多くは、旧西ドイツで行われていたブンデスリーガに編入された。
歴史
DDRオーバーリーガの成立まで

第二次世界大戦後、敗戦国のドイツソ連イギリスフランスアメリカ合衆国の四国に占領された。そのうち、ソ連の占領地区で、1947年から1948年にかけて占領地区内の優勝を争うトーナメントが開始された。占領地区内で優勝したSGプラニッツは、各占領地区選抜の優勝決定戦に進出したが優勝は果たせなかった。1948年、ソ連を除く三国が占領地区の統合を図ったことで東西ドイツの分裂は決定的となり、1949年にドイツ民主共和国(DDR)が成立した。これに伴ってDDRオーバーリーガが発足した。なお、2部リーグは単にリーガ(Liga)と称する。
DDRオーバーリーガ発足

1949年、第1回のDDRオーバーリーガが開催された。結果は以下の表のように、ZSGホルヒ・ツヴィッカウ(ZSG Horch Zwickau)が、SGフリードリヒシュタット(SG Friedlichstadt)をおさえて優勝を手にした。

DDRオーバーリーガ結果表1949年/1950年
順位クラブ名試合数勝分負得失点差勝点
1.ZSG Horch Zwickau26201569:27 +4241-11
2.SG Friedrichstadt26183587:29 +5839-13
3.BSG Waggonbau Dessau26173667:36 +3137-15
4.BSG Turbine Erfurt26155658:30 +2835-17
5.ZSG Union Halle26135856:38 +1831-21
6.BSG Franz Mehring Marga26135849:48 +131-21
7.BSG Markische Volksstimme Babelsberg261041242:66 -2424-28
8.ZSG Industrie Leipzig26861238:45 -722-30
9.Einheit Meerane26931438:56 -1821-31
10.BSG Hans Wendler Stendal26751431:45 -1419-33
11.SG Gera Sud26671334:54 -2019-33
12.ZSG Altenburg26651534:50 -1617-35
13.ZSG Anker Wismar26651535:60 -2517-35
14.BSG Vorwarts Schwerin26431930:84 -5411-41

DDRオーバーリーガの各クラブは、ドイツ社会主義統一党 (SED) 独裁政権の影響下におかれている。そのため、たびたび政府によってチーム名が改称されることがあった。初代優勝チームが本拠地とするツヴィッカウは、トラバント(旧東独で盛んに生産された自動車)の生産地であったこともあり、BSGモーター・ツヴィッカウ(BSG Motor Zwickau)と改称した。また、場合によっては政府の決定でクラブ全体が他の都市のメンバーと入れ替えられることもあった。その代表的な例としては、1954年には、SCエンポール・ラウターとSCエンポール・ロストック(のちのハンザ・ロストック)のメンバーが急遽入れ替えられたことなどが挙げられる。1971年にはFCフォルヴェルツ・ベルリンとFCフォルヴェルツ・フランクフルト(・アン・デア・オーダー)も同様の交替がなされている。

1950年代には、アウエを本拠地とするSCヴィスムート・カール=マルクス=シュタット(SC Wismut Karl-Marx-Stadt、現在のエルツゲビルゲ・アウエ)が3連覇を含む4度の優勝を果たした。ハンガリーの反ソ自由化運動に対してソ連軍が侵攻した1956年、ソ連のリーグ戦にあわせて新年から秋までを1シーズンとすることが定められた。(1961年より、再び従来の日程進行に戻された。)
「ディナモ」の時代

1970年代は、SGディナモ・ドレスデンが活躍し、3連覇を含む5度の優勝を果たした。その後、70年代末からはベルリナーFCディナモが快進撃を続け、1987年のリーグ戦まで10連覇の偉業を成し遂げた。とはいえ、「ディナモ」を冠するチームには特殊な事情がある。SVディナモ(Sportvereinigung Dynamo)とは、東独の国家保安省秘密警察情報機関)とも関係の深いスポーツクラブ群であり[1]、扱う競技はサッカーにとどまらずアイスホッケー乗馬スキーなど多種に渡った。どの競技においても事実上の東ドイツ代表であり、近代オリンピックワールドカップの代表もディナモのメンバーから多く選出された。
ブンデスリーガへの併合

1989年11月、ベルリンの壁が崩壊した。東ドイツの崩壊と西ドイツへの合併が迫る中、東ドイツサッカー協会は解散し、北東ドイツサッカー協会(Nordostdeutsche Fusballverband)へと再編された。そのため、1990年から91年にかけてのリーグ戦は、NOFVオーバーリーガ(NOFV-Oberliga)の名称で開催された。これが、事実上最後のDDRオーバーリーガである。最後の優勝は、1.FCディナモ・ドレスデンをおさえてハンザ・ロストックが手に入れた(下図参照)。最後のリーグ戦で、「ディナモ」のチームが優勝できなかったこと、中世ドイツを思い出させる「ハンザ」を冠したチームが優勝を手に入れたことは、東西ドイツの時代が終わったことを象徴していたのかもしれない。

NOFVオーバーリーガ結果表1990年/1991年
順位クラブ名試合数勝分負得失点差勝点
1.Hansa Rostock26139444:25 +1935-17
2.Dynamo Dresden26128648:28 +2032-20
3.FC Rot-Weis Erfurt26119630:26 +431-21
4.Hallescher FC Chemie26109740:31 +929-23
5.Chemnitzer FC26911624:23 +129-23
6.FC Carl Zeiss Jena261241041:36 +528-24
7.1. FC Lokomotive Leipzig26108837:33 +428-24


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